ボールコントロールを意識するためのトレーニングとは?
三浦です。
今回のメルマガも先週に引き続き、新4年生のトレーニングについての話題です。
新4年生は現3年生ですが、4対4や5対5でミニゲームをやってみると、気がつくことがいくつかあります。
コートは、マーカーを並べてライン代わりにしているのですが、タッチラインを割る場面が多いですね。
つまり、ボールが外に出てしまう場面です。
サッカーでは、「アウトオブプレー」と言います。
コートの中でボールがつながらないので、ゲームが中断してしまいます。
アウトオブプレーが続くとゲームがつまらなくなり、集中力がガタ落ちになります。
アウトオブプレーの原因は「ボールコントロール」スキル
ボールが外に出るということは、
- 外に向かってボールをパスしている
- タッチライン沿いをドリブルしている
ということです。
パスが外に向かうことは、コートを広く使うという意味ではよいことです。
しかし、パスを受ける選手のボールコントロールスキルが足りないと、ボールが止まりません。
5,6年生の試合を見ていると当たり前にボールが止まりますが、3年生の試合ではボールが止まらない場面が多いです。
パスされたボールも強すぎたり角度が悪かったりと、なかなかよいボールが来ないことも理由のひとつでしょう。
よくないパスでもルーズボールでも、しっかり止めるスキルはパスを出すスキルよりも重要だと考えさせられる場面です。
「止めること」に集中したトレーニングを、多くしたいと考えています。
ボールが外に出てもゲームが途切れないためのアイディア
サッカーの動きを学ぶためにゲームをするのですが、ゲームが続かないと動きも学べません。
また、ボールがラインを割って、そのボールを取りに行く時間がとてももったないないですね。
スローインにしてもキックインにしても、時間がかかります。
そこで、外に出してしまったチームの相手チームがスローインやキックインをするのではなく、先に拾ったチームのボールにするというルールを導入したことがあります。
すると、なぜかダッシュしてボールを拾いにいってスローインで再開するので、とてもスピードアップしました。
ですが、これにも問題点がありました。
ボールの攻防で上手く支配出来ないと、イライラしてわざと自分で外にボールを出して、自分で拾いに行ってマイボールにするという知恵がついてしまったことです。
自爆禁止!と選手たちに伝えましたが、どうしても自爆というか自作自演の場面がでてしまいます。
そこで、次のアイディアを考えました。
チームを3チーム作るか、他の学年に手伝ってもらいます。
コートの外にボールを手に持った選手がいて、ボールが外に出たら、ボールを出したチームではない相手チームの誰でもよいので手で投げ入れるというものです。
この方法だと、自作自演しようにもボールは相手チームに渡ってしまいます。
問題は、連続してゲームが出来ないチームが出てきてしまうことですが、逆にこれは夏場の暑い時期にはほどよい休憩タイムになりました。
ゲーム時間を短く切ってローテーションすることで、解決できる問題です。
ボールを出さないという意識も重要
ボールが外に出そうな場面で、
- ダッシュでボールを追う選手
- かんたんに諦めてしまう選手
がいます。
ボールが出そうな場面で必死に追いつくことを習慣化するためには、
- ボールを出さないことで何が得なのか
- ボールが出てしまって相手ボールになることで何が損なのか
を考える必要があります。
ボールを出すということは、相手ボールになると同時に相手に時間を与えることになります。
相手エンドで攻撃していてボールが外に出してしまえば、相手ボールとなってしまいます。
ボールを奪うことから、始めなければなりません。
ボールを出さない・保持すること。
ボールを大事にすることの意味を、感じることが大事ですね。
コーチとしては、このような事を言葉で表すことよりも、選手たちに感じさせることが必要だと思います。
「今、かんたんにボールが外に出てしまったけど、この後、チームとしてはどうなるか考えてみたかな?」
チームメイトを意識することの始まりが、ボールをかんたんに出さないこと。なのかも知れませんね。
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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