ドリブル中にフェイントができない選手ができるようになる練習方法とポイント
今回も「ドリブル中にフェイントができない選手」に向けての教え方についてご紹介していきます。
前回は、「教え方」でなく、前段階としての苦手なタイプの傾向、前提や認識や、苦手なタイプにはどうような表現で伝えるか?などについてお話しました。
今回は、練習メニューを紹介します。
さらに、ポイントの解説と、実際のプレー動画もご紹介します。
そして、最後に教える際のポイントをまとめます。
そして大事な事なのですが!
前回の記事は今回の記事の前提となる話です。必ずご覧ください!
多分読まないわけがわからないと思います(笑)↓↓↓
練習方法
それでは早速、練習方法を紹介します。
私の定番のトレーニングです。
- ボールテクニックは必要ない
- ボールを使わないでも出来る
上記の大きな二つの理由があり、全ての世代、レベルで定番として良く行います。
フィジカル的な刺激にもなるので重宝してます。
です!(笑) やってみてください!(笑)
やり方
流石に雑過ぎたのでルールを説明します(笑)
まず、接触はありません。
条件付き鬼ごっこ的なイメージです。
必要な物
- マーカー4つ(2つでも可、目印なれば何でも可)
- ボール1つ(ボール無しでもできます)
人数
- OF1人、DF1人
ルールは画像にしました。↓↓↓
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↑の画像にもあるように、圧倒的にOFが有利ですので、OFがDFを外せない場合は、DFの勝ちとしてます。
その辺りは、レベルなどで変わってくると思うので臨機応変に。
導入として、ボールを使わないでやる事をおススメします。
最大のポイントは!?
順(目的地に向かう)はなんだ!?に尽きます。
このトレーニングの順(目的、目的地)は「大外マーカーをDFより早くを通過する」です。
この順を明確にしないとDFはほぼ引っ掛かりません。
「逆を取ろう」「騙そう」など相手に対してのアプローチではなく、「ボールをなんとかしよう」などボールに対してのアプローチでもなく「まずは、自分が目的地に向かう!」と目的地に向けてアプローチしてください。
「自分が目的地に向かう!」を「大きな矢印を出す」と表現される方も多いですね。
順を出すには、顔も体が目的地に向かわないといけません。
何故なら、目的地にダッシュで向かう時は、目的地に顔、体が向かない人はいないからです。
動画を見て頂くとわかるのですが、DFを外せない場合の多くは、顔や体が目的地に向かわずにDFを向いてしまっています。
そして、動きを見るとちょこちょこと小さい動きになっています。
これは、目的地に向かわずに、「逆を取ること」が目的の認識になっている為に、このような動きを作ってしまっていると考える事ができます。
フェイントが苦手なタイプは、このようにどうしても目の前のモノ(人、ボール)と戦いがち。
なので、ボールがあってもなくてもちょこちょこと小さい動きなってしまいます。
それでは上手く相手を外す事できません。
相手を中心に見るという捉え方を変える必要があるという事でもあります。
ですので!
目的地を強烈に意識して、「よーいどん!」と、目的地に全力で向かってください。
かつ、DFに反応される前提で目的地を入れ替える(順⇒逆)準備をもっていてください。
DFの反応を見る事がとても重要になります。
何故なら、DFの反応こそ自分の行き先を決めてくれるからです。
だからこそ、DFの反応を見逃すわけにはいきません。
DFの反応を見るというのは、直視することではありません。
何故なら、目的地に向かって走っているのだから顔は目的地に向いています。(顔はDFに向いていたら目的地に向かっていない)
ですので、視野の端っこで見てください。
人間は見たいものは見られる仕組みです。
正面を向いていても、200度以内なら見ようと思えば見えるので心配しないでください(笑)
よーいどん!して、DFがついてこないなら(視野に入っていないなら)、そのまま順に突き進むサインです。
DFがついてきたら(視野に入っていたら)、止まる、逆(次の順)に進むサインです。
そして、逆(次の順)に進もうとしてDFが先回りしたら(視野にいたら)、順に戻るサインです。
このように、常に自分の行動を決めてくれるサインはDF(自分以外、状況)が出してくれます。
だからこそ、見逃さないようにしましょう。
そして、キャンセル前提でないと、動きはキャンセルできません。
ですので、前回も書きましたが、自分の行動が読まれている前提を忘れないでくださいね。
そして、自分のプレーの「確認作業」、相手の狙いが何かの「確認作業」をすることを忘れないように。
結果としてフェイントなるからです。
と、↑のような側面でもう1度動画をご覧ください。
DFを外してるシーン、DFを外せていないシーンの理由が見えてきます。
わかりやすい例 順の応酬!!
試合においてのわかりやすい例のご紹介です。↓↓↓
元フットサル日本代表の横江さんの現役時代のゴールシーンです。
ゴールを決めた選手が横江さんですが、ゴールを決める前の右サイドでDFを交わすシーンに注目です。
ボールに触らず順(大きな矢印)をコート中央に向けたら、DFが反応しついてきたので、
進行方向を逆(次の順)の縦方向に変更し、フリーになりシュートをしゴールを決めました!
トラップ(ボールタッチ)⇒順(中央へ)⇒DF反応⇒逆(縦へ)⇒シュート(ボールタッチ)⇒ゴール! まで2タッチです。
そしてもう1つ。↓↓↓
順⇒逆(順)⇒順(逆)のわかりやすい例です。
ロシアW杯でクロアチア代表のモドリッチ選手がアルゼンチン戦で決めたスーパーゴールです。
当時、時空が歪んだ!と思ったプレーです。
トラップ⇒順(右足シュート)⇒DF反応⇒逆(順)左足⇒DF反応⇒順(逆)右足⇒シュート⇒ゴール!
このモドリッチ選手のプレーは、トラップからシュートまで3回しか触ってません。
↑の2つ動画を見ると、フェイントは順⇔逆(次の順)の行動を結果ではないでしょうか?
特にモドリッチのプレーは、順⇔逆(次の順)というよりは、強烈な順!の応酬です。
強烈な順!を見せ続けることでDFが反応してしまうよね!(勝手にフェイントになるよね!)のわかりやすい例になると思います。
逆は(次の)順でもあり、順は逆でもあります。
どちらにしても、強烈に目的地に向かう事がDFを反応させ、自分の行動を決めるサインになる事は間違いありません。
「フェイントをする」のではなく、順(目的地へ!)を明確にすることでDFに反応をさせ、結果として、フェイントになるということが、フェイントが苦手なタイプにはとても重要な事です。
そして、このような捉え方は、技術的に優れていなくても出来るわけです。
ボールを触らなくなっていい
そして、横江さんは2タッチ、モドリッチ選手は3タッチでゴールを決めています。
という事は、タッチ数は少なくてもいいという事です。
そして、ボールテクニックが無くても出来るという事でもあります。
ボールはいつでも触れるようにしてればいいだけで、いつでも触ってる必要はありません。
ある意味、「ボールを触らないといけない」という考えのアンチテーゼでもあります。
蹴り方教室なのに2 pic.twitter.com/1MkCVikVPN
— YJR (@YJR1980) September 12, 2021
↑とてもとてもいい例です。
女性はサッカー未経験者で、フットサル歴1年半とのことです。
経験者に比べたら、技術的レベルは高くないのは間違いないです。
しかし、DFの反応を見逃さずに順と逆(次の順)の入れ替えが上手いです。
進むときに2タッチしてますが、順⇒逆⇒順⇒逆の入れ替え時は1回もさわっていません。
モドリッチ選手は順の入れ替えを2回して3回目の順でシュートでしたが、
↑の女性は、順の入れ替えを3回して、4回目の順で突破してましたね。モドリッチ選手多い!(笑)
ボール触ってないので、ボール扱いに自信がなくても大丈夫です。
面白いもので、ボール扱いが苦手なタイプは、ボールを何とかしようと思って沢山触ってしまいがち。
逆に、「自分はボール扱い上手くないし、だったら触らないでおこう!」くらいに認識を変えてみてください
結果的にボールタッチも上手くなります。認識が変わると行動が変わるからです。
■教える際のポイントをまとめると!
- 自分がどのような認識か認識させる(自分自身の認識が自分自身に失敗させている事を知る)
- 「騙す」、「逆を取れ」というフレーズは使わない
- ボールや相手と戦わないように仕向ける(認識の中心をボールにしない)
- その為に、順(目的地、認識の中心を目的地にセット)を明確にする
- 順(目的地)によーいどん!と向かわせる(目的地に向かう際の自然に起こる体の向きを認識させる)
- 順⇔逆(次の順)を常に入れ替えられるようにする(1つの事に固執させない)
- 順⇔逆(次の順)の入れ替えはDFの反応次第なので(直視せず視野の端っこで)DFを観察する
- 読まれている前提、キャンセル前提でこそ、DFを観察できる
- 自分のプレーの「確認作業」、相手の狙いが何かの「確認作業」の為の順でもある
- 結果としてフェイントになるように
私らしくボールを扱うテクニックに関しての言及は一切ありません(笑)
しかし、テクニックがあった方がいいに決まってます。
ただ、それは「認識の中心が目的地」にセットされていればの話です。
ボールが扱えても、扱う事が目的になったら、フェイントにはなりません。
また、フェイントしようと思っても出来ないタイプも多くいます。
フェイントが苦手にこそ、、順を明確に、順の入れ替え、認作業・・・etcを行い。
ボールやフェイントという事から目線を離してあげることが非常に重要だと大事だと考えます。
ですので、教える際には、選手のタイプにもよりますが、上記の事をポイントとして持つと色々と見えるかもしれませんね。
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FFCカレッジフットサルリーグ担当
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今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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