サッカーは足を使うが、足だけでサッカーは出来ない
リアルスタイルさんから新作のDVDが発売されました。
「初心者のためのサッカー上達法」です。
僕はかれこれ15年近く小学生にサッカーを指導していますが、このDVDを見て、多くのサッカー指導者にぜひ手にとって欲しいなと感じました。
目次
■サッカーの初心者指導の重要性とは
どんなスポーツでも初心者に基本を指導することは大切ですね。
しかし、サッカーほど、初心者指導が重要なスポーツはないのではないか?
僕は、そう思いながら15年間指導してきました。
なぜなら、足で行うスポーツであるだけに習得が難しいのですが、一度覚えると忘れにくいという特徴があります。
つまり、誤った動き、よくない癖がついてしまうと修正に時間がかかると言うことです。
そのような理由から、僕は、初心者の指導は、指導経験のある指導者が行うべきだと考えています。
■よい習慣をつけることが練習の目的
僕のチームでは、小学1年生~3年生の指導はベテランの指導者が担当しています。
少なくとも3年から5年以上の指導経験がある指導者です。
小学1年生~3年生は、生まれて始めてサッカーをする子が多く、サッカーの技術だけでなくスポーツそのものへの取り組み方も合わせて指導したいと考えているからです。
その目的のひとつに「よい習慣」というものがあります。
「サッカーの指導は、選手によい習慣を身に着けさせること。
よくない習慣、悪い習慣をつけさせないような指導をしなければならない」
よい習慣とは何でしょうか、悪い習慣とは何でしょうか?
その判断が出来なければ、未来に羽ばたく小学生にサッカーを教えることは出来ない。
そう思います。
■よい習慣の特徴
よい習慣とは例えばどんな事でしょうか。
新作のDVDでは、兵庫FCの永濱代表が小学2年生を相手に実に見事な指導ぶりを見せてくれています。
本当に安心して見ていられるきめ細やかな指導です。
子供相手だからと言って、説明で手を抜くことはなく、ひとりのスポーツ選手として扱っています。
上手く出来たらその理由、失敗したら出来るまでやってみる。
このような指導を積み重ねることで、動画のモデルのような2年生や6年生が誕生するのでしょうね。
■永濱語録
永濱代表が数多く口にしている言葉のひとつひとつをメモしていくとサッカー選手として必要な「よい習慣」のイメージが湧いてきます。
よい習慣を形作るものはほんの小さな動作や意識です。
簡単過ぎて見逃してしまうものばかりです。
例えば
「体の正面でボールを扱う」
という言葉があります。
サッカーチームに入っている子供たちなら1度は聞いたことがある言葉です。
でも、その大切さ、大事さがわからない子も少なくないようですね。
ドリブル、シュート、トラップ、キック。サッカーの主要なテクニックを習得するためには、体の正面という言葉を理解して、実行できなければなりません。
■サッカーは足を使うが、足だけでサッカーは出来ない
なぜ体の正面でボールを捉えられなくなるのか?あなたは考えたことがありますか。
ボールを足だけで扱おうとするので、ボールに対して利き足が正面になりがちです。
体の向きは利き足の方向を向くので、キックやドリブルは利き足方向にしか進むことが出来ません。
永濱代表はDVDでは言葉でこのような説明をしていません。しかし、子供の動きを見ていればわかります。
兵庫FCの2年生の動きを見ていると、ふだんのトレーニングがいかに素晴らしいものかよくわかります。
胸トラップからシュートまでの動きを見ていると、6年生と変わらないスムーズさです。
■ほんの小さな癖を見逃していませんか
小学2年生でサッカーを始めたばかりの子供たちとキックの練習をしていると、気になる動作をいくつか見つけました。
一緒に指導している新米コーチに「子供たちを見ていて何か気づかないか?」と聞くと「そうですね、足首の固定が弱いですね」と答えました。
これは永濱代表もDVDの中で指摘しているので、なかなかよい所に気づいたと思いました。さすがウチのコーチです。
「それ以外はどう?」と聞くと「いや・・・特に」と答えました。
僕が気になる点を説明しました。
「ね、試合ではありえないだろう。直してあげよう」
新米コーチは子供たちを集め、僕が指摘したよくない動きをデモンストレーションして見せました。
どんな動きを見つけたのか?
それは、ボールを蹴る時に、2,3歩バックしてから蹴るという動きです。
なんだそんな事か・・・・
いえ、この小さな癖が1年後には直しにくい癖になってしまうのです。
上達するための時間が、癖を直す時間に奪われてしまうなんてもったいない話です。
■永濱代表が僕たち指導者に伝えようとしていることとは?
永濱代表は、動画の中で
・サッカーの基礎とは?
・初心者が上達するために必要なこととは?
・初心者に必要な技術とは?
そんな事を伝えてくれる永濱代表ですが、僕はもっと深いものを感じます。
ドリブル、トラップ、キックという個人技術は、もっと可能性を秘めている。
その可能性に気づかない指導者が多すぎるのではないか?
僕はそんなメッセージを受け取ったように思います。
特に、代表が熱く語る「トラッピングからのシュート」は、今の日本のサッカーに足りないファンタジックでダイナミックなプレーをイメージさせます。
自分のチームを見て、「何か足りないな」と感じるベテラン指導者もぜひこのDVDを観ていただきたいです。
永濱代表と通じる何かを感じることが出来るかもしれません!
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