なでしこジャパンから学ぶ、基本的なプレーの繰り返しとは?
三浦です。
なでしこジャパンの国際親善試合が、2試合行われました。
4月8日に、パラグアイ戦が行われました。
この試合は、7-0でなでしこジャパンの大勝でした。
4月11日には、パナマ戦が行われました。
この試合も、7-0でなでしこジャパンの大勝でした。
なでしこジャパンの高倉監督は、この結果に満足していません。
- もっとチャンスを作れるはず
- 決定的な場面に決めることができるはず。
- チャンスを作ることと決定力を、もっともっと高められるはずだ。
そう考えているようです。
あなたは、なでしこジャパンのゴールを見てどう思いましたか。
私は、シュートの精度や決定力がすごく高いと思いました。
男子のサッカーならバーの上を越してしまうような場面でも、なでしこジャパンのシュートはバーを越えることはありません。
バーを叩いて、そのリバウンドを押し込むという場面もありました。
また、GKと1対1になった場面でも、冷静にゴールに流し込みシーンも多く見られました。
しかも、そのシュートコースは、ゴールのポスト付近を狙うコースです。
力いっぱいシュートを打つのではなく、ゴールに流し込むようなシュートはなでしこジャパンの持ち味だと思いました。
そんな、なでしこジャパンのプレーは、シュートだけでなくパスワークにもお手本になるプレーがありました。
ペナルティエリア外のサイドでのワンツー突破
パラグアイもパナマも、ゴール正面からの攻撃を避けようと守備を固めていました。
なでしこジャパンは、手薄になったサイドからの攻撃をしかけました。
ひとりでサイド突破を狙うのではなく、味方とワンツーでゴールラインギリギリまでボールを持ち込み、ゴールエリア内にいる味方に合わせるか、コースがあればシュートを狙う。
こんな場面が、何度もありました。
ひとりでも突破できるような場面でも、2人や3人でサイドを突破するのはなぜだろう。
そんな疑問が湧いてきました。
なでしこジャパンがサイドに3人程度の人数をかけると、相手チームの選手もマークにつこうとしてサイドに引っ張られます。
すると、センターにいるなでしこジャパンの選手のマークが薄くなります。
フリーになった選手が、ゴール前を横切るボールをシュートする。
これは、小学生のサッカーでもぜひ取り入れたいサイド攻撃です。
サイドにボールがあって、相手チームの選手が2、3人入れば、GKはそちらに集中せざるを得ません。
しかし、ゴール前にクロスボールが入った瞬間にフリーの選手に気づく。
相手チームをボールウォッチャーにさせる作戦は、小学生のサッカーでも効果絶大です。
相手のマークを背負った味方へのパス
サッカーの試合でパスをする時は、フリーの選手を探してパスをする。
つまり、
- フリーの味方がパスを受ける
- フリーの選手にパスをする
これが、セオリーになっています。
しかし、なでしこジャパンの試合を見ていると、フリーではない選手へのパスが多いことに気づきます。
フォーワードの2人は、常にマークされています。
しかし、その2人に向かってあえてパスを出します。
なぜでしょうか。
マークされたフォワードは、もらったボールを無理やりシュートするようには見えません。
しかし、パスをカットされないようにボールを受けているようには見えます。
狭いエリアでのパス交換は、なでしこジャパンの持ち味です。
狭いということは、相手チームのディフェンダーが集まっている証拠です。
そこを突破すると、確実なシュートを打てる距離に入ることができます。
また、このパスは、相手チームの選手の注目を集める効果があります。
ゴール前の密集地帯へのパスに相手チームが注目しているスキに、サイドのスペースに入り込もうとするなでしこジャパン。
ドフリーでボールを受けることができるので、サイドから正確なクロスを折り返すことができます。
やりたい放題に見えるなでしこジャパンのプレーですが、このいくつかのプレーには共通点があります。
それは、相手の守備の裏をかくということです。
サッカーは、スペースと時間を奪いあうスポーツですが、相手の予測どおりに動いていてはスペースも時間も奪うことができません。
特に、小学生の場合は、ついついボールをじっと見てしまいがちです。
ゴール正面からの攻撃は、相手の動きとボールの動きを同一視野で見ることができます。
つまり、予測ができるということですね。
しかし、ボールの動きと選手の動きが、同一視野で見られなくなるような場面を作ると予測が難しくなります。
- ゴール正面であれば密集地帯でのパス交換が効果的
- ペナルティエリアのサイドからの攻撃はボールウォッチャー状態を作り出す効果が絶大
相手の裏をかくこと。
なでしこジャパンは、基本的なプレーを繰り返して、たくさんのチャンスを作ることができました。
ぜひ、小学生のサッカーにもこの考え方を取り入れて欲しいと思います。
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小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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