ポゼッションよりも大事な攻撃の原点

戦術 三浦直弥

三浦です。

サッカーの攻撃スタイルとして、「ボールを持ってパスを回しながら相手のスキを突く」という方法があります。

これは、サッカーファンならイメージできる「ボールポゼッション」です。

Jリーグでも海外リーグでも、「ボールポゼッション」主体のチームがあります。

ポゼッションサッカーの対義語になるのが、カウンターアタックですね。

ボールポゼッションというと難しく聞こえますが、とにかくボールを保持し続けること、ボールを持ってさえいれば相手にシュートを打たれることはない。

攻撃は最大の防御だから、と言う人もいます。

ポゼッション以外に大事なもの

10年近く前になりますが、欧州ではバルセロナをはじめとして、ボールを保持し続けるスタイルのチームが多かったです。

日本代表も、ポゼッションサッカーを目指したものです。

2014年のブラジルワールドカップが、頂点だったでしょうか。

2018年のロシアワールドカップでは、ハリルホジッチ氏により日本代表のポゼッションサッカーは姿を消しましたが。

ところで、少年サッカーではどうでしょうか。

サッカーの入り口にいる子供たちに「ボールを持ってさえいれば負けることはないから、とにかくボールをキープしよう」という指導をしていないでしょうか。

三浦も10年ほど前には、そのようなサッカーを目指して指導していた時期がありました。

日本代表を含めて、日本中がポゼッションサッカーを目指していたので、誰もがポゼッションサッカーがベストだと信じていました。

三浦は、この10年の少年サッカーの動きを見てきて、今はポゼッションサッカーではないサッカースタイルを目指しています。

ポゼッションサッカーを否定するという意味ではなく、少年期にはもっと大事なことがあるだろうと考えたからです。

それは、ゴールへの意欲とゴールを守るという執念です。

さらに、ボールを持ったら最短距離でゴールに向かうというプレーです。

攻撃の原点

これまでのメルマガでも書きましたが、私のチームははっきり言って得点力はありませんでした。

シュート数も少なく、決定力も高くありません。

チャンスをものにできない選手が多かったですが、それは選手により多くのチャンスを与えることができなかったからです。

指導方針に、原因がありました。

今、三浦が指導するチームでは、「相手ゴールに最短距離で向かっていくこと」がテーマになっています。

最短距離という言葉を強調していますが、これには理由があります。

相手の立場になって考えてみた結果です。

相手チームのディフェンダーとしては、ボールを持ってすぐに向かってこないチームや選手は怖くないものです。

ボールを持った位置がどこであろうと、ゴールに向かってくるチームは怖いです。

特に、フォーワードが中心になって前線でボールを奪い、そのままゴールに向かってくるチームは怖いものです。

逆に、センターサークル付近でボールを持っても、まっすぐにゴールに攻めて来ないで、サイドにボールを散らすチームは怖くないです。

正直、ディフェンダーとしてはちょっとホッとします。

サイドから正確なクロスを上げることが得意なチームだったとしても、時間の余裕があります。

相手ディフェンダーの嫌なことをするのが攻撃であるなら、最短距離でゴールを目指すことが攻撃の原点です。

前からいこう

このように、相手ゴールに向かって最短距離で攻撃することを続けると、相手は危機感を持つのでゴール前を固めます。

  • この状況を突破してシュートを打つのか
  • サイドに展開するのか

アイディアとスキルが試されます。

これは、ゴールに向かうというプレーがあるから選択肢が生まれるのであって、サイド攻撃しか選択肢がなければアイディアは生まれません。

  • ボールを持つこと=シュートを狙うこと

そんなチームが相手だったら、どこからシュートを打ってくるかわかりません。

怖いチームです。

でも、そのようなチームは本当に少ないです。

もっともっと、攻撃していいと思います。

ゴールに向かうから、相手が防ごうとする。

そこで、1対1の攻防が生まれる。

1対1で勝てれば攻撃を続けることができますが、負ければ相手の攻撃に切り替わります。

つまり、1対1のスキルは、チーム力のバロメーターということになります。

三浦が指導するチームでは、「前からいこう」という言葉がよく使われます。

「前から」というのは、前線からプレスをかけてボールを奪ってシュートを打つ。

つまり、フォワチェックやショートカウンターと呼ばれる攻撃です。

  • ボールを持つ前の状態、つまり守備も相手ゴール近くで奪うことを考えてポジショニングすること。
  • ボールを持っていても、ボールを持っていなくても、相手ゴールを狙っている。

そんなプレーを、選手たちに浸透させたいと考えています。

これが出来るようになるまで時間はかかりますが、指導者としてブレずに取り組んでいきたいです。

この記事を書いた人三浦直弥三浦直弥
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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