なぜ日本はブラジルに勝てないのか?

檜垣裕志 講師

僕の指導しているアカデミーからブラジルでプロのチャレンジをしている選手が一時帰国して、ブラジルでの話をしてくれました。

それは、ブラジルでのU-8の子どもたちの試合を見たことについてでした。

その試合で、ある子にイエローカードが出されたそうです。

そのシーンは、味方がキーパーと一対一になり、失点しそうになったところ、一人の子がファールをしたそうです。

その子はゴールさせないための判断をしたのです。

ルール上、決して良いことではありませんが、7歳の子が狙ってそういうことを出来る感覚は、日本人の感覚ではあり得ません。

ブラジルでは子どもの頃から誰かに教わることなく、ボールを持ったらゴールするため、相手ボールになったらゴールさせないためという感覚があります。

そのシーンについては、プロがやるようなファールを自分の判断で自然にしているのです。

また、チーム内で味方が簡単にミスをしてボールを奪われることがあれば、味方から暴言が浴びせられていたそうです。

そんなことも日本人の感覚ではないですよね。

相手ボールになればゴールさせないため、味方ボールになればゴールするために、小さい頃から自ら瞬時に判断しているわけです。

日本のように教えられてやるのではなく、ブラジルの子どもたちは当たり前に自然にやっているのです。

日本は大人による子どものサッカー

日本では大人たちが、両足、逆足、チームサッカーがどうとか、ポジションがどうとか、パスサッカーが、ポゼッション、サッカー脳が、ドリブルなんとか、フェイント、ジンガ、一対一、対人プレー、デュエルがどうとか…

そんなものはブラジルには一切ありません。

利き足指導だってありません。

彼らは、子どもの頃から「サッカーをやっているだけ」です。

それは、ボールを持ったらゴールするため、相手ボールになったらゴールさせないために、一生懸命サッカーをやっているだけです。

ボールを持ったらゴールするためには、個々がボールを持てなくてはならないですから、ボールを簡単に失うような選手には味方が信頼しないことも当たり前です。

そして、ボールを持てる、ボールを取られないポイントに利き足が欠かせないことは必然的にわかっています。

相手ボールになれば、ゴールさせないためには、どのように判断すべきかを感じています。

そんな当たり前のことを日本人の多くが正しく理解していません。

即ち、基礎基本を正しく理解してないのです。

日本にはこんな大人がいるでしょう。
子どもがプレーしているのに、それを大人が支配するような声出し。

さらには「ファールしろ」「削れ」「体で行け」。また、自主性を履き違えて、チーム内でいろいろ言い合えとか。

さらには、勝ったら喜べ、ゴールしたら喜べなど、子どもたちの感情まで支配しようとしてるのですから。

子どもたちはサッカーの基礎基本を知らないのです。大人が間違ったことを教えているのですから。

正しい目的がある

先ほどのブラジルの子どもがファールをしたことは、ゴールさせないために最善を尽くしただけで、ブラジルでは、基本的には「ファールをするな」と言われます。

それはなぜか、簡単にファールをしたら相手ボールになるわけですから。

相手ボールになれば、自分たちがピンチになることをちゃんとわかっているのです。

味方から暴言を浴びせられることも、普段の生活では汚い言葉を使うなと常に言われていて、感情で出てしまう言葉には、ボールを失えば、チャンスを失い、ピンチになることを強く感じているからです。

日本はブラジルにはなれない

日本では、ブラジルのような感覚は生まれないでしょう。

日本の子どもたちに、その感覚を教えることは出来ません。

だからこそ、サッカーの正しい基礎基本を教える必要があるのです。

教え過ぎという言葉は、日本のボランティアコーチ、アマチュアコーチなど、そういうコーチについてです。

彼らはもっとサッカーを学ぶ必要があります。正しく、プロから学ぶことが重要です。

ブラジルと対等になるには、正しい基礎基本があってこそですから。

基礎基本の土台次第で、日本は強豪国になるチャンスがあります。

そのために、日本の大人が変わらねばなりません。

子どもたち一人一人が本当に上手くなれるように、正しい指導が求められます。

それは、サッカーという競技スポーツの基礎中の基礎、正しい基礎基本を指導していくことです。

誰もが、サッカー選手としてもっと上手くなれるのですから。

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この記事を書いた人檜垣 裕志檜垣 裕志
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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