キックが上手くいかない選手がしている 「ある」行動とは?

鈴木陽二郎 講師

YJRです。

蹴り方教室やトレーニングを見ていて、キック(特にシュート)が上手くいかない方はある行動をしている事が多い傾向にあります。

それは・・・

助走スタートした後に、ボールの手前で「ちょこちょこ」と歩幅を合わせる為?に小刻みにステップを踏んでしまう事です。

逆に上手く蹴れる方は、助走スタートからボールが目的地(ゴール)に届くまで、途中で止まる事一定のリズムで澱みなく動いてる傾向が高いです。

その違いは簡単で、前者がボールに目的地をセットしてして、後者がゴールに目的地をセットしているからです。

言い方を変えると、前者は「認識の中心がボール」であり後者は「認識の中心が目的地」であると言えます。

なぜ?ボール直前でちょこちょこしてしまうのか?

それは、端的に言うと、ボールを蹴る事が目的、ボールが目的地であるからです。

イメージ的には、ボールを蹴って終わり!な感じです。

シュートならばゴールが(ゴールを決めることが)目的地にならないといけませんし、パスならば味方/スペースが目的地にならないといけません(もっと言うと、パスは味方につながった後まで考えないといけません)

  • ボールが目的地の認識
  • ゴール(味方、スペース)が目的地の認識

とでは、行動が変わります。

なぜなら、人数は認識した形になる性質を持っています。

結果として認識の違いが、作る行動を変えるというわけです。

ボールが目的地(蹴る事が目的)の認識→ボールに歩幅を合わせる行動を作るためちょこちょこステップを踏む

ゴールが目的地の認識→ゴールに向かう行動を作るため、ゴールまでよどみなく走る

50mを走った時に、ゴール前や走ってる途中で歩幅を合わせるようにステップ踏む人はいないですよね?(いたらごめんなさい!)

50mのゴールを目指すという認識が、ステップを起こさせないわけです。

ということは、ゴールに向かって(ゴールを目的地に)走ったら起こらないステップがボールがあると起きるという事は、目的地よりも強くボールを認識した結果になると考えられるわけです。

前述したように、50mを走る時(ゴール、目的地に向かって走る時)、途中でステップを踏む人はいないからです。

ですので、シュートしてもゴールまで澱みなく動けるということは、ゴールが目的地であるともいえます。

スーパーレジェンドがわかりやすいが過ぎる!!

今の若い世代は知らない可能性もありますが、スーパーレジェンドの元ブラジル代表、レアルマドリードで活躍したロベルトカルロスさん。

通称ロべカル。

最初の1本目は蹴る直前にステップを踏んでいますが、ボールを蹴った後はゴールに向かって澱みなく動いています。

その他のシュートは助走から全てが澱みなさすぎてスーパーなお手本です。

スーパーなゴールを見ると、「どこで蹴った」「どう蹴った」などの技術やパワーに目がいきがちになりますよね。

けれど、蹴る前の10秒前~蹴った後の10秒後まで見てください。(そんなに動画長くないけど笑)

どこに向かっていくかよく見えます。

ゴールに向かっている!(ゴール以外には向かっていない)と強烈に感じると思います。

この動画で、技術やパワーに目が行く方は、「認識の中心がボール」であるともいえます。

こういったシーンを見て1番最初に浮かぶ事がご自身の認識の中心であることがほとんどです。

この機会で、自分の認識の中心を客観的にみるのも面白いと思います。

ちなみに、フルタイムで試合を見る時は、もっと長いスパンで選手を追ってみてください。

レベルがあがれば上がるほど選手たちは途切れる事無く動き続けているはずです。

途切れる事無く動き続けるということは、途切れる事無く動き続ける動きを作っている認識があるという事です。

どのような認識が、彼らを途切れる事無く動き続ける動きを作っているか想像してみると本当に面白いです!

最初の1本目は何故成功したのか?

動画の1本目のシュートは、蹴る直前にステップを踏んでいます。

しかし、凄まじいシュートが飛んでいきました。

この1本目以外は、助走の途中やボールの直前でステップを踏んでいるシュートはありません。

FKは最初に小刻みに踏んでいますがこれはルーティンのようなものだと思います。

ここまで、直前にステップを踏んでキックは失敗する傾向にあると説明してきました。

直前にステップを踏む行為は、認識の中心がボールにセットされているからです。

認識が中心がボールにセットされるとミスが起こりやすいです。

「認識の違いでプレーに違いが出る!キックが上手くいかない時の考え方とは?」

しかしロべカル氏は他のシュートを見ると、認識の中心が目的地に超超強烈にセットされていると思われます。

要するに、普通の選手なら、ステップを踏んだ時点でボールに認識が引っ張られてしまいミスする確率があがるのですが、

ロべカル氏はボールに認識が引っ張られる事無く、どんな状況でも目的地に強烈にセットされ続けられるためにミスを起こさないのだと思います。

キック、シュートが上手い選手は、ロべカル氏同様に、どんな状況でもボールに引っ張られる事無く、目的地の認識がセットされ続けます。

まとめ

まず、ご自身やお子さんがどのような形になっているか知る必要があります。

助走スタート後にどのような動作をして、蹴った後どのような形になっている?

そして、その動作や形を作った認識は何か?と仮説を立てる必要があります。

それは、失敗した時だけではなく、成功した時も同じです。

何故なら、成功した時の認識をわかっていれば、それをやるだけですからね。

所謂、「再現性を高める」事に繋がります。

逆に失敗した時の認識がわかっていれば、それをやらないだけです。

所謂、「修正」ができるという事に繋がります。

今回で言うならば、助走スタート後に、途中やボールの直前でステップを踏む行為は、認識の中心がボールにセットされていることになります。

対して、ボールに引っ張られる事無く目的地に向かって澱みなく動けた時は、認識の中心が目的地にセットされていることになります。

そして、ロべカル氏の動画を技術やパワーに目をむけず、「どんな認識でいるんだろうか?」と仮説を立てこれでもか!と言うくらいにご覧ください!

沢山のヒントが詰まっていると思います!!

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この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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