基本的な視野の広さは変わらないのに、なぜ、視野の広い選手と狭い選手がいるのか?

鈴木陽二郎

こんにちは。YJRです。

今回は、少し趣向を変えて?お話してみたいと思います。

具体的なキックの話はありません(笑)

ただ、キック(プレー)をする上で根本的な話で、かつ重要な話かつ切っても切れない話です。

それは何かというと・・・・

人間の視野についてです。

人間の視野の広さ(見えている範囲)は、基本的に年齢・性別・サッカー経験を問わず皆さん同じです。
(目の病気や障害がある場合は異なることがあります)

けれども、視野の広い選手と狭い選手がいます。

なぜなのでしょうか?

人間の機能(仕組み)としては、同じ範囲が見えているはずなのに!

不思議です。

きわめて不思議です(笑)

今回は第1弾として、人間の仕組みのお話から。

第2弾に進まなかったらごめんなさい(笑)

人間の視野の広さはご存知ですか?

  • 上下の視野は(垂直視野) 上に60度、下に70度の上下130度
  • 左右の視野は(水平視野) 左に100度、右に100度の左右200度

と言われております。

↑を意識して正面を見ると、上下左右の見える角度(視野の範囲)がわかりやすくなりますので、やってみてください。

手で見える範囲をどこまでかな?と試してみるのもいいですね。

その時、きっと直接手の位置を追わず、正面を見ながら一番見える角度を探していくと思います。

ざっくりというと!

上下130度、左右200度は、目に入っている(写っている)はずの風景の範囲(視野の範囲)です。

あれ?おかしいな?と思いませんか?

なにがおかしいかというと・・・・

味方に送ったパスを、味方をマークする相手DFにインターセプトされる時は、200度以内(視野の範囲内)にDFがいるはずだからです!(笑)

時と場合によりますが、パスを送る味方も基本的には視野の範囲内にいますよね。

味方をマークするDFは、味方をマークしているわけですから、基本的には味方の近くにいるはずです。

ということは、味方も視野の範囲内にいるとしたら、味方をマークするDFも視野の範囲内にいる事が多いというわけです。

けれど、視野の範囲内にいるはずの味方をマークするDFを見逃してしまい、インターセプトされてしまうのはなぜでしょうか?

視野の範囲内にいるはずなのに!!おかしい!(笑)

それは、人間(動物)には「見たいものを見てしまう、見たいものしか見えない、見たいもの以外は見えづらくなる」習性があるからです。

認識が変われば、見え方も変わる。(人間は認識した形になる性質がある)

超有名な認識テストの動画です。

10年以上前に流行った?ものです。

見たことがある方も多いと思いますがご覧ください。

一応、和訳付きの動画も掲載します(笑)

人間は認識した形になる性質をもっているので、何を認識するか?で見えるものも変わっていきます。

パスの本数だけか?

全体像を見ながら、パスの本数をカウントするのか?

ちなみに、私は初めて見たときから、「あの存在」に気づきました(笑)

よかったです(笑)

もし初見で「あの存在」を見逃した場合でも、2回目は「あの存在」がいる事を知るわけですので、必ず気づけます。

初見と2回目では「種明かし」により必然的に認識の変化がおき、「あの存在」を見逃さなくなるわけです。

ご自身が何を見ているか思い返してみましょう!

と!いうことで!!

  • 人間の仕組み(視野の範囲)
  • 人間の修正(見たいもの以外は見えづらい)
  • 人間の性質(認識した形になる)

ここまでの↑3つの話を踏まえ、ご自身がどうなっているか?を思い返してみましょう!

特に!

  • インターセプトされやすい
  • ドリブル突破してもカバーにボールを奪われやすい

と悩んでいる方や、ご自身で上記の傾向の高いと思われる方は特によく思い返してください。

例えば↓こんな事を思い返してください!

  • 視野内(200度)の景色は全部見えている(いた)かな?
  • 見たいものに捉われていないかな?
  • 視野が筒状になっていないか?
  • 桜木ビジョン(笑)になってないかな?←桜木ビジョンの検索をおススメします(笑)
  • 行動(何を見るか)は認識の結果だから、自分の認識は何かな?
  • そもそもどんな前提でいるのかな?(DFがいる?いない?目的は?)
  • インターセプトされた時はどのような認識で何を見ていたかな?
  • DFはいたかな?いたけど見えなかったかな?
  • etc…

自分が見たものや思った事、考えた事を、全部裸にしましょう。
そうすれば、自分が何を認識し、何を見てどんな行動をするのかわかってくるはずです。

それがわかれば、後は修正するだけですね!

ようやく、キックと繋がる話(まとめ)

視野が筒状で真ん中しかで見えていない(桜木ビジョン笑)状態で「技術練習」をしようと思っても、見えない事は変わりありません。

「ミスしたのは技術が低いからだ!」との、認識が見えない状態を続けている事になります。

凄く雑な言い方になってしまいますが、これらを理解せずに、「キック(技術)だけ」切り取って考えても何もないわけです。

なぜなら、キックは何のためにするのか?という命題が常に付きまとうからです。

自分的に素晴らしいキックしたぞ!となっても、あっさり相手DFにインターセプトされてしまったら?

プレーとしては、相手に奪われた事実しか残りません。

キック(プレー)を成功させる確率をあげるには、視野の使い方(どこを見る、何を見るなどの見る行為)は切っても切れないわけです。

更に、その視野の使い方(どこを見る、何を見るなどの見る行為)を作る認識は、無視できるはずはありません。

なぜなら、人間は認識した形になる性質をもっているからです。

毎回同じ締めで申し訳ないですが(笑)

キックであろうと見るであろうと、行動は認識の結果でしかありません。

『自分の行動を知る
 自分の行動を作っている認識を知る
 上手くいかない時、何を想って考えているか、整理してください。
 結局、答えは必ずご自身の中にありますよ。
 知るというか、知ろうとする事が大事です。』

↑締めは定型文しました(笑)

次回は、改善の仕方とヒントになるお話を掲載予定です。

この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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