小学生にあった攻撃はショートカウンター?ワールドクラスから学ぶ時間とスペース
三浦です。
コパ・アメリカ2021の決勝を見て、アルゼンチの勝利を素直に喜ぶメッシに感動しました。
惜しくも負けたブラジルのネイマールも、試合中に見せた激しい競り合いで、サッカーはテクニックだけではないことを教えてくれました。
EURO2020の決勝はイタリアがPK戦を制しましたが、若いイングランドのプレーとカテナチオを捨てたイタリアの攻撃は、ゴールシーンが少ないながらも見応えのあるものでした。
リアルタイムで見られなかった人もこの週末に再放送があるようですので、見てみてください。
有料でも、価値のある試合は見るべきです。
さて、オリンピックが目の前に迫ってきましたね。
なでしこジャパンは、開会前に緒戦を迎えます。
7月21日のカナダ女子代表戦です。
昨日のオーストラリア戦では、岩渕選手がPKを決めていました。
暑そうでしたが、きっちりとゴールの隅を狙って決めてくれました。
岩渕選手には、オリンピックでの活躍を期待しています。
ワールドクラスのゲームから学ぶもの
小学生のサッカーでは、世界のサッカーの何を学べばよいのでしょうか。
世界のサッカーでは、しっかり守ってカウンターからチャンスを作るという場面が多いですね
カウンター攻撃を学ぶことも大事ですが、世界のサッカーから学ぶにはあまりにも高度ですね。
カウンターとは、ある程度相手に攻めさせた状態からその背後にある大きなスペースを奪って攻撃するというものです。
スピードが命ですね。
長い距離を走り、パスも長くなります。
小学生にとっては運動量が多くなり、長いパスはパスミスも多くなります。
小学生にはショートカウンターに挑戦して欲しい
私は、小学生にあった攻撃は「ショートカウンター」だと考えています。
ショートカウンターとは、相手陣内でプレッシャーをかけて相手ボールをインターセプトし、シュートまで持っていくことが理想です。
相手にボールを持たせながら、ずるずると自分の陣内に戻るということはしません。
まず、フォワードが相手にプレッシャーをかけます。
相手チームには、そのプレッシャーを避けようとするパスやポジションチェンジなどの動きが出てきます。
パスを出させるのが、最初のプレッシャーの目的です。
仲間のプレッシャーを、ボーッと見ている場合ではありません。
どこにパスを出そうとしているのか、その相手に対してプレッシャーをかける準備が大事です。
ボールばかり見ていると、相手チームのパス交換がしっかりと成功してしまい、最初のプレッシャーが無駄に終わってしまいます。
相手チームのパスをカットできなくとも、パス方向をひとつの方向に向けていくことで、ボールを奪うことが目的です。
相手チームの選手がコントロールする前に走る
私が自分のチームの選手にコーチングしていることは、「ボールが動いている間に走れ」ということです。
相手チームのパスが、足もとから足もとに確実に渡ってからプレッシャーをかけようとダッシュするのでは遅いのです。
ボールが蹴られた瞬間にダッシュ!
相手チームの選手がボールをコントロールしようとしたら、目の前に奪いに来る相手がいて慌ててしまう。
この状態をたくさん作ることです。
ボールコントロールの時は、必ずボールを見ます。
下を向くので、視野が狭まります。
そこが狙い所です。
ボールが動いている間に走ることが大事です。
パスされる前に早めに相手に近づきすぎると、そこへはパスが出てきません。
相手をわざとフリーにさせておくことも、狙いです。
- 相手
- ボール
- 味方
- スペース
を見る習慣をつけましょう。
ショートカウンターの逆をつく攻撃もある
ショートカウンターは前からどんどんプレッシャーをかけていくので、前線の選手とディフェンスラインの間にスペースができやすいです。
ショートカウンターを受けたチームは、そのスペースにボールを持ち込むことを狙ってみましょう。
多くは、コート中央にスペースができるので、そこでボールを持つことができれば起点が作れます。
ただし、そこから速攻するのではなく、味方の人数が揃うまで
- いったんボールを下げる
- ドリブルでキープする
などの工夫が必要です。
小学生には難しいように見えますが、スペースを狙う攻撃が習慣化していると、意識しなくても出来ている場合があります。
- お互いにスペースを奪いあうこと
- ボールをコントロールする時間を奪いあうこと
が、サッカーの醍醐味であることを知るようになるでしょう。
時間とスペースがたっぷりあればミスもしにくですし、ミスしてもリカバリーしやすいです。
8人制サッカーは、人数は少ないですがコートも小さいので、
- スペースがない
- 時間がない
という状況でサッカーをする仕組みになっています。
時間とスペース。
この言葉を頭に入れて世界のサッカーをあらためて観戦すると、何かが見つかるかもしれませんね。
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小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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