ボールを持つ前に周りを見ることで判断の幅が広がる
三浦です。
2021年もよろしくお願いします。
年明け早々に、天皇杯決勝で感動しました。
中村憲剛選手の最後の試合でしたが、試合に出ずともチームへの影響力を示した試合でした。
三苫選手のゴールも素晴らしく、新年のサッカー界は三苫選手が幕開けを演じたという感じでしたね。
高校サッカー選手権は、男女ともに熱い戦いが繰り広げられています。
決勝は無観客で行われるようですが、毎年レベルが上がっているという実感があります。
女子サッカーは男子に比べてスピードはないですが、シュートが上手いです。
中学生や小学生は、女子高校サッカーをお手本にすべきだとつくづく思います。
年末年始は、うちのチームの選手たちもテレビでサッカーの試合を見ていたらしく、印象に残ったプレーや参考にしたいプレーなどをサッカーノートにまとめているようです。
ノートの1部が届いたので見てみると、面白い観戦をしている選手がいました。
紹介します。
親子でゲーム分析をやってみた選手
この選手は、昨年末の
- 少年サッカー全国大会
- 高校サッカー
- 天皇杯
- ルヴァン杯
などを全部みたらしいです。
録画してあるので、いいプレーだなと思ったら、そのプレーの前のプレーを巻き戻して見たとのことです。
お父さんと一緒に見たらしいですが、ボールを保持した場面まで戻って見てみると、パターンが3つあったとノートに書いてありました。
- 相手のボールを奪ってからの攻撃
- ゴールキーパーからの攻撃
- スローインやコーナーキックからの攻撃
相手エンドでボールを奪うと決定的なチャンスが生まれやすいことや、ゴールキーパーからの攻撃ではゴールキックが跳ね返されたボールを拾うことでチャンスが生まれる、と分析していました。
コーナーキックを奪っても、シュートで終わらないとカウンターにつながって危ない、ということも学んだようです。
素晴らしい分析力ですね。
でも、これは机上での理解です。
実際の練習では、この経験をどのように活かせばいいのでしょうか。
見ることよりも見ておくこと
サッカーのトレーニングでは「周りを見る」ことが大事なので、コーチも選手も周りを見るという動きは意識していることでしょう。
- ボールを受ける直前
- ボールを蹴る前
- ドリブルする前
に、顔を上げることが「見ること」ですね。
しかし、ゲーム分析をして感じたことは、ボールに絡む選手はボールを持つ前にも周りを見ているということです。
ボールを持っていない時に周りを見ておくことで、ボールを持った時やもらう直前に周りを見る景色が変わっていることに気づきます。
まだ自分にボールが来ない時にでも、サイドにいる味方はボールを受けようと走っている。
その様子を見ておくことで、自分がボールを持った瞬間にサイドの味方の姿がすっと視野に入ってくるものです。
ディフェンスをしっかり見ておく
相手ディフェンスを見ることについても同じことが言えます。
相手チームのディフェンスがマークの受け渡しをすることがありますが、その瞬間を見ておかないと自分のマークが外れたと錯覚してしまうことがあります。
自分のマークは3番の選手だと思っていたが、その3番の選手が自分じゃない味方のボールを奪おうとした。
自分はフリー?
いえいえ2番の選手がマークしていた・・・ということです。
景色がどんどん変わっていくことに気づく
ボールばかり見ていると、このような景色の変化に気づきません。
- ボールから目を離して周りを見ること
- 気になる動きをチェックしておくこと
で、ボールを持った時の判断の幅が広がります。
私たちコーチは、選手を観察する時に「あの選手は周りがよく見えているな」とコメントすることがあります。
多くの場合は、ボールを持った瞬間に見えた景色で判断するのではなく、あらかじめ前もって見ておいた景色を重ね合わせて判断しています。
あらかじめ見ておくことで「予測」することができて、ボールを持った瞬間に予測と状況が一致していればいいプレーにつながります。
ぜひ、ボールを受ける前に周りを見ておくことを習慣化して欲しいですね。
すでに習慣化している選手は、相手チームの裏をかくような判断にトライして見ましょう。
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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