ボールの置き場所を良くするために

トラップ 檜垣裕志

ドリブルやキックについて、あれこれと色々な指導などがありますが、それらは、ファーストタッチでボールを自分のものにする技術があってこそできることです。

ドリブルであれば、まずトラップがちゃんとできなければ、本当はドリブルなどできるはずもありません。

トラップができないことには

相手が自分よりレベルが下であれば誤魔化せますが、自分より上のレベルでは、ドリブルする前にボールも持てないでしょう。

パスにしても、シュートにしても同じです。

日本には、こういうことがわかってない指導やメニューが多すぎです。

トラップは難しい

トラップは、サッカーの技術の中で一番重要で、一番難しいです。

なぜなら、試合では敵や味方がいる中で、一個のボールをファーストタッチの一瞬で自分のものにできる技術がなければいけません。

その状況で、どんなボールもファーストタッチで自分のものにできる技術は、ものすごく難しいですから。

これは、ただトラップ練習をしていれば、良くなるわけではないのです。

先ずは、目の前のボールを正しく扱える技術がなければ、トラップにはつながらないことを知る必要があります。

ファーストタッチへの意識

普段、何気なくボールを触っていては、決してボールタッチは良くなりません。

だからこそ、「利き足でボールを触る」という意識だけでも、ボールタッチ・ボールコントロールは変わります。

技術で一番重要なのは、ファーストタッチでボールを自分のものにする技術ですから、ファーストタッチへの意識が薄いと次のプレーにも影響します。

普段からの

  • ボールタッチへの意識
  • ファーストタッチへの意識

は、しっかりと持つ必要があります。

ボールの置き場所の正解

日本では、今でも両足の間にボールを置くという間違った指導があるのには驚きですが、では、ボールの置き場所の正解はどこでしょうか。

試合状況によってボールの置き場所は変わりますが、ボールの置き場所の基本というのは、確実にあります。

それは、利き足の前です。

これは、世界のトッププレイヤーたちを見れば、はっきりとわかります。

彼らは、基本として、ファーストタッチの後に必ず利き足の前にボールを置きます。

これは、そこにボールを置くと次のプレーなど、すべてに繋がることをわかっているからです。

利き足の前にボールがあれば、360度ボールを運ぶことができて、空間も使うことができます。

世界のトッププレイヤーたちが仕掛けるポイントは、100%利き足からです。

ボールの置き場所を良くするために

こういうことを踏まえて、普段から利き足の前にボールを置くという意識が非常に重要です。

この意識こそが、ボールの置き場所を良くするために、絶対に欠かせません。

そして、ボールの置き場所について、トラップは、先ずはしっかりと利き足の前に置けるかどうかを常に意識し確認することです。

トラップした後のボールが、

  • 利き足の前に置けない
  • ボールが流れる
  • ボールが離れてしまう

では「ダメ」だということです。

何が良くて、何が悪いかをしっかりと把握することです。

それがわかっていれば、改善の余地がありますが、わからなければ、なんとなくプレーするだけで上手くなりません。

だからこそ、正解・不正解を知る必要があります。

正解がわかれば、その感覚を感じてイメージし、それができるように繰り返し繰り返し練習し、自分のものにすることが大切です。

不正解がわかっていれば、それが良くなるように、考えて努力することができます。

ワンタッチワンタッチ、ボールを触る前から利き足を意識し、ファーストタッチの後にしっかりと利き足の前にボールを置けるように、すべてのボールタッチを気をつけてください。

この記事を書いた人檜垣 裕志檜垣 裕志
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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