なぜ、17歳からサッカーを始めてプロになれたのか?(10)

檜垣裕志

プロにつながる第一歩

利き足のポイントというヒントは、僕がプロサッカー選手になるための重要な一歩と感じました。

それができるかできないか…

とにかくやるしかない…

17歳からサッカーを始めて、日本では

  • 基礎が大事
  • 基本が大切

と言われる中で、具体的な「本物の基礎基本」をやっと見つけたわけですから、とにかくやるしかないのです。

技術のない自分が技術を身につけるためには、その「真理」に向かって努力するしかありませんでした。

今まで言われていたことは、基礎基本じゃない

  • 両足を使えないといけない…
  • ドリブル、フェイント…
  • ポジション、ポジショニング…
  • 動き方…
  • フォーメーション…

皆、基礎基本が一番大事と言いながら、それって基礎基本ではなかったのです。

本当に重要な「はじめの一歩」をやってないし、できてないのですから。

はじめの一歩という一番重要な基礎基本をやらずに、それを飛ばして次をやろうとしているのです。

要するに「利き足」という、単純だけど一番重要なことを蔑ろにして、中心からズレているのです。

ブレずにやれるか(1)

「利き足のポイント」という重要なことに気づいても、そこに対して本気で取り組み、やりきることができるかが一番の鍵でした。

  • これくらいなら逆足でもいいかな
  • ここは逆足を使った方が楽かな

とか、本物の技術に対して目を背けて、甘えてる自分がいました。

だって、

  • プロもそうしてるし…
  • プロも逆足使ってるし…

という言い訳…

しかし、プロは、はるかに上手い利き足を持っています。

利き足でボールを持ち、利き足にボールを置き、すべてのことを成し遂げるだけの「利き足」を持っているのです。

プロの利き足と僕の利き足は全く違うということを、知る必要がありました。

僕は、妥協していたのです。

プロの利き足がないのに、自分勝手な判断で

  • これくらいのズレならいいかな
  • この場面では両足じゃないとできないでしょ

とか、自分勝手な主観で妥協し、本物の技術から逃げてブレていたのです。

ブレずにやれるか(2)

何事も、ブレずにやるのは難しいです。

何かを成し遂げようとすることは、そこはまだ見ぬ世界や知らない世界ですから、プロセスに迷いが出るのは当たり前です。

  • うまくいかない
  • 結果が出ない

だからと、すぐ違うことをやってしまいがちです。

しかし、これだけはハッキリしていました。

僕自身、ブラジルで一流のプロサッカー選手を目の前で見て一緒にプレーして、プロに触れて感じ、学んだ「真理」でしたから、やるという選択肢しかありませんでした。

だからこそ、やりきるしかないのです。

真理がわかっていれば

「利き足のポイントの技術」という真理がわかっていれば、どんな時もどんな練習も、そこに向かって意識して考えて取り組むだけでした。

簡単なことではないし、でもこれは、プロになるための最低限のことなのです。

ものすごく難しいことなのは、よーくわかっていました。

だから、やり続けるだけです。

できるまで、やり続けるだけですから。

どんな練習も意味を持たせることができる

「利き足のポイント」という真理がわかれば、どんな練習も意味を持たせることができました。

なぜなら、一番重要なことがハッキリしていましたから、そこにたどり着くまでのプロセスに明確な目的意識を持つことができるのですから。

世界中にあらゆる練習メニューがありますが、その練習メニューが良いとか悪いとかじゃなくて、その中で「自分自身の目指すべきこと」をブレずに、考え、想像しながらやれば、すべてがプラスになります。

だからこそ、「真理」を知った自分は、どんどんどんどん吸収し、

  • 上手くなっている自分
  • 上手くなる自分

を感じていました。

次回、最終回です。

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この記事を書いた人檜垣 裕志檜垣 裕志
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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