サッカーを楽しむことは、ボールコントロールの連続
三浦です。
6年生主体の∪12リーグに続いて、4年生以下の大会である∪10リーグが始まりました。
6年生の試合と4年生の試合を比較すると、
- ボールの飛距離
- 選手が走るスピード
などが違うなと気づきます。
- 2年間の発育発達の違い
- サッカースキルの成熟度の違い
は、大きいなと気づきます。
しかし、保護者側から見ると,
4年生に対しても6年生の試合のようなダイナミックさを求めているようです。
- もっと遠くへ蹴れるようになって欲しい。
- もっと速く走れるようになって欲しい。
- 動き方がわかっていない。
- 周りが見えていない。
このような違いは「伸びしろ」として見て欲しいのですが、親としては1日でも早く成長して欲しいという気持ちなのでしょう。
そんな中、ある保護者が4年生の試合を見てとても褒めていました。
それは、ボールコントロールでした。
ボールコントロールに体格差は関係ない
その保護者は、6年生の試合ではボールのスピードや飛距離の関係でボールコントロールが雑だったり、うまくいかない場面があると感じたそうです。
それに比べて4年生の試合は、ボールは飛ばないけどボールコントロールがしっかりしていて、ボールを大事にしているように見えたとのことでした。
目のつけどころが素晴らしいです。
大きな選手でも小さな選手でも、ボールをしっかりコントロールすることは、同じ動作で同じ基本です。
ボールコントロールがうまくできないと、パスもシュートもドリブルもできません。
6年生のプレーが「ラフ」に見えたのは、ボールコントロールよりも
- パスを出すこと
- シュートを打つこと
を焦っているのかもしれません。
すべての選手がそうではなく、周りの選手のスピードに合わせようとしてコントロールをおろそかにしてしまう選手が何人かいる。
保護者の目にも、私の目にもそう見えます。
ボールを蹴ることは大事だけど
6年生の試合と4年生の試合を比較してあらためて思うことは、
- パススピード
- パスの正確さ
- パスの長さ
です。
しかし、4年生にそれを求めるのか?ということについては、疑問があります。
発育発達の過程でボールが飛ぶようになるのであれば、それは待つしかないのです。
チーム練習でキック練習に時間を割いても、4年生にとって最適な選択とは言えません。
それより、大事なことがあります。
それは、サッカーの試合を楽しむことです。
サッカーの試合は、ボールの飛距離を競い合うものではありません。
短いパスしか蹴れなくても、それをつないで相手ゴールに近づき相手ゴールに向かってシュートを打つこと。
これがサッカーの楽しさです。
短いパスやシュートを打つためには、ボールコントロールの技術が必要です。
ボールコントロールがうまくいかないとパスは繋がりませんし、パスを受けてのシュートも正確に蹴れません。
サッカーを楽しむことは、ボールコントロールの連続とも言えますね。
パスがつながってシュートを打つことができれば、選手たちは楽しいと感じるはずです。
うまくコントロールできたただけでも嬉しいですし、そこからのパスが正確に蹴れて味方につながれば、さらに嬉しさ倍増です。
そんな、小さなスキルの積み上げから得点するというサッカーの楽しみ方こそ、4年生にとって必要なのではないでしょうか。
もちろん6年生にとっても大事なことですし、中学、高校と進学してサッカーをするための土台になるのがボールコントロールです。
動いているボールを止めることから始めよう
ボールコントロールとは、動いているボールを次のプレーがしやすいようにコントロールすることです。
なので、ボールが体から遠くてもボールが空中にあっても、コントロールできるのであればそれは正解です。
しかし、基本を身につけるステップとしては、
- 地面に止めること
- 蹴りやすい位置に置くこと
がポイントです。
しっかり止められない状態でボールを蹴っても、ボールの中心を捉えることはできません。
慣れてくれば動いているボールの中心を捉えることができるようになりますが、やはり基本はピタッと止めることです。
練習方法として気をつけたいことは、止めて終わりにならないことです。
止めたあとに、次のタッチがキックなのかドリブルなのか、次のプレーがしやすい状態に止めることができたのか。
そこがポイントです。
2人で向かいあってのパス練習でも、同じことです。
パスを蹴り返すために、コントロールしてからすぐに蹴れる状態になっているか。
奪いに来る相手がいない状況なので、止めてから蹴るまでの時間が長くなっていませんか?
止める蹴るの間隔(時間の間隔)を、できるだけ短くすることを意識しましょう。
さらには、止めるの次の動作が蹴ることをやめて
- ボール横にずらす
- ボールを引く
など、蹴ることをキャンセルできるようになると、コントロールの精度があがります。
ぜひ、やってみてください。
1年生には1年生の、6年生には6年生の体格にあったボールコントロールがあります。
丁寧にボールにふれることから、スタートしてみてください!
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小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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