利き足が苦手なのは、膝を上げてから蹴っているから?
前々回、前回の記事の続きです(笑)
前回の記事を書いた後に開催した蹴り方教室で沢山蹴り込んできたことで、「利き足が苦手の足」になっていた方が起こしていた現象(行動)に共通点がある事に気が付きました。
その共通点は、「膝を(前に)上げてから蹴る」といった現象(行動)です。
(蹴り足の膝を持ち上げて、股関節を開いて、膝を中心に90度になるような形)
過去の蹴り方教室も遡ってみても、「利き足が苦手の足」になりがちな方は「膝をあげから蹴る」傾向があるよう感じました。
ご自身で自覚している方もいれば、私に指摘されて初めて自覚された方もまちまちです。
ただ、話を聞くと、「そう教わった」と声が一番多かったです。
その「膝を上げてから蹴る」という認識のインプットが、ボールと足の出会い方に強烈にクローズアップ(フォーカス)する「認識の中心がボール」になってしまい、その形でしか力が発揮できない状態になったのではないかなと考えています。
効率がいいわけではない。
別に、「膝を上げてから蹴る」はダメではないです(笑)
ただ、効率が悪いとは思っています。
「膝を上げてから蹴る」の個人的に1番効率が悪いなと思う部分は、「バックスイングが取れない」事です。
文字通り、「膝を上げてから蹴る」わけですので、バックスイングがなくなります。
「バックスイングが大事」というのは、なんとなくイメージつきますよね?
「バックスイングが大事」だと理解している方も、多くいらっしゃると思います。
実際、「膝を上げてから蹴る(バックスイングが取れてない)」方に聞いても、「バックスイングは大事」なイメージは持っている方がほとんどでした。
ただ、実際は「膝を上げてから蹴る」ので、、「バックスイングが取れていない」わけです。
このように、知識(バックスイングを取った方がいい)と自覚(実際はバックスイングが取れていない)が、乖離してしまう傾向も多いようです。
その他、膝を曲げる事で、身体的・物理的なエネルギーを損してしまう事も問題だとあげられます
それにより、怪我のリスクも高まります。
ちょっと試してみましょう。
お馴染みの実験コーナーです!
- 膝を90度横に持ち上げ、持ち上げた足の内側が正面に向くように立つ
※壁などを支えにしてください! - ①の状態を保ちつつ、足を後ろにひく
- ①の状態から徐々に膝の位置をさげて、②をする
柔軟性などもありますが、②<③の方が足は後ろに動きやすかったと思います。
特に、膝をあげずに足を延ばした状態が、最も後ろに足が動きやすかったはずです。
バックスイングがあった方がいいと考えるならば、バックスイングが取れる(自然と足が伸びている)状態で蹴った方がきっといいような気がしますよね?
となると、バックスイングが取れない「膝を上げてから蹴る」は非効率な行動となってしまいます。
スクリーンショットしてしまう事が一番の問題であり、課題
個人的には、一番の問題であり、課題は「切り取り」が過ぎる事だと考えています。
海外のトップチームの試合で、選手達のキックを見ていると、ボールに足が触れる直前の一瞬だけを「切り取る」と、確かに「膝を上げてから蹴る」ように見えます。
けれど、助走から蹴り終わりまで見ると、「膝を上げてから蹴る」ような形はほんの一瞬であり、動きの課程のほんのわずかな一部でしかありません。
時系列の前後を見ると、「膝を上げてから蹴る」以外の動きをしています。
そして、選手や状況の違いによっては、「膝を上げてから蹴る」は見られない事も多くあります。
しかし、「膝を上げてから蹴る」選手は、初めから終わりまで時系列(課程、文脈)を無視して、「膝を上げてから蹴る」だけ(切り取り)をしてしまいます。
時系列や文脈があるのにも関わらず、何かの意識を強烈にクローズアップしてしまう(切り取る)と、全体としての辻褄が合わなくなっていきます。
過去記事に詳しい内容がありますので、併せてご覧ください。
答えはいつも自分の中に
大前提として、人間は認識した形になる性質をもっています。
ですので、まず、自分の行動を知り、自分の行動を作っている認識が何かを知る事です。
自分の認識がどうなっているか?を知らなければ、修正もできません。
自分の認識が、ボールと足の出会い方に強烈にフォーカスしてしまう「認識の中心がボール」であるならば、「認識の中心を目的地」に書き換えましょう。
そして、どこかに意識を強く置きすぎる事(切り取る事)無く、目的地へ向かう為に文脈(例えば蹴る20秒前から20秒後まで)を考えてみましょう。
認識が変わると、行動がかわります。
行動が変わるという事は、自然と膝も落ちていくわけです
バックスイングのはめ込み方は、また次の機会に!(笑)
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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