ドリブルが上手な人の姿勢を作るものは何なのか?

ドリブル 鬼木祐輔

こんにちは、鬼木です。

前回は、プレーの際の姿勢は、その時の意識の中心が大きく影響を及ぼしているのではないか?

また、意識は「点ではなく線」であるべきである。というお話をしました。

今回は、具体的な例を紹介しながら、もう少し掘り下げていきたいと思います。

ドリブルはフットボーラーの浪漫だと思ってます。(なれるもんなら上手くなりたい)

日本代表が大きな大会に出る度に、メディアなどで「個の力を高める必要がある」と言った話を耳にしますね。

最近では戦術理解度等も重要視されていますが、我々のイメージする最も多い「個の力」はドリブルが出来る選手のことではないのでしょうか?

サッカーをしている人であれば、一度はドリブルでボールを全く失わずに前進して、決定機を演出できる選手に憧れると思います。

しかし、カテゴリーが上がるにつれて、徐々に周りとの兼ね合いでその憧れを断念した

という方も多いのではないでしょうか?

そのスタイルでやり切れている人って、本当にすごいですよね。

ドリブルするには、ボールを扱う技術以外にもスピードなどの身体能力や、どうしても相手との接触が多くなるので怪我しないためのフィジカルベース、そしてボールを受ける場所や流れ、タイミングなどを読み取る力など、大変な能力や労力を必要とします。

並大抵な覚悟では出来ないプレースタイルだと思うので、この浪漫にかけて自分を磨き上げている人は本当に尊敬します。

昨シーズン、チャンピオンズリーグでPSGとの試合があったので、2試合スタジアムで試合を観る機会に恵まれました。

ネイマールやエンバペのドリブルはすごかったのですが、何がすごいってまずフリーになる力が凄まじかったです。

何より、速すぎて普通に走って追いかけてる選手よりも速い…という凄まじい能力を見せつけられました。

ボールをたくさん触ることも大切ですが、しっかりご飯食べて、しっかり休んで、負荷に耐えうる身体を作ることも大事すぎるだろ…と痛感しました。

良い子のみんなは、やることたくさんありすぎで忙しいと思いますが、ぜひ頑張って欲しいと思います。

あなたの認識(意識)の中心は何ですか?

最近、息抜きにスマートフォンで「音ゲー」を始めました。

自分には一生縁のないものだと思っていたのですが、まさかこんなにもハマるなんて、人生分からないものですね…

何かを出来るようになると、今まで見えなかった景色が見えるようになってきますね。

音ゲーは僕に新たな視点をくれました。

始めた当初、初級なのに何回やっても全く上手く出来ず、数日で辞めてしまいました。

しかし、1週間くらい寝かせた後再びやってみるとコツを掴んだようで、やる度に新たな景色が見えてくるような気がしていまして、今では中の中くらいのレベルでブイブイ言わせています笑

さて、この違いはなんだったのでしょうか?

あくまで中の中でブイブイ言わせてるやつの気づきとして聞いてください…笑

そんなんじゃねぇよ、だからダメなんだよ!

と思われた音ゲーガチ勢の方が読者の中にいらっしゃいましたら、ぜひ僕にコツを伝授してください(切実)

ここでも「意識とは『点ではなく線』である」が出てきます。

出来なかった時や今でも一個ミスしてハマってしまった時は、手元のボタンを押すところに目線が入って、一つ一つ押すところに目線が入って視線がロックされてしまいます。

当然ゲームは流れていきますので、視線がロックされている間に次々と次の音が上から降っていますが、それに反応する事は出来ません。

当然意識は画面にロックオンされるので、反応しようとすればるほど、顔が前に出て背中が丸まり、息も止まっています。

しかし、コツを覚えてからは、自然と視野がスマートフォンの画面全体、もしくは視線が落ちはじめの上部のところを中心に見るようになりました。

そして、目で押すところを確認するというよりも次のアイコンの形を認識したら、その形に指を構えて後は音に合わせて流れに身を任せたら勝手に接続している…というような感じを掴んでから、だいぶ上達したと思われます。

逆に大事にボタンを押しにいこうとすればするほど、せっかくのコンボが途切れるわ、視線がロックされてハマってしまうわ…という具合にいいことがありません。

まるで、ゴール前どフリーで無人のゴールにシュートを置きに行ったら外してしまう時のようです。

話が脱線したように思われるかと思いますが、音ゲーにサッカーが上手くなるコツが詰まってるような気がするのは僕だけでしょうか。

早くボールを蹴りたくて仕方ありません。

僕はこんな風になれるとは到底思えませんが、とんでもないレベルの方の動画をよかったらご覧ください。

https://www.youtube.com/embed/w-DGne3MrJk

ビンタする時の認識の出発点はどこですか?

次にこちらをご覧ください。

https://www.youtube.com/embed/izgIC0uNJZ0?start=756

アントニオ猪木さんのありがたいビンタの動画です。

されている方々もレジェンドばかりで、毎年大晦日にビンタをしている方もここではありがたいビンタを受けていらっしゃいますね。

何かを「叩く」という行為の際、認識の出発点がどこになっているか?を考えた事はありますでしょうか?

叩く目標物が決まれば、自然と手が届く範囲に行き、一番力が入るところで目標物と接続するように自然と腕を振り上げたり、手首の返しを使って「叩く」という行為が一連の流れになりますよね?

目的物と手が接触したところから、「叩く」という行為が始まる事はありません。

ゴルフのスイング、野球のバッティング、テニスのストローク等でテイクバックと言われるものでしょうか?自然とそうなっているはずです。

言われてみたら当たり前のことなのですが、実はこの当たり前のことがうまく出来ていないことがドリブルを上手く出来ない要因、または姿勢が崩れてしまう原因なのではないか?と僕は考えています。

何が違うのか?

具体例を挙げて…と冒頭でお話ししましたが、ここまで音ゲー、猪木さんのビンタとサッカーじゃない例を挙げてしまったので、ここからは今回のまとめとして今までの話をサッカーに置き換えてお話ししていきます。

職業柄、いろんな選手とプレーを振り返る機会があります。

いいプレーも悪いプレーも必ず理由があると思っています。

理由の付け方に絶対解はないと思いうので、それぞれ分かればなんでもいいと思っていますが、僕が大事にしているのは「その時の認識の中心はなんだったのか?」です。

先ほど音ゲーの例で話をしましたが、ボタンを押すところに意識が固定されるとそのボタンは押せても次のボタンにいくのに遅れが出たり、そのボタンを押してる時にはもう次の音は流れてしまったという話をしました。

そのボタンを押す事は成功したとしても、「1曲やりきる」という本来の目的からすると1つのボタンに集中してしまう事はいいこととは言えません。

これを経済学用語で、「合成の誤謬(ごびゅう)」というそうです。

ミクロの視点から見ると正しいことでも、マクロの視点から見ると実は間違いだった。ということです。

ビンタもビンタをすると決めた時には、もう勝手にビンタするものに対しての軌道から逆算されて勝手に手が設定されます。

あくまで、一つの行為は全体の流れの1点でしかないということです。

僕は、「技術とは接続である」と選手に伝えるようにしています。

  • どういう流れからその技術を通して次の新たな流れを生むのか?
  • またはこういう流れを作るためには今の流れに対しどのように接続したら良いのか?

と考えると技術発揮が自然としやすくなる。

という例を結構見てきました。

ですので、前後のコマが想像出来ますか?という話を前回しましたね。

と考えると、みなさんが行っているドリブルはどうでしょうか?

意識の出発点が、「ボールと足が出会うところ」になっていないでしょうか?

もしくは「次にこうしたい!」という流れはあったとしても、そこまでの流れは全くなくていきなり新たなパラレルワールドが生み出されてしまうようなドリブルをしてしまっていないでしょうか?

ちゃんと、今までの流れと次に行きたい流れを、ボールタッチによって接続できているでしょうか?

ボールを触ることで、未来をねじ曲げていませんでしょうか?

人の姿勢は、認識に引っ張られます。

「ボールを」という認識でいるとそれまでの文脈が抜け姿勢が崩れ、接続がしにくくなるという例を多く見てきました。

それでもやり切れる身体能力があればいいのですが、それを続けていると体にかかる負荷はなかなかのものになってしまいます。

自転車や車で曲がる際も、適切なスピードに落としたり、多少膨らんだりなど適切なレーンを通りますよね?

それを無理やり急ハンドルや急ブレーキをかけると、大きな事故につながります。

それと同じです。

声かけ一つで動きが変わる

最後に今回のまとめです。

何度もお伝えしていますが、「意識は点ではなく線」であるということです。

意識が固定された瞬間に、体は動かなくなります。

ということを考えているうちに、一つ気づいたことがありました。

これまでサッカーを習ったことのある方は、「ボール『を』扱う」という表現でボールタッチや技術の練習をしてきた人が大半なのではないでしょうか?

言葉の話をしだすとまた話が長くなってしまうのでまた改めてしようと思いますが、今日この長いブログをここまで読んでくださった方はぜひ、「ボール『と』次にあそこに行くにはどうしたらいいか?」という視点でボールと出会うようにしてみてください。

騙されたと思ってとりあえずやってみてください。

「ボールを扱う」世界線と「ボールと一緒に行く」世界線は、全く違うものだということに気づくはずです。

わざと両方やってみてもいいですね。

さぁ、長々このブログをご覧になったので体が固まってしまいましたね笑

ボールと遊んできてください!

次回は、「を」と「と」の世界線を体感してもらった上で、ドリブル練習の際にどんな視点になっているか?ということについて話してドリブルのまとめをしていきます。

この記事を書いた人鬼木 祐輔鬼木 祐輔
子どもの才能を引き出すスペシャリスト
フットボールスタイリスト(フィジカルコーチ)
コーチとトレーナーの両方の経験をもとに、「身体を上手に動かす」という、これまでにない観点から独自の指導メソッドを確立。運動が苦手な子どもでさえ短期間で上達させる優れた指導手腕は、多くのサッカー指導者から高く評価されている。現在では、幼稚園から大学まで、各世代の強豪校やプロ選手の指導に携わりながら、短期スクールや講習会なども精力的に行っている。
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