蹴る時にボールが浮かない原因と対処法

鈴木陽二郎 講師

YJRです。

先日、サッカー経験のない12歳少年と7m~8mの距離で向かい合って、ボールを蹴っている際に、「ボールが浮かない」と相談を受けました。

私は、「ボールのここを蹴ってみて!」や「足のここで蹴ってみて!」などのアドバイスを一切行わずに、「足から虹が出てるイメージして蹴ってみて」「2人の間に虹をかけてみて!」とアドバイスを贈りました。

そうすると、それまではまとも浮いてこなかったボールが、放物線を描いで私の元に飛んできました。

私もかなり驚きましたが、本人が1番驚いていましたね。

そして、子供の想像力は素晴らしい。と感じました。

蹴り方教室などの活動でも「ボールのどこを蹴ろう」「足のどこで蹴ろう」などは言いません。

それらは、自分やボールが目的地に向かう軌道などを意識すると勝手になるからです。

なぜなら、人間は認識した形になる性質を持っているからです。

ですので、イメージ(認識)に対してのアプローチを多くしていきます。

ボールを何とかしようとすると上手くいかない傾向がある

それまで、彼は何とか「ボールを」浮かそうと、足とボールが当たる場所を考えたり、足をあげる角度を考えたりなどの工夫をしていました。

考えたり、工夫をする行為は自体は素晴らしいのですが、彼はサッカー経験がありません。

ですので、サッカー経験があると当たり前の技術で解決する事が難しかったのです。

沢山練習すればいい。との声も聞こえそうですが、それはまた別の話になります。

では、サッカー経験がない彼からなぜ放物線を描いてボールが飛んできたのか?

それは、認識した形になる性質を持っているからです。

2人の間に虹をかける!

虹は、一般的には放物線のイメージが強いですので、「2人の間に虹を架ける」と放物線をイメージする事になります。

架けるというイメージには、始点が自分(彼)で、終点が私に勝手にセットされます。

それも実はとても重要な要素です。

結果として、彼が蹴ったボールが放物線を描いて飛んできました。

ここで難しいのは、「ボールを」蹴ろうとしない事です。

どうしても、サッカー経験者は、自分の経験知で解決しようとするので、「虹を架ける」といっても、ボールと足の設置する部分に意識が言ってしまいがちです。

逆に言うと、彼はサッカー経験がなかったことで、素直に「余計な事」を考える事ができず「虹を架けられた」のかもしれません。

「余計な事」というのは、前述した経験知からなるボールと足の設置する部分の意識です。

例えば、速いボールを蹴りたい!と思った時は。

速くて直線的な物をイメージをしましょう。

例えば、レーザーなどはどうでしょうか??

レーザーを発射して、目標物(パートナー、ゴール)を撃つ!のようなイメージです。

レーザーは虹同様に軌道をイメージしやすいです。

そしてゆっくり曲がるイメージはないですよね。

そして、始点と終点をイメージしやすいのも非常に重要です。

始点と終点があることで、自分やボールが目的地に向かう軌道をイメージしやすくなります

それらをイメージ(認識)した結果として、勝手に体がその形になり、ボールが速くなる!流れです。

■今回を踏まえて!

次回は、「ボールをふかさない」方法をお伝えしたいと思います!

今回がベースで後は運用に当てはめるイメージです!

ボールをふかしてしまう時はどんな時か?

考えてみましょう!そして、ボールをふかさない為には、「あれが必要だ!と言われてきませんでしたか??

きっと、あれですよね?(笑)

YJR的な解説をしていきます!お楽しみに!!

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この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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