【三浦コーチ】スキルアップのためには多角的に練習方法を模索する必要がある
今週末に大きな大会があるので、先週の日曜日にトレーニングマッチを行いました。
暑くなることが予想されたので相手チームに申し出て、午後からの予定を午前中に変更し、選手たちの負担を少しでも軽くするようにしました。
暑い中でも頑張ってくれた選手たちですが、いくつかの収穫と課題が見つかりました。
■展開力
スキルが高い選手は、ゲームの展開を読む力や展開を変える力を持っています。
どうしても右サイドで詰まってしまう傾向にあったので、展開力のあるセンターハーフやサイドバックの選手がタイミングよく逆サイドへボールを振っていました。
ベンチからは何も指示を出していません。
結果的によい判断だったので「いい判断だよ。グッド!」と声をかけただけです。
声をかけられた選手たちはこの声がけで「さっきのプレーはよい判断だったんだ」と認識することが出来ます。
これを「左サイドを使え」と指示してしまうと効果は逆です。
指示に従おうとして、無理なタイミングでボールを振ってしまうこともあります。
コーチとしてはじっと我慢なのですが、あまりにも気づかないようならやはり声をかけます。
「右サイドが詰まってるけど、何かいい方法ないかな」
「左サイドの○○、ボールを積極的に呼ぼう」
やはり選手に結論を与えるのではなく、気づかせる工夫が必要です。
■人に対する強さ
トレーニングマッチなのでベンチにいる選手も全員出場させました。
スタメンとベンチの差はほとんどないのですが、やはり人に対する強さの違いを感じました。
ボディコンタクトの強さというよりも「ボールを相手に触れさせない、カラダで守る」というような強さです。
ルーズボールへの対応が少年サッカーでは分かれ目になるでしょう。
ルーズボールの位置が自分からの距離と相手選手からの距離が同じだとして、先にボールをマイボールにするためにはスキルと人に対する強さが必要です。
「○○君は、どうして消極的なんだろう・・・」
そう思うことがありますが、これは実は相手しだいなのです。
競り合いに確実に勝てる選手が相手だと積極的に行きますが、勝てそうもないと判断すると1歩目が出ません。
「これは直す必要があるなあ」
こればかりはチーム練習で直せるものではありません。
実践を通して直す必要があります。
でも、何かが足りなくて人に対する自信がないのかも知れないので、よく観察してみました。
■ボールコントロールスキル
人に対して強く出られない、競り合いで積極的になれないという根底にあるもののひとつにボールコントロールスキルがありました。
相手をブロックしながらボールを取ることが出来ても、その後のプレーはカラダを上手くつかいながらボールをコントロールしてドリブルやパスをすることです。
そこの自信がないから、ルーズボールの競り合いの後の心配をして積極的になれないことに気づきました。
■ドリブルへの自信
ルーズボールを取った後というのは、すぐにパスコースを見つけられることは少ないので、ドリブルでスペースに運ぶというプレーがベターです。
ドリブルに自信があれば、相手をブロックしながらスペースを見つけて、ボールを運び、味方のサポートを待つというプレーが出来ます。
ルーズボールを競り合ってマイボールにして、奪われそうになってもドリブルすればすぐには奪われない、味方のサポートを待てばよい。
こういう自信があれば、競り合いにも積極的になれるものです。
自分のプレーがチームのためになるという事が分かっています。
■長いキックを蹴るセンス
ルーズボールを奪った後にドリブルをすればいいという択一的な判断は、階段で言えばまだ1段目を上がったばかりです。
やはりサッカーでは選択肢を2以上持つことが大切です。
ドリブルに自信がついたら、次はパスです。
近くの味方にフリーの選手がいなければ、遠くの味方やスペースに向かって、長いボールを蹴るというセンスも必要です。
長いボールを蹴るためのスキルについても練習が必要です。
ボールを奪い合ったばかりというのは、相手選手もすぐ近くにいて、ゆっくりしたモーションや、助走をたっぷりとったキックはブロックされてしまいます。
素早い動作で長いボールを蹴るという練習が必要です。
小学生の場合、このキックが出来る選手と出来ない選手でも差があるように思います。
ワンステップで長いキックを蹴ること。蹴る前に顔をあげて周りを見ておくこと。
この2つが大事です。
ワンステップで長いボールを蹴るコツについてはリアルスタイルさんが出している、鈴木陽二郎さんの蹴り方教室が参考になります。
軸足を踏み込むのではなく、蹴る前に軸足を動かすというポイントがあります。
狭いエリアでもこの蹴り方なら長いボールも蹴れます。
選手のスキルアップのためには多角的に練習方法を模索する必要があります。
僕もまだまだ勉強中ですが、講習会やさまざまな教材で刺激を受けています。
コーチの方々、選手の皆さん、一緒に頑張りましょう!
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