サッカーにおける苦手な技術ってどんな技術!?
三浦です。
前回のメルマガでは、GWを前にして自主練のメニューについて紹介しました。
- 得意な技術を伸ばす
- 苦手な技術を無くす
という目標を持って、トレーニングしようとアドバイスしました。
今回も前回に引き続き、自主練のテーマについてお伝えします。
私のチームの選手とのやりとりで、気づいたことがあります。
それは、苦手な技術とはどういう技術なのか?
選手たちは、苦手な技術や苦手なプレーについての判断基準が
- ミス
- ミスしやすい
ということのようです。
私たちコーチも、苦手や得意というプレーについて、明確な基準を持っていないことに気づきました。
- ミスするから苦手なのか?
- ミスの理由はなのか?
- コーチが身につけて欲しいと思っているプレーは何なのか?
今回は、これらについてお伝えします。
苦手な技術とは非利き足の技術ではない
多くの選手は、非利き足でのプレーを苦手だと言います。
ミスしやすいからですね。
そこに勘違いがあるなあと、感じました。
得意の足・利き足と比較して苦手な足が非利き足でのプレーだとすれば、それはちょっと違うかなと考えています。
サッカーは、利き足でプレーしていいんです。
どんなプレーでも、左右両足で行うことが基本ではありません。
セットプレーの場面で、両足で蹴ることができる選手は滅多にいませんん。
元なでしこジャパンの宮間選手が、確か両足キッカーだったと記憶しています。
- 苦手な足
- 痛さをともなうプレー
は、たしかにいくつかありますね。
低学年の選手たちに聞くと、苦手なプレーは「胸トラ」でした 笑
胸トラは、広い面でボールを捉えるので正確にコントロールできるのですが、顔にボールが近づくので怖いようです。
ボールが怖いということも、苦手な技術の原因かも知れませんね。
でも、高学年の選手に聞くと、もっと切実な苦手のプレーの理由を聞くことができました。
苦手な技術の例(その1)
苦手なプレーとは、利き足との比較ではなく次のようなプレーだと説明しました。
(例として非利き足を左足としています)
左側からパスが来て、右側に相手が迫って来ている。
しかし、確実にコントロールしたいので相手に近い右足でタッチした。
その結果、相手にコントロールの瞬間にプレスをかけられて、ボールを奪われてしまった。
この例では、相手から遠い足でボールを扱うという基本を知りながら、左足でのプレーに自信がないので、右足でプレーしてしまったということになります。
左足は、右足に比べれば正確なプレーが出来ないかも知れませんが、ミスを恐れずに相手から遠い足の左足でプレーしなければ、基本は身につきません。
左足が右足レベルまで使えるようになれば解決するというものではなく、相手から遠い足でボールを扱うという基本を身につけるというプレーを続けなければ身につきません。
苦手な技術の例(その2)
選手とのやりとりで気づいた、苦手な技術のその2です。
小学生のサッカーでは、身につけておいて欲しいプレーなのですが、このプレーをなんと呼べば良いかわからないようです。
私は、
- 動いているボールから目を離すこと
- ボールから目を切る
と表現しています。
中盤でプレーしていて、センターバックの選手にパスを要求する場面をイメージしてみてください。
中盤でボールを受けるということは、目の前には相手チームのディフェンダーが数人いるはずです。
この時、ボールばかり見ていると相手選手の動きを見ることができません。
多くのコーチは、この場面での指導の際に、次のようなコーチングをするでしょう。
- 味方も見る、相手も見る、スペースを見る
- 広い視野を確保する
- グッドボディシェイプ(よい体の向き)
サッカーを続けている限りは、視野の確保はとても大事なことです。
しかし、視野を確保するということの言葉の裏返しは、「ボールを見ない」ことでもあるのです。
ボールと他のものを同一視野に入れることが大事ですが、必ずしも同一視野に入れることはできません。
- 後ろから来るボールを見ながら、前方の相手の様子を見る。
- ボールが転がってくる瞬間に、ボールから一瞬目を離して前方を見る。
- そして、再びボールに目を戻してボールをタッチする。
このプレーが苦手な選手が、実に多いです。
逆に、小学生のうちにこのプレーができるようになると、チーム力がグッとあがります。
この技術が苦手な理由は、次の5つです。
- トラミスをしないようにボールをじっと見てしまう
- ボールを持ってから前を見ることが癖になっている
- ボールが動いている間に前を見るという習慣がない
- 再びボールに目を戻したときに慌ててしまう
- そもそも必要性に気づいていない
苦手なプレーを克服する方法はただひとつ
- 左足が苦手だ
- ボールが怖い
- ミスするのが怖い
など、苦手なプレーの理由は数々ありますが、そのプレーにトライし続けなければ克服することはできません。
苦手なプレー(その2)は確かにレベルが高いですが、トライし続けなければ身につかないプレーです。
ボールからいったん目を離すということは、慣れが必要です。
私のチームでは、自主練のリフティングでボールから目を離したり、コーンドリブルの際にボールをなるべく見ないというような意識をもたせています。
- 周りを見ることの必要性
- ボールへの自信
の両立が必要です。
ぜひ、
- 自分はどんなプレーが苦手なのか
- どんな場面で消極的になってしまうのか
考えて見てください。
きっと、自主練のヒントになることでしょう。
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小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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