目的地の認識~自分自身がどこに向かうのか~

鈴木陽二郎

「自分自身がどこへ向かうのか」という意識を持ち、その目的地を明確に認識していることを「目的地の認識を持つ(認識の中心が目的地である)」と表現しています。

目的地の認識とは

「人間は認識した形になる性質」を持っておりますので、「自分自身がどこに向かうのか」と明確に認識していると、「自分自身がそこに向かう形(行動)」が自動的に決まります

これは、フットボールに限らず日常生活に置き換える事ができます。

待ち合わせを例とすると・・・

待ち合わせ場所は、相手が「目的地の認識」となります。

待ち合わせ場所を認識した事で、どのようなルート・手段で行くか決まります。

そして、待ち合わせする際はどのような形(行動、姿勢)になりますか?

先に着いたら、きょろきょろしたり、スマホに連絡がないか?など、待ち合わせを待つ形(姿勢、行動)になります。

そして、後から来た方が待ち合わせ場所に到着し、お互いを認識できたら手を振ったり、お辞儀などする形(姿勢、行動)になります。

待ち合わせ(向かう)為の形(姿勢、行動)が、待ち合わせ相手、場所(目的地の認識)によって作られます。

想像してください・・・・

目的地の認識となる待ち合わせ相手が、とても仲のいい友人であった場合と、仕事で初めて会う方の場合では、形(姿勢、行動)は同じになりますか?

自分が尊敬してやまない怖い(笑)先輩とだったら、どうでしょうか?(笑)

それらは、人間は認識した形になる性質をもっているからこそ、認識した物(事)が変われば行動が変わる事を示しています。

そして、待ち合わせ(待ち合わせに向かう)の形(行動)は、待ち合わせするという目的地の認識によって作られる(決めらる)という事であります。

フットボールにおける目的地とは?

フットボールにおける最大の目的地は、ゴールです

目的地をゴールと認識すると、ゴールへ体を向けますし、ゴールに向かってプレーします。

ただ、相手DFが目の前に立ちはだかるわけです。

なぜなら、相手DFも自チームのゴールがどこにあるか認識して守備をしているので、立ちはだかるわけです

そこで、DFに立ちはだかれたら、迂回するようにドリブルやパスをして最大の目的地(ゴール)に向かいます。

車を運転時に、工事している道を迂回して目的地に向かうのと同じです。

そして、ドリブルやパスも、ドリブルやパスの形に勝手になります。

ドリブルやパスをするときに、「ドリブル(パス)だ!」とは思いますが、「ドリブル(パス)の形になろうぜ!」とは思いません。

最大の目的地であるゴールがどこにあって、相手DFがどこに立って、DFの体の向きやスピードがどうであって、スペースがどうあって、味方がどういてなどを認識した結果、ドリブルの形(ドリブルで向かう場所、スピード、テクニックなど)が勝手に決まります。

パスの形も同様な認識で決定します。

キック(フットボール)で必要な姿勢は目的地の認識で作られる!?

人間は認識した形になる性質をもっているので、キック(フットボール)で必要な姿勢は目的地の認識で作られます(決まります)

まず、一般的にイメージするいい姿勢は

  • 胸が張っている
  • 背筋が伸びてる
  • 頭(顔)が上がっている
  • 骨盤が立っている

この姿勢でキックできるといいボールが、蹴れる傾向にあります。

キックだけでなく、全てのプレーにもつながります。

ですが、姿勢をよくする事が目的(の認識)になってしまうとプレーとはリンクしなくなります。

そこで、目的地の認識が重要になります。

例えば・・・

ピッチに立ってハーフラインから相手ゴールを認識(見た)時は、どんな姿勢になるでしょうか?

一般論になってしまいますが、遠くのものを見る時に頭が下がる事は多くないと思います。

要するに、目的地の認識をする事で、目的地に向かう為の姿勢が勝手に作られ、上記のようなイメージされるいい姿勢となります。

ですので、キック(フットボール)で勝手にいい姿勢を作る(決める)のは、「自分自身がどこへ向かうのか」という「目的地の認識」が重要と言えます。

ボールを目的地にはなぜしないの?

上記をまとめると、目的地の認識をすれば目的地に向かう為の姿勢が決まり(作られ)、いいキックができる可能性があがります。

これは、私のコンセプトでありますので、これが正解!絶対唯一無二!などではありません。

一向に「ボール」の話が出てこないのは、お気づきですか?(笑)

私のコンセプトでは、「ボールを目的地にした認識(認識の中心がボール)はNGとしております。

なぜNGにしているか?と言うと・・・

私がこれまで関わってきたキックに悩みを持つ多くの方に話を聞くと、ボールをなんとかしようと「ボール」が主語で、「ボール」が目的地の方が多かったわけです。。

仮説ではありますが、悩みを持つ多くの方が持っている「ボールが目的地の認識(認識の中心がボール)」が、上手くキック出来ない行動を作っていると考えています。

認識の中心がボールになると、「ボールに向かう姿勢」が勝手に作られてしまいます。

フットボールは、ゴールを最大の目的地にしているので、ゴールに入れる(向かう)為に・ボールはどこかに運び・蹴られます。

ですので、「どこかに向かう姿勢」が必要で、「ボールに向かう姿勢」は必要ではないという事になります。

そのため、「ボールを目的地にした認識(認識の中心がボール」では、辻褄が合わなくなってしまうと考えております。

認識を変えれば行動(プレー)は変わる

パス練習、シュート練習においてどんな認識をしたらいいのか?というポイントです。

対面パスの場合の目的地の認識(認識の中心)は「パートナー」、シュート練習ならば「ゴール」の目的地の認識をもつことで、目的地に向かう姿勢が勝手に作られるからです。

ですが、ここで「ボールをどう蹴ろう」と認識してしまうと、認識の中心がボールになり上手くいかない行動の認識になってしまいます。

なぜなら、ボールに向かう姿勢が勝手に作られてしまうからです。

ですので、自分自身で何が認識の中心かを知り、ボールが認識の中心であるならパートナーやゴールを目的地に設定し、ボールが無くてもパートナーやゴールに向かう時と同じようにトライしてください。

キック(プレー)を成功させる行動を作る認識はまだあるので、今度紹介させて頂きます。

認識を変えれば行動が変わる。

ボール→目的地へ認識を変えてみたら面白いかもしれませんね。

この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。