ミニゲームなどのグループ練習でポジショニングを学ぶ
三浦です。
ヘタフェ初先発の久保建英選手の驚異的な技術は、海外メディアでも大きくとりあげられています。
ゴールに直結するプレーはありませんでしたが、
- 相手を背負った状態でパスを受けてもボールを奪われないプレー
- 相手がいない場所にボールを持ち出してくりだす正確なパス
は、さすが久保選手だなと言わせるものです。
ボールを持てば、何かしてくれそうな予感でワクワクしますね。
次のゲームが楽しみです。
目次
新チームのグループ戦術の理解
さて、三浦のチームでは、新チーム作りのために5年生と4年生の練習を進めています。
卒業していく6年生に比べれば試合経験が少ない5年生や4年生ですが、やみくもに練習試合を重ねることが得策とは考えていません。
サッカーの練習には、
- 個人練習
- グループ練習
があります。
さらにグループ練習の先には、
- フォーメーション練習
- チーム練習
があります。
試合に直結する練習をしたいと言う場合は、フォーメーション練習をやりがちですが、うまく攻撃や守備の形が作れない場合は、選手と選手のコンビネーションに問題があります。
もともと、選手それぞれのコンビネーションやグループ戦術に対する理解がバラバラなので、統一する必要があると感じています。
グループ戦術としての「深さと幅」
例えば、攻撃の場面です。
サッカーは、相手ゴールにシュートを決めることが目的ですね。
それが、いざハーフコートでのゲームを始めると、おやおや~という現象が起きてしまいます。
攻撃のセオリーとも言える「深さと幅」ですが、4年生や5年生にとっては体に染み付いていません。
ひとりひとりが
- 深さとは何か
- 幅とは何か
を理解しなければなりません。
深さとは、トップの選手が相手ゴールに近い位置で、さらにオフサイドにならないポジションを取ることです。
そうすることで、相手チームのディフェンスがマークにつきます。
場合によっては、2人のマークがつくでしょう。
これだけでも、中盤にスペースが生まれます。
トップの選手のポジショニング
深さを作るということで、トップの選手が意識してこのようなポジションをとることでスペースが生まれますが、相手ゴールに近い位置にいるのでそこをターゲットにしてボールを集めることもできるでしょう。
ゴールを奪うという原点に基づくポジショニングですが、少年サッカーではこれを忘れがちになることがあります。
もしトップの選手が中盤に戻ってきてしまったら、中盤の人数が多くなってしまいます。
マークの相手チームの選手も含めて、中盤に集まって来てしまいます。
当然、中盤のスペースが狭くなります。
スペースが狭くなることで、攻撃へのメリットは少ないです。
フィールドプレーヤー全員が意識すること
ボールは、どうしても中盤に集まります。
そのボールに触りたいと言う気持ちで、トップの選手が中盤に戻ってきてしまうと言う場面が、少年サッカーではよくあります。
トップにポジショニングする選手は、フォワードの選手とは限りません。
中盤の選手がポジションを入れ替えて、トップに入ることもあります。
むしろ、意図したポジションチェンジは大歓迎です。
フィールドの選手それぞれが、トップのポジショニングと言うものを理解する必要があります。
ミニゲームでもポジショニングの意識を持つこと
このポジショニングは、
- ハーフマッチ
- ワード練習
じゃないと身に付かないものでしょうか。
私のチームでは、4対4のミニゲームをよく行います。
ミニゲームの場合も、ミニゴールを使います。
多く得点したチームが勝ちます。
勝敗にこだわるように、コーチングしています。
4人で攻撃する場合、選手たちは
- 1人はトップ
- 2人が中盤
- 1人がバック
と言う陣形をとります。
4対4の攻防では、ポジショニングが激しく入れ替わるので、時々トップが不在になることも多いです。
ボールを相手から奪ったときに、トップがいないとパスの出し先がありません。
誰かがいつも相手ゴールの近くにポジショニングしていれば、ボールを奪った瞬間にボールを受けることができます。
この意識が大事なので、「シュートするのは誰だ?トップがいないぞ!」とついついコーチングに力が入ります。
ミニゲームで試合に役立つスキルを身に着けよう
このように、4対4の練習ではボールを奪う奪われないと言う攻防ではなく、シュートを打つための効率的なポジショニングを学ぶことができます。
コートが大きくなり人数が増えても、基本的な動きは同じです。
ミニゲームは、実際の試合の一部分を切り取ったものなのです。
さらに、ミニゲームはグループ練習の延長上にあります。
4対4のゲームでギクシャクする時は、2人で行うグループ練習まで戻るとよいです。
グループ練習の代表的なものは、
- ワンツー
- オーバーラップ
- スイッチ
などの攻撃の動きや、守備におけるチャレンジ&カバーです。
基本の動きを練習しながら、4対4のミニゲームを行うことで、3人目の動きというものも引き出せます。
このように、8人対8人の練習試合でなくても、
- 4人対4人のゲーム
- 2人でのグループ練習
という形で、試合に役立つスキルが身につきます。
試合がなかなかできない現在の状況では、4対4のミニゲームを多く行うことで実戦感覚を養いたいですね。
頑張ってください!
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。