バイタルエリアに入れないために必要な守備の大事さ
三浦です。
高校サッカー選手権大会の決勝には、今年もドラマがありましたね。
青森山田は24本のシュートを放ちましたが、山梨学院の堅守に阻まれました。
ポストやバーに当たるという不運もありましたが、勝敗はPK戦へ。
結果は、山梨学院の優勝でした。
青森山田の黒田監督は、100回大会では優勝するというメッセージを残しました。
どこまでもポジティブな名将です。
次回大会の決勝の相手高校は、どこになるのか。
今年も楽しみです。
さて、今回の高校サッカー選手権大会もレベルが高かったですが、試合を観戦しながら自分のチームに何か取り入れたいと考えていました。
高いテクニックは一朝一夕では身につきませんが、準決勝と決勝を見て「これは小学生の選手たちにも真似てほしい」というポイントがありました。
目次
1点差を争う試合
トーナメント方式の大会なので、攻撃も大事ですが守備の大事さをつくづく知らされました。
守備とは、
- 攻撃させないこと
- 相手のボールを奪うこと
の両方を指します。
攻撃させないことでは、バイタルエリア(ゴールに結びつくプレーが起こるエリア)に入らせないことの大事さを知りました。
- バイタルエリアに入らせない
- バイタルエリアに入り込む
これが、1点差で勝つためには必要です。
バイタルエリアに入るためには
バイタルエリアに入ることで有利になり、入られることでピンチになりますが、そもそもバイタルエリアまでボールを運び込む方法について考えてみましょう。
ボールを運ぶ方法は、大きく分けると次の通りです。
- ロングパス
- パスワーク
- ドリブル
- ゴールキック(フリーキック)
多くは、コートの中央付近でのプレーですね。
バイタルエリアに入るためには、まず相手エンドに入る必要があります。
ボールを失わずに相手エンドに入る方法として、ロングパスが多用されるケースが多いですね。
ロングパスは跳ね返される確率も高いので、パスやドリブルを交えたバリエーションが多い攻撃が有利です。
バイタルエリアに入らせない
三浦がチームの選手たちに真似て欲しい、指導したいと考えたことが、中盤での守備です。
相手チームを自チームエンドに入らせない、当然、バイタルエリアにも入らせないこと。
ゴール前でシュートをブロックするよりも、シュートを打たせないための守備として徹底したいと考えています。
相手にボールを運び込ませない方法
中盤で、相手の自由を奪うことしか方法はありません。
つまり、
- パスを通させない
- ドリブル突破させない
ということです。
そのためには、
- ボールを持っている相手
- これからボールを持つと予想される相手
へのプレッシャーが必要です。
指導用語では、「ファーストディフェンダー(1stディフェンダー)」と言います。
ボールを持っている選手に、アタック・チャレンジするプレーヤーです。
チャレンジ&カバー
高校サッカー選手権大会で素晴らしいと感じたプレーは、この1stディフェンダーがプレッシャーをかけに行った時に、必ずカバーリングをする選手も連動することです。
このカバーリングする選手を、セカンドディフェンダー(2ndディフェンダー)と言います。
ファーストディフェンダーとセカンドディフェンダーのセットで行う守備を、チャレンジ&カバーと言います。
プレッシャーをかけに行っても、かわされてしまう可能性は少なくないです。
逆にプレッシャーをかけることで、相手にパスを出すきっかけとなります。
そのパスをカットする。
これもセカンドディフェンダーの役割です。
まず相手の自由を奪う
チャレンジ&カバーを小学生に指導する時に、注意するポイントがあります。
どうしてもボールを奪いに行ってしまうことです。
奪いにいくことはいいのですが、
- 相手がしっかりとボールを扱っている時
- トラップミスしている時
も、お構いなしで足を出してしまうことです。
近づくだけで自由を奪い、プレッシャーを与えることになるということに気づいて欲しいです。
と同時に、相手が上手くボールをコントロール出来ていないと判断した時には、強いプレッシャーで奪い切ることです。
最近の指導傾向として、「奪い切る激しさ」が求められています。
奪い切るためにはフィジカルの強さも必要なので、
- プレッシャーを与えるだけで十分な場面なのか
- ボディコンタクトが必要な場面なのか
コーチは、選手の能力によって判断する必要がありそうです。
チャレンジ&カバーはグループワーク
チャレンジ&カバーは、ひとりだけではできません。
2人以上の呼吸が合わないと、相手の攻撃を止めることはできません。
大事なことは、ファーストディフェンダーの動きです。
相手がボールを持つと予測して、動き出す必要があります。
パスが動いている時に、プレッシャーをかけるためのスタートを切ることがポイントです。
セカンドディフェンダーは、その動きを見てカバーリングやパスカットのコースに入ります。
ここで大事なことは、ボールばかり見ていると後手後手になるということです。
ボールを持っていない相手チームの選手と、ボールの両方を見ておくことが基本です。
さらに、味方の動きも視野に入れておくことです。
2人同時にチャレンジしたり、譲り合ったりしないようにするためには掛け声も有効ですね。
三浦のチームでは、ボールに行く合図を「オッケー!」にしています。
チーム練習を行うことで、試合で試しやすい守備の基本です。
選手が理解しやすいように、図解や動画を見せることも有効ですね。
早めの守備でボールを奪えれば、鋭いカウンターで攻めることが出来るので、攻撃力もアップします。
頑張ってください!
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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