ドリブル上達のための姿勢と練習方法
皆さんお久しぶりです、鬼木です。
長らくお休みしていたこちらのブログですが、今月から再開することとなりました。
様々な情報が世の中に出回っておりますし、どれが自分や自分の周りの人たちにしっくりくるものにはなかなか分からないですよね。
ですので、具体的に「こういう練習したら上手くなるよ!!」というようなものはここにはありません。
そう言ったものをお望みの方は、今すぐこのページを閉じてYouTubeで動画を探して真似をした方が早いと思います…
僕がこれまで出会ってきた指導者の方々や選手の皆さんたちから気づかせてもらった事例を踏まえ、この場所をお借りして様々なプレーの僕なりの解釈を元に「定義」ならぬ「提議」をしていこうと思います。
それを元に、プレーや練習メニュー等を選ぶ時の「ミカタ」を紹介していきます。こんな解釈の仕方があるのか!と。
復活第一弾では、サッカー選手の浪漫(と僕は勝手に思っています)であります「ドリブル」について数回に渡り紹介していきます。
ドリブルが上手く成りたい皆さまのお役に立てたら幸いです。
目次
ドリブルで姿勢は大事なのか?
ドリブルしている時に○○になっていませんか?
ドリブルが上手な人の姿勢(何が良いのか)
ドリブルの姿勢の練習方法
まとめ
①ドリブルで姿勢は大事なのか?
検索サイトで「ドリブル」と調べてみると、「姿勢」に関する記事が非常に多く見つかります。
多くの方が気になっているのだと思います。
ドリブルが上手な選手の映像や写真を見ると、体がスッと立って美しく
「そりゃスルスル抜けるよなぁ…。」
「何で自分とはこんなにも違うんだ…。」
と思いますよね。
姿勢の良し悪しに関して僕も以前はメインテーマとして話をしていましたが、最近は捉え方が変わってきているので、今週は姿勢についての最近の僕なりの考え方をお伝えしていこうと思います。
「姿勢」という言葉の意味を考える
僕は、個人的に概念や定義について考える時、辞書で意味を調べたり、語源を調べるようにしています。
そうしないと、何となくイメージで捉えていてしまって、ステレオタイプになってしまいがちなので…。
「姿勢」の語源を調べてみると、「姿勢/しせい」という言葉は、明治時代にドイツ語のカラダを意味する、Körperhaltung(ケルパーハルツング)から邦訳されたものだそうです。
Körperは英語でBody(肉体)、haltungはPosture(カラダの構え)です。
日本語で「姿勢」となった今では、カラダの構えに加えてココロの構えをもあらわす、たいへん意味深い合い言葉へと成長しました。
引用:http://www.shisei-planet.com/shisei_are/shisei02.html
上の文末にも書いてありますが、「姿勢」を辞書で調べてみると以下のような意味になります。
し‐せい【姿勢】 の解説
1 からだの構え方。また、構え。かっこう。「楽な姿勢で話を聞く」
2 心構え。態度。「政治の姿勢を正す」
姿勢という言葉は比較的新しいものではありますが、日本の武道などでは「構え」や「形(カタ)」が大切だと言われています。
なので、何かアクションを起こす時の「姿」や「形」が大切だというのは、何においても大切になってくるのではないでしょうか?
しかし、僕たちがドリブルに限らずプレーについて普段使っている「姿勢」という言葉は、「姿」や「形」などの客観的な見た目の話に留まり、辞書の意味にある「心構え、態度」のニュアンスを含むことはあまりないのではないでしょうか。
「姿」と「勢い」
前置きが長くて有名な鬼木にもう少しお付き合いください…笑
「姿勢」はドイツ語からの翻訳で作られた言葉と上の章でご紹介しました。
似たような意味を持つ漢字を二つ重ねた熟語の多くは、明治時代にとてつもない賢い方々が同じような形で翻訳して作ってくださいました。
そもそも概念すらなかったものも、漢字を使い熟語化することで多くの学問を日本語で学べるようになったんですね。すごいことです…。
詳しく知りたい方はこちらのリンクをご参照ください。
『明治翻訳語のおもしろさ』国際言語文化研究科 福田 眞人
『ことばの疑問:明治期のように,外来語を表す新たな翻訳語を作るというのはどうでしょうか』ことば研究館
ここで「姿勢」という言葉を構成する「姿」と「勢」の意味を調べていきます。
すがた【姿】 の解説
- 人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。「顔もいいし姿もいい」「鏡に姿を映す」「後ろ姿」
- 身なり。風采。 「姿をやつす」「うらぶれた姿」
- 目に見える、人の形。存在するものとしての人。「姿をくらます」「あれっきり彼は姿を見せない」
- 物の、それ自体の形。「山が雲間から姿を現す」
- 物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。「移り行く世の姿」「主人公の成長する姿を描く」
いきおい〔いきほひ〕【勢い】 の解説
- 他を圧倒する力。活気。気勢。「勢いを増す」「破竹の勢い」
- 社会を支配する力。権力。権勢。「武力を背景に勢いを振るう」
- 自然の活動力。「水の勢いで流される」「火の勢いが強い」
- 盛んな意気。元気。「一杯飲んで勢いをつける」
- 物事が動くときに加わる速さや強さ。「下り坂で勢いがつく」「勢い余って土俵を飛び出す」「筆の勢い」
- 余勢。もののはずみ。なりゆき。調子。「酔った勢いで言う」「時の勢いに乗じる」
「姿」「勢」のそれぞれ意味を見てみると、「姿」は比較的静的なイメージがありましたが、5のように動的(流れや変化)のニュアンスがあることに気づけます。
「勢」はイメージ通り『ワーーーーー!!!』っていう感じがしますね笑
それに加え、2や4のように「背景、前提」というようなニュアンスが含まれるのがわかります。
「姿勢」というと静止画のイメージ
前置きが長くなりました笑
何が言いたいかというと、ドリブルに限らずプレーにおける「姿勢」というのは、ある1シーンを切り取った静止画のイメージが強い気がしていますが、言葉の意味を細かく調べてみると『流れ』のニュアンスが含まれているので、僕は『過程の1コマに過ぎない』と解釈しています。
写真のシーンを切り取ってイメージすることに対してネットの世界では賛否ありますが、僕の中で大事にしていることは二つあります。
- そのシーン(写真)の次のコマはイメージできますか?
- そのシーン(姿勢)になるためには1つ前のシーン(コマ)はどうなっているのか?
ということです。
地球上で重力に対して生活している以上、テレボーテーションなど出来ないので、いきなりその形になるわけではなく、何かのアクションは必ず点ではなく線(流れ)で行われます。
ですので、その形を切り取って作りに行く練習ももちろん大切だと思いますが、それで出来る人はその道を追求してもらえたらいいと思います。
しかし、そのアプローチでなかなか上手く出来ない人も少なくないと思います。
ですので、
- その姿勢になっている状況(流れ、文脈)はどうなっているのか?
- その動作をする際の心理的状況(心構え)はどうなっているか?
- その動作をする際の認識の向きはどうなっているか?
に注目して、アプローチをすることが多くなっています。
もちろん前提として、自分の体の動く範囲や出力の限界値を高め、向き合うことから目を逸らしてはいけませんが(向いてない方はまず向けてください)、こういった視点を持つことも大事なのではないかな?と思っています。
次回以降は上記3つのポイントをもう少し掘り下げて説明していきます。
子どもの才能を引き出すスペシャリスト
フットボールスタイリスト(フィジカルコーチ)
コーチとトレーナーの両方の経験をもとに、「身体を上手に動かす」という、これまでにない観点から独自の指導メソッドを確立。運動が苦手な子どもでさえ短期間で上達させる優れた指導手腕は、多くのサッカー指導者から高く評価されている。現在では、幼稚園から大学まで、各世代の強豪校やプロ選手の指導に携わりながら、短期スクールや講習会なども精力的に行っている。
ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら