ボレーシュートが上手くいかない原因と対処方法

鈴木陽二郎 講師

YJRです。

今回は「ボレーシュートのコツ」です。

ボレーシュートの最大のポイントは「自分とボールの最適な距離を保つこと(スキマつくり)」です。

ボレーシュートのミスは「自分とボールが近くなりすぎて脛や膝で蹴ってしまう(下手したらお腹にボールがあたる!)」がとても多いと思います。

これは、「自分とボールの最適な距離を保つことが出来ない」事で起きるエラーです。

そして、「最適な距離を保てない原因」の多くは、「自分のやりたい事(イメージ)優先し、ボールの行方や軌道を理解していない」事です。

■一方的なコミュニケーションになっていませんか?

ボレーシュートや浮き球の処理をするトレーニングをするとよくあるのですが・・・

「ボールの行方がわからない」のに、ボールが出る前からボール方向に寄ってしまう(向かってしまう)事。

その状態で、自分にボールが向かってくると、お互いに向かって進んでいるので、自分とボールが近くなりすぎて(差し込まれて、窮屈になって)ボレーシュートはできません。

まだ、自分にボールが向かってくるのならいいのですが、時として自分の後ろや横にボールが出ることも考えられます。

そうなった場合は、そもそも足がボールに触れる事すら難しくなります。

そのような状態は、自分のイメージ(やる気、やりたい事)が先行して、「ボールの行方」という現実と噛み合ってない状態です。

例えば、ボールが頭上にある時(現実)に今蹴りたい!(自分のイメージ先行)と思って、蹴りにいったら空振りします。

ボールが蹴れる位置にボールがないとキックすらできませんよね。

当たり前すぎる事ですが非常に重要な事で、ボレーシュートが苦手な方は、一方的な思い(コミュニケーション)になっている事が多いです。

ボレーシュートに限らずですが、特にボレーシュートは、ボールとコミュニケーションを取らないと蹴ることができません。

一方的なコミュニケーションではそもそもパスも成立しないし、DFも成立しません。

そもそも、相互コミュニケーションができないとフットボールは成立しないわけです。

■希望的観測ではなく、反射。

ボールとのコミュニケーションで大事なのは、「ボールの行方」を見る事です。

前述したように、ボレーシュートが上手くいかない時は、「ボールの行方がわからない」のに動き出す事です。

ちなみに、「ボールの行方がわからない」のに、動き出すことを「希望的観測」と呼んでいます。

「ここにボールが来たらいいな」と思って(意識していない事がとても多く非常にやっかいです)、「ボールの行方がわからない」のに動き出す事が非常に多いです。

まさにボールの事を考えない、自分優先の一方的なコミュニケーションです。

ですので、希望的観測にならずに「ボールの行方」見極めてから、動き出してみましょう。

そして、そのために大事なことは「沢山の予測」です。

起こりえそうな事を沢山予測しておいてください。

希望的観測にならず、ボールの行方に反応することを「反射」と呼んでいます。

来たボールに対して常に反射していれば予想と外れても反応できます。

■ボールの行方がわかれば!

後は、「自分とボールの最適な距離を保つこと(スキマつくり)」です。

ボールの行方に先回りし、自分とボールに空間があるように立ちましょう。

ボレーシュートの場合は足を横にあげる事が多いので、足を上げて横に延ばした距離はボールとの空間が必要です。

足を延ばした距離よりボールの近くに立ってしまうと、脛に当たったり、腿に当たったりします。

これらは、所謂、立ちどころ、スキマと呼んでいる事です。

立ちどころ、スキマに関しては↓の過去記事をご覧ください!

理解が深まると思います。

■まとめ!

  • 自分のやりたいことを優先しない
  • ボールの行方を見極める
  • ボールの行方を見極めてから動き出す
  • 最適な距離をスキマを確保

ができたら!!!

後は足を振るだけです!

どこで蹴るとか、どこに当てるとか気にしないでいいですよ。

ゴールに向かう事を忘れずに。

後は息を止めないとか、力まないようにする工夫です。

「ボレーシュート」は「難しいかも」と精神的なハードルが高くなりがち。

そのようなハードルを感じると力みやすいので注意です。

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この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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