熊谷選手から学ぶべきこと!
三浦です。
熊谷紗希選手が、チャンピオンズリーグ決勝でゴールを決め優勝しました。
日本人選手としては男女含めて初の快挙です。
チャンピオンズリーグ連覇!決勝ゴール!
素晴らしいプレー!フランスで大きく成長しました。
2011年。
なでしこジャパンがワールドカップで優勝した時は、センターバックとして守備の要としてプレーしていました。
その熊谷選手が、チャンピオンズリーグ決勝で優勝を決めるゴールを決めました。
「チャンピオンズリーグ5連覇を成し遂げることが出来て最高です!」と本人が一番喜んでいます。
左足でのミドルシュートは、ゴールキーパーの手が全く届かないゴール隅に吸い込まれました。
素晴らしいゴールです。
所属するリヨン(フランス)では、中盤としてプレーする熊谷選手は、高校まではフォワードとしてプレーしていたそうです。
ゴールへの意欲は、生まれ持ったものなのかも知れません。
リヨンでは、通算25ゴールを決めています。
ディフェンスとしてプレーしながらも、相手ゴールを常に意識している熊谷選手。
海外でプレーする選手のなかで(男女含めて)、一番輝いている選手ではないでしょうか。
球際のプレーに強くなる。相手との接触でも怖がらない!
私は、長いこと熊谷選手のプレーを見て来ました。
長所がたくさんありますが、そのいくつかは少年少女のサッカーにも参考になると考えています。
学ぶべき長所のひとつは、対人プレーの強さです。
日本人としては171センチと体格に恵まれている熊谷選手ですが、海外チームでは熊谷選手の身長の選手はざらにいます。
その熊谷選手の長所は、大きい選手とのボールの奪い合いにあらわれています。
球際の強さです。
少年サッカーでは、「相手より先にボールに触れ!」とベンチにいる監督やコーチから声をかけられます。
ボールを先に触るということは、相手よりも先に触ることです。
ダッシュのスピードやボールコントロールの上手さではなく、相手より先に動けることと相手との接触に強くなければ、相手より先にボールに触ることが出来ません。
相手より先にボールに触るということは、相手とのぶつかり合いに負けないということです。
サッカーでは、ボールを思い通りに扱うことが上達への近道と思われがちです。
しかし、試合ではボールに触ろうとする時には必ず相手選手がそばにいます。
ルーズボール(どちらのボールでもない状態)を先に自分のものにしようとするときには、ボールコントロールのスキルは関係ありません。
足の速さも関係ありません。
相手との「競り合い」に勝てるかどうか!
その違いだけです。
足が遅くても相手の前に体を入れることができれば、相手のスピードを止めることが出来ます。
多くのサッカー少年少女は、このような理屈はわかっているでしょう。
でも、相手との競り合いが苦手な選手の理由はただひとつ。
「恐怖心」
そうです、怖いんです。
相手とのぶつかり合いも、ボールの奪い合いも怖いんです。
熊谷選手も、恐怖心は感じているでしょう。
しかし、ゴールを守るためのポジション(センターバック)や、相手からボールを奪ってゴールを狙うポジション(中盤)では恐怖心を抱えていてはプレーが出来ません。
小学生でサッカーを始めるということは、ボールコントロールスキルの上達と同時に相手とのぶつかり合い、競り合いに強くなることが出来た選手が伸びます。
自信を持ってボールを扱う
熊谷選手は、センターバックや中盤のポジションということもあって、ドリブルで相手ゴールに迫るというプレーはあまり見られないでしょう。
しかし、中盤でボールを持った時の安定感は抜群です。
なでしこジャパンのセンターバックでボールを持った時も、安心して見ていられます。
なぜでしょうか。
それは、ボールに対する自信と周りがしっかり見えているからです。
ボールを華麗に扱うことや、ドリブルで何人も抜くことがボール扱いの上手さではありません。
相手のプレッシャーを受けても、自分の思ったところに相手に奪われずにボールを運ぶことやパスを出すこと。
これがボールに対する自信です。
相手のプレッシャーを受けても、自信を持ってプレー出来ること。
これは、相手との競り合いの強さだけでなく、トラップ・キック・ドリブルのスキルに自信がないと出来ないことです。
ファイター(戦う)タイプでも冷静なプレー
そして、何よりも熊谷選手が他の選手より優れているところは、相手との激しいバトルを繰り広げながらも「冷静なプレー」が出来ることです。
少年サッカーでも、激しいだけの選手を見ることがあります。
激しいだけの選手は、相手との競り合いに勝てても視野が狭かったりプレーが雑になりがちです。
相手との戦いは「熱く!」
プレーと判断は「冷静に」
これは、小学生の時期から身につけたいですね。
熊谷選手は、ペナルティキックも実に冷静に決めます。
テクニックだけでなく、心をコントロールする能力も優れているのでしょう。
基本に忠実なプレーをする女子サッカー選手の中でも、常に安定したプレーをする熊谷選手。
お手本とする選手のひとりに加えましょう!
少年サッカーでは、女子サッカーをお手本とすることで基本をしっかり学ぶことが出来ます。
ぜひ、女子サッカーのゲームもたくさん見てくださいね。
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。
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