少年サッカーにおけるヘディングの位置づけ

三浦直弥 練習法

三浦です。

日本代表の親善試合を見ることができて、サッカーが戻ってきたなという実感が湧きました。

今年始めての代表戦です。

カメルーン戦では、ヨーロッパ組の選手がズラッと並びました。

注目の久保選手も途中出場して、終了間際のFKが実に惜しかったです。

結果はドロー。

そして、先日のコートジボワール戦。

先発は若手中心でした。

久保選手も先発。

カメルーンもコートジボワールも身体能力が高く、日本代表は1対1の対人プレーで勝てない場面もありました。

遠藤航選手は果敢に戦い、代表選手の中ではもっとも対人プレーに強いという評価でした。

この試合を決めたのは、植田直通選手のヘディングでした。

柴崎選手のFKに数人が飛び込みましたが、とらえたのは植田選手。

キーパーの手をすり抜けた、威力あるヘディングシュートでした。

毎日毎日、ヘディング練習してきた甲斐があったという植田選手。

嬉しそうでした。

少年サッカーにおけるヘディングの位置づけ

小学生のサッカーでは、発育発達段階ということで、激しいヘディングのトレーニングはすべきではないという考え方があります。

  • 高校サッカーの練習で行うような強いボールをヘディングで合わせるような練習
  • 間近の強烈なシュートをヘディングでクリアーするような練習

は行うべきではないでしょう。

少年サッカーの多くの指導者は、心得ているはずです。

だからといって、ヘディングをしないでいい理由にはなりません。

小学生の苦手なプレーの1位は、実はヘディングだからです。

頭でのリフティングも苦手ですよね。

頭を使ってボールをコントロールすることや、飛んでくるボールの落下点に入ってヘディングする「空間認知能力」は、小学生だからこそ身につけやすいとも言えます。

ボールの強さをコントロールして、ヘディング練習を行うことがコツです。

ヘディングが苦手な理由とは

ヘディングが苦手な選手の多くは、ボールを怖がっています。

ボールが頭に当たることが怖いのではなく、顔に当たることが怖いのです。

ボールが顔に近づいてくるとのけぞってしまう選手が多いですが、顔を守ろうとする反射的な動きと恐怖感からくる動きは別です。

おでこでしっかり捉えると意外に痛くないことに気づくと選手たちは、ヘディングが面白くなってきて、自分から練習したくなります。

  • 怖さに打ち勝つのではなく、正しく当てれば痛くない。
  • ボールが顔に近づいてきても怖くなくなる。

そんな経験を積むと、ヘディングに慣れてきます。

そうなれば、上達曲線がググっと上昇していきます。

ヘディング恐怖症は伝染るのか

長いこと指導していると、学年ごとにヘディングの優劣を感じることがあります。

ある学年のことです。

1,2年生でサッカーを始めた同級生たちの中に、ヘディングがすごく苦手な選手がいました。

とにかくヘディングが怖いという雰囲気を出しまくります。

  • ヘディングは怖いもの
  • ヘディングは痛いもの

コーチとしては、手で放おったボールをヘディングで返すような練習しかできませんでした。

  • 足で蹴ったボールをヘディングする
  • ゴールキックをヘディングで返す

ようなプレーはほとんど見られません。

強制しても、サッカーが嫌いになったら元も子もない。

そう思っていましたが、4年生になってもヘディング苦手のまま。

しかも、その学年(8人ほど)が全員です。

怖い→練習しない→出来ない→年月がたっても出来ない

こういう悪循環の結果、下級生に対してミスを見られたくないのでヘディングしないという状況になってしまったのです。

ミスが怖いからヘディングしない。

どうでしょうか、この悪循環を感じている選手やチームがあるのではないでしょうか。

悪循環を断ち切る練習

このヘディング恐怖症・ミス恐怖症を治すためには、練習しか方法がありません。

中学生になっても、ヘディングが出来ない選手になってしまいます。

そうすれば、サッカーを続けることも難しくなるでしょう。

方法は、正しいフォームを身につけることから始まります。

そして、ボールと選手の間隔を、大げさに言えば10センチ単位で広げていきます。

正面からくるボールは、ボールを投げる人とボールが一緒に見えるのでヘディングしやすいです。

しかし、空中に舞い上がったボールは空しか見えません。

この状態のボールを、ヘディング出来るようになることが「上達への道」です。

さらに、立ち止まったままの姿勢でのヘディングから、走りながらのヘディングに移行すること。

これが大事です。

ボールは手で投げてあげますが、このボールの投げ方にもコツがあります。

相手の頭を目掛けるのではなく、頭の1~2m上を狙って弧を描くように投げます。

コーチが投げるとヘディング出来るけど、仲間のボールはヘディングしにくいということがあります。

投げることも技術ですね。

練習しましょう。

試合を想定した練習

空中のボールを、走りながらヘディング出来るようになること。

これが目的ですが、さらにもうワンステップあります。

それは、「競り合い」です。

試合ではヘディングの競り合いがありますが、小学生の場合はそれほど激しくないです。

しかし、すぐ近くに相手がいると思うだけで、ヘディングが出来なくなってしまう。

そんな場面があります。

そんな苦手意識を克服するための練習が、「割り込みヘディング」です。

  1. 2,3人が2m間隔で立ちます。
  2. コーチが、その中にボールを放り投げます。
  3. 2,3m離れたところから、その中に入ってヘディングします。

立っているだけの人は、カカトを上げるくらいだけの動きしかしません。

ボールばかり見ていると、相手にぶつかるという怖さがあります。

なので、最初は1人、2人を立たせるだけという状態からスタートします。

相手にぶつからないでヘディングするのではなく、ぶつかってもヘディングできるようになること。

これが大事です。

ボールを見続けないと落下点がわからない。

しかし、相手を見ないわけにはいかない。

間接視野で相手の位置を見るという感覚がわかってくるようです。

  • ヘディングは怖くない。
  • ヘディングは楽しい。

頑張りましょう!

この記事を書いた人三浦直弥三浦直弥
小学4年生からサッカーを始め、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しみつつ、大学生の頃からコーチングの道を歩み始め、指導の楽しさも知る。現在アラフィフのサッカーマンである。理論派でありながら熱い血潮を持つタイプ。サッカーの本質を突く指導がモットー。現在は、東京都のある街クラブでヘッドコーチを努めている。
好きな選手は故クライフ、そして自分の姓と同じ三浦カズ!好きな指導者は、森保監督の育ての親とも言えるオフト、そしてオシム。座右の銘は「諦めたらノーチャンス」。チーム運営や保護者対応などにも詳しく、近年はメルマガやブログへの寄稿活動も行っている。