トラップの名手は異常な早さでボールの落下点(軌道)を知る

鈴木陽二郎 講師

YJRです

前回、小野伸二選手は成功の基準を網羅している!

言い換えると「成功の基準があるからこそ、あのような上手いトラップが出来る」と捉えてる事ができます。

我々は局所的なテクニックに目が行きがちです。

しかし、成功させている考え方や捉え方を知ると「テクニックを成功させる」理由が見えきます。

ですので、小野伸二選手のプレーを成功させる「捉え方」を知ることができることがとても重要だと思います。

この辺りは、上手い人と上手くいかない人の差であると思います。

なぜなら、人間は認識した形になる性質をもっているからです。

上手い人は、上手くいく行動を作る認識していて上手くいかない人は、上手くいかない行動を作る認識をしています。

小野選手のお話は「典型的な上手くいく行動を作る認識のお話」でとても貴重だと感じました。

個人的にも、小野伸二選手のテクニックを伝えたいのではなく、捉え方を知ってほしかったです。

是非参考にして頂きたい小野伸二選手の捉え方です。

ボールの軌道をいち早く理解し対応している

過去記事にも小野伸二選手に触れているものがあります。

自分が一番成功するボールとの距離感・スキマとは

https://twitter.com/Chanathipjay/status/1429682711925383169?s=20&t=hBvYRZD4RSkHoDlMlUxTbg

現川崎のチャナティップ選手との動画です。

2人のシルエットに注目し見比べてください。

小野伸二選手の方が、チャナティップ選手に比べると

・頭の位置が上下が少ない

・スキマがある(ボールと体に一定の距離がある)

チャナティップ選手はボールを止める、蹴るの際に頭も一緒に動いていて、力感を感じます。

対して、小野伸二選手は力感なく、ボールがそこにくるのがわかっているように振舞います。

スキマをあれだけ取れるという事は、ボールの軌道をいち早く理解し対応しているからだと感じます。

そのいち早い対応は、前回の記事で紹介した小野伸二選手の捉え方をお話しているコメントととても繋がると感じます。

チャナティップ選手はスキマがなくすこし差し込まれるような(窮屈な)形が多いです。

きっと、我々よりもボールの軌道を早くわかっているでしょうが、小野伸二選手と比べると遅く感じてしまいます。

逆に、小野伸二選手が早すぎるのかもしれません。

柿谷曜一朗選手もまた軌道の認知が早いのではないか

↑の中で、柿谷曜一朗選手の動画にも触れています

柿谷曜一朗選手も小野伸二選手同様に成功の基準を網羅していると思います。

柿谷曜一朗選手は、トラップする足を出すタイミングはパートナー選手よりも早いです。(準備が早い)

ということは、ボールの落下点(軌道)がわかっているから出せるわけであって、「認識の中心が目的地」の傾向が高いです。

柿谷選手は、ボールの落下点(軌道)をわかる事で準備が早くなり、体とボールの間に一定の距離を保つ(スキマ)ことができます。

逆に、パートナー選手は差し込まれてしまいスキマがありません。

スキマを保つことでトンもスムーズにできています。

パートナーの選手達もトップ選手ですが、頭の位置が変わったり、スキマがないのが見てとれます。

トップ選手の中でも、認識の中心が違う事によって、シルエットがかわるのだなと改めて感じました。

チャナティップ選手同様に、パートナーの選手がボールの軌道を認知するのが遅いのでなく、柿谷選手が異常に早いのだと感じます。

そして、柿谷曜一朗選手もまたトラップの名手としても有名です。

ボールの落下点(軌道)をいち早く認知する力がトラップには最も重要になるのかもしれませんね。

といっても

ボールの軌道をいち早く認知するのは、当たり前ですがボールだけを見る、ボールだけを追うでは出来ません。

ボールの軌道はボールの未来ですので、未来を想像するしかありません。

これは凄く面白いのですが、ボールの軌道を認知が苦手な方は、目の前の物に集中してしまう傾向があります。

所謂、「認識の中心がボール」に強烈にセットされてしまう状態です。

これは、サッカー経験者、未経験者関わりなく、ボールに捉われやすい方はそのようになります。

ただ、視力が悪い方や乱視の方など、目のピントが合いづらい方は難しいようですね。

けれど、目が原因だと知ることができると、「目が悪いから早くわかるように準備しよう」認識がかわりやすいのもあります。

色々な要素が絡み合ってきますが、「ボールの軌道を知る」という基準を作ると、色々な側面からアプローチがしやすくなるのは間違いないと思います。

色々な方法で、「ボールの軌道を知る」のが早いのか、遅いのか自分で知ることでまた対応もかわります。

「早くするにはどうしたらいいか?」などの方法や、「遅いのは何故なのか?」原因など話にもどんどん膨らみます。

それらを色々と繋げる(リンク)事で、新しい世界が見えてくると思います。

上手くいかない方は、上手くいかない行動を作る認識をしていると前述しました。

上手くいかない行動を作る認識のまま技術トレーニングをしても上手くいかないままになる可能性は高いです。

まず、自分自身を知ることから始めてみましょう。

これは、今までの自分の常識を知り、それを変えていく作業になります。

なぜなら、変わらないと、上手くいかないままです。だからまず自分を知ることからスタートです。

この記事を書いた人鈴木 陽二郎鈴木 陽二郎
(株)エフネットスポーツ
FFCカレッジフットサルリーグ担当
新しい概念を吹き込んで上達に導く“フットボールコンセプター”
今まで、小学生から社会人まで男女を問わずフットボールを教えてきた。また、その理論や新しい概念(コンセプト)を提案して上達させるアプローチはプロにも評価されおり、現役Jリーガーからのサポート依頼は絶えることがない。育成においては、2014年よりキックの上達に特化した「蹴り方教室」主宰し、社会人をはじめ、小学生から大学生チームを指導して、数時間で「ボールの球筋が格段に変化する」「メニューをこなしていくと、自然に考える力と技術が身につく」など、すぐに圧倒的な結果が出る事例多数。また、「概念を変えることでプレーが上手くなる」という上達アプローチは、多くの指導者に影響を与え、日本代表の長友佑都選手の専属コーチである鬼木祐輔コーチなど、多くの優秀な指導者から絶大な支持を受けている。
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