近年よく使われるようになった『サッカー脳』って何なのでしょうか?

檜垣裕志

サッカー脳とは言わない

近年、「サッカー脳」という言葉が取り上げられていますが、ブラジルにはそんな言葉はないし、いちいち「サッカー脳」という言葉が取り上げられること自体、サッカーに対する知識や考え方の基礎がないということです。

サッカー脳という言葉は、結局のところ、サッカーという競技に対してより良い判断や決断ができることで、それらは、サッカーという競技の基礎基本を知らないと、正しく実行はできないのです。

サッカーの基礎基本を知る必要がある

サッカーという競技スポーツは、勝負であり、勝つためには相手より多く得点し、相手より少ない失点でなければなりません。

これって当たり前の話なのですが、その意味を本質的に知らないといけません。

  • 自分たちにボールがあれば、そのボールはゴールするため
  • 相手にボールがあれば、そのボールはゴールさせないため

ということを、しっかりとわかる必要があります。

蹴って走るは間違いなのか?

育成年代のサッカーに限らず、とりあえず蹴って走るというサッカーがあります。

「ゴールするため」を考えたときに、それが正しいことは多々あります。

なぜなら、ゴールするためにそれを行なっているからです。

例えば、相手が自分たちよりフィジカル的に劣っていれば、このやり方は間違いなく得点の確率は高いでしょう。

しかし、問題はその試合運びではなく、普段の指導や練習から個を伸ばすことを怠り、大人の考えだけでフィジカル重視で「蹴って走る」は意味がないということです。

ドリブル、フェイント?

「蹴って走るサッカー」などのフィジカルサッカーを単純に否定し、部分的にしか見ていない小手先の技術が取り上げられていることも、日本にはたくさんあります。

サッカーの状況関係なく、ドリブルやフェイントなどをやるって、サッカー脳という言葉で言うなら、頭が悪いと言わざるを得ないですね。

ましてや、そんなことをしてミスをしてゴールされたりなんかしたら、最悪です。

そのドリブルやフェイント、いつどんな時に意味があるのかをわかってなければいけないです。

さらには、その前に身につけなければいけない基礎技術があり、それを正しく身につけておかない限り、そんなドリブルやフェイントは相手が上なら通用しません。

動き方?

ドリブルやフェイントの指導以外にも、動き方などの指導もあったりしますよね。

  • ドリブル
  • フェイント
  • 動き方
  • ポジショニング

などなど、ある意味どれも正しいかもしれません。

しかし、すべてにおいて基礎基本がなければ、すべてが小手先であり、相手が自分より上手ければ通用しないのです。

その一部分を切り取って動き方を教えても、それこそ、基礎基本の「サッカー脳」がなければ全く意味がありません。

ミニゲームで判断は培われる

小学生の試合では、以前の11人制から8人制になり、ボールに触れる機会が増えるなど言われたりします。

が、実は、人数が少なくなることによりスペースができて、それこそフィジカル勝ちになりやすいです。

日本の小学生は良いサッカーをすると外国人が言ってたりしますが、それは、大人に支配された言いなりのサッカーであり、個々の技術や判断、感性や閃きとは違います。

もちろん、プロになるような選手は、年代関係なく個々に違いを見せていますが、大半は大人の指示に従ったサッカーです。

普段から自分自身と技術に向き合い、試合になれば攻守において、より良い判断力がなければなりません。

それを考えたら、ミニゲームには必要なことがたくさんあります。

むしろ、ミニゲームで培われない限り、これからも言いなりサッカーになるでしょう。

本当のサッカー脳とは?

サッカー脳という言葉で惹きつけたりしていることに、僕はプロとして、この言葉に非常に違和感を感じています。

その言葉によって、サッカーを知らない人に対して、騙すような行為でもあるからです。

サッカーの基礎基本に対して、全く触れることなく、「サッカー脳」なんて言うことは実におかしなことです。

単純にサッカー脳と言ってしまえば、プロサッカー選手は圧倒的に偏差値が高いということになりますよね。

そんな言葉に左右されずに、

  • 勝つために何ができるか
  • 勝つため何をすべきが
  • 必要な瞬間にできるかどうか

です。

そのために基礎基本のサッカー、基礎基本の技術というものを正しく理解していかねばなりません。

この記事を書いた人檜垣 裕志檜垣 裕志
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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