日本とブラジルの指導方法の違い
僕は、高校から日本でサッカーを始めました。
日本で三年、ブラジルで十年プレーし、ブラジルの一部リーグのプロサッカー選手にもなれました。
目次
サッカーの基本に違いはない
その僕自身が感じた日本とブラジルのサッカーには、ある意味いろいろな違いがあります。
しかし、サッカーの基礎基本においては、日本・ブラジル関係なく、世界中基礎基本は同じです。
なぜなら、
- ボール1個
- ゴール2個
- 自分以外の味方10人
- 敵11人
の中で、ゴールするため・ゴール守るための基礎基本は同じなはずです。
しかしながら、基礎基本を正しく理解せずに、それを複雑にしてしまうところに大きな問題があるのです。
ブラジルと日本のサッカー観の違い
サッカーの基礎基本においては世界中違いはなくても、サッカーに対する感覚には大きな違いを感じています。
ブラジルでは、サッカーと生活が密接につながっており、生まれたときからサッカーが目の前にあります。
毎日のようにサッカーがテレビから流れ、子どもたちは自然にサッカーを始めます。
そして、ミニゲームからサッカーを始め、ボールを持てば、そのボールは簡単に奪われてはいけないものと皆が理解しています。
そして、そのボールはゴールするため・ゴールさせないためにあることも、自然に理解しています。
それとは反対に日本では、あらゆることを教えなければならず、その教え方や指導方法によっては、個々の育成はまるっきり違ってきます。
このように、サッカーを取り巻く環境は全く違いますから、日本では正しい基礎基本の指導からしっかりとやらねばなりません。
日本とブラジルの指導の違い①
サッカーを取り巻く環境の違いから、ブラジルでは良い選手たちは自然に生まれてきます。
もちろん、日本でも良い選手は自然に生まれますが、その割合は全く違います。
それだけサッカーの環境・習慣・文化・歴史に大きな違いがあり、だからこそ日本では、大人が正しく指導しなければなりません。
日本とブラジルの指導の違い②
サッカーをすでに理解しているブラジルの子どもたちと、サッカーの理解がまだない日本の子どもたちとでは、指導の違いがあるのは当たり前です。
練習メニューというものに関しては、ブラジルも日本も違いはありませんが、ブラジルの子どもたちや選手たちがそれをやるのと、日本の子どもたちや選手たちがやるのとでは大きな違いがあります。
ブラジルの子どもたちや選手たちと、日本の子どもたちや選手たちとでは、サッカーの理解度に大きな差があります。
だからこそ日本では、指導内容がものすごく重要なのです。
練習メニューというものには、世界中大差ありません。
しかし、それを行う人は、日本とブラジルに大きく違いがあります。
ブラジルでは、個々がボールを奪われてはいけないものと、芯から理解しています。
日本でブラジル人のようなその感覚や意識を、最初から持っている人はどれだけいるでしょう。
ほとんどがそこまでの思いもないままにボールを触っているのですから、技術指導にはその指導者の指導が大きく関係してきます。
日本とブラジルの指導の違い③
強豪国では、子どもたちや選手たちが指導者とディスカッションしていたりします。
指導者の指示に対して、選手が「こう思う」と言えるのは、選手がサッカーへの理解度が日本とは違うからです。
日本の場合は、指導者も選手も理解度が低い場合があり、大人の言うことをただ聞かなきゃいけないという風潮があります。
それは、サッカーという競技への正しい基礎基本ということに対しての理解不足が招いているのです。
違いがあるのではなく、基礎基本を正しく理解しているか
結局は、はじまりに間違いがあれば、すべてにブレ、ズレが起こり、大きな違いを生み、間違いが繰り返されてしまうのです。
日本とブラジルの違い、日本と世界の指導の違いの前に「正しい基礎基本」を理解することから、はじめなければなりません。
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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