日本対ブラジルから見る日本の育成の問題点②
人間なら誰もが始めから持っている利き側という才能があります。
誰もが自然に利き側を中心に生活しているでしょう。
足だってそうです。
利き足が中心です。
しかし、日本の大人たちは必ず逆足、両足と言って、利き足中心を否定します。
ブラジルでは絶対にありません。
そこで、日本人とブラジル人にボールの持ち方の違いが生まれます。
「利き足でボールを持つ、ボールを奪われないために利き足にボールを置く」これがブラジル人には自然にあります。
日本では、ボールを持つ意識も、ボールを取られてはいけないという意識も子どもたちにはありません。
そんな中で、一番の才能である利き足も奪っているのが日本の大人たちの指導です。
世界一につながる感覚、技術さえも奪っているのです。
誰もが利き足中心だけど
日本対ブラジルの試合、日本人もブラジル人も利き足中心には違いありません。
しかし、ボールの持ち方は全く違います。
日本では、子どもの頃から両足、逆足とうるさく言われ、そのようなトレーニングばかりさせられていますから、人間本来の利き側中心であっても、ボールの持ち方は全く違うようになります。
ブラジル選手も日本で言われる両足、逆足も使っています。
しかし、ブラジル選手と日本選手では、ボールタッチ、ボールコントロール、身体の使い方、利き足の使い方、ボールの持ち方は全く別物です。
日本では、その部分を見極めた中で、両足、逆足と言ってる人たちはいませんから。
利き足からボールにチェックに行くブラジル選手、股抜きされる日本選手
この試合での比較でわかりやすい場面では、日本の選手たちはディフェンスでのチェックにも、左側のボールには左足、右側のボールには右足というように、身体が開いた状態から左右のボールに対して両足でボールに合わせています。
ブラジル選手はというと、ボールに対して常に利き足で合わせていますから、身体も開かずに、最短の時間、距離でボールに合わせて身体を動かしています。
だからこそ、球際も、ボールへの入り方も、自然かつ素早く反応出来ているのです。
日本選手はというと、両足、身体が開いた状態でボールに反応していますから、簡単に股抜きされていました。
攻守において、「利き足」というキーワードは絶対的な真理なのです。
利き足は、利き足だけではない
「利き足のポイント」という技術は、利き足だけという意味ではありません。
しかし、時として、悪い癖がある、良い癖をつけるために利き足だけでやらせるトレーニングが必要だったりします。
なぜそれが必要なのかと言うと、日本には、悪い癖をつけるようなことが多々あるからです。
ブラジル選手と日本選手の違いに「利き足」があるのではなく、「ボールを持てること」というサッカー選手としての一番重要なことに違いがあるのです。
ボールを持てる技術の重要性がわからないと、個は上手くなりません。
ボールを持てるとは、ドリブルとか、仕掛けるとか、そんな安易なことではありません。
ボールを持てる感覚、ボールを持てる技術があるからこそ、すべてのプレーにつながるのです。
小さい頃からボールを持てることの意味を知っているブラジル人は自身で判断できます。
ボールを持てることの重要性を知らない日本人は、自身で判断することを知らず、大人に言われたサッカーから、自分自身の判断のないサッカーを教えられているのですから。
ボールを持てるからサッカーは楽しい
ドリブルもパスも切り取った一部分からは、サッカー選手として上手くなることとは全く違います。
大人が一部分を切り取ったり、大人の頭の中のサッカーをさせようとしたり、それは本人を上手くさせることではありません。
サッカーという基礎基本の考え方、その中で自身でボールを持てることの重要性を正しく植え付けるために指導していかねば、本人が最大限に上手くなることにはつながりません。
ボールを持てる感覚、ボールを持てる技術に「正しい利き足の感覚と技術」は不可欠です。
ボールを持てるからサッカーは楽しいのですから。そのための一番の感覚は「利き足」からです。
「正しい利き足の使い方、正しい利き足の技術」そのスタートにブラジルと日本には大きな違いがあるのです。
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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