世界に通用する日本人選手①

檜垣裕志 講師

先ずは世界トップレベルのサッカーを見ることが一番重要ですね。

世界トップという感性があると、あらゆることを感じられます。

その感性ありきで、物事に向き合うと、良いか悪いか、正しいか間違っているかがわかります。

その気づきがないままに漠然と見ていると、それが良いことなのか、正しいことなのかがわからずに、悪い影響を大きく受けてしまうことがあります。

だからこそ、先ずは世界トップのサッカーを見ることは最も重要です。

世界のトップのサッカーも見た上で、Jリーグを見ることが大切なのです。

日本人と外国人のボールの持ち方

Jリーグを見ていつも思うのは、外国人選手と日本人選手のボールの持ち方の違いです。

ブラジル人選手とは、特に違いを感じます。

それだけ育ったサッカー環境の違いを感じます。

日本人は必ず両足指導を受けますからね。

両足指導を受けたことがない日本人はいないでしょう。

だから、必ずその癖はつきます。

久保建英選手、三笘薫選手が利き足指導を受けて、日本人とは違うような感覚、ボールの持ち方をしているように感じますが、ずっとブラジルでプレーしてきた僕からすると、彼らにもボールの持ち方に両足指導の名残りが感じられます。

利き足指導を受けた彼らであっても、その育成サッカーの大半は両足指導ですからね。

だから、やはり日本人のボールの持ち方だなと思ってしまいます。

ただし、利き足指導を受けたことによって、彼らのサッカーの成長に大きなプラスになっていることは間違いありません。

指導者がわかっているか

ボールの持ち方という観点から、指導者が個々を見抜くことが出来るかが重要です。

だからこそ、世界のトップレベルを基準に、ボールの持ち方の違いも感じながら見ていくことは、上手くなるためには非常に大切です。

好き嫌いの感情、主観的な見る目は、正しいことを見失いますから。

僕自身は、ブラジル代表選手たちともプレー経験がありますが、日本でプレーしていたブラジル人選手とも、ブラジルでのプレー経験があります。

だからこそ、世界トップや世界基準を常に考えています。

僕が一緒にプレーしたJリーグのチームに移籍したブラジル人選手たち

浦和レッズでMVPとなったポンテ、ネネー。

ガンバ大阪、京都パープルサンガなどで活躍したシジクレイ。

ベルマーレ平塚で活躍したシモン。

東京ヴェルディ(当時はヴェルディ川崎)の優勝に貢献したカピトン、ベンチーニョ。

アリタナは、京都パープルサンガ。

マルキーニョは、名古屋グランパスの前身のトヨタ自動車。

アンドラジーニャは、ガンバ大阪。

アシスは、FC東京。

カイオは、柏レイソル。

ペリクレスは、セレッソ大阪。

セルジオは、アルビレックス新潟。

思いつくままに書いてみましたが、忘れてしまっていることもあります…

そこから何が見えてくるのか

このような選手たちとのプレー経験もあるので、彼らには共通する基礎基本があることも知っています。

もちろん、Jリーグのプロ選手たちも基礎基本はあります。

ボールの持ち方ということに関しては、ブラジル人同士は似ているし、日本人同士もまた似ています。

ボールの持ち方がすべてと言っているわけではありませんよ。

サッカーは総合的な実力がすべてですから、例えば、相手のボールコントロールを圧倒するフィジカルがあれば、それはそれで相手に勝つことは出来ますから。

それでも、ボールの持ち方、ボールの置き場所、利き足ということから正しい指導、正しいトレーニングが出来れば、確実にプラスになることは間違いありません。

それこそ、世界で一番プレーしているのはブラジル人選手たちですから、証明されています。

また、久保建英選手、三笘薫選手も「利き足の指導」の重要性を証明しています。

先ずはボールの持ち方の違い

日本人選手と外国人選手のボールの持ち方に違いを感じてほしいです。

ボールの持ち方、ボールの置き場所、利き足の使い方。

日本人選手も利き足でプレーする割合は高いはずですよ。

しかし、なぜかボールの持ち方やボールの置き場所、ボールの運び方、利き足の使い方に違いがありますから。

日本人でボールの持ち方の良い選手とは?

日本では両足指導を受けたことがない人はいないでしょう。

しかし、左利きに寛容な部分があったりします。

その寛容度合いが高ければ高いほど、ボールの持ち方は良いです。

逆に、左利きも関係なく、両足指導を受けた場合、ボールの持ち方もボールの置き場所も、ボールの運び方も、右利き選手同様に良くないです。

僕の中で、ボールの持ち方が良いと感じる日本人選手は元日本代表の二人、名波浩選手と岩本輝雄選手です。

実際に、仕事で一緒にプレーしたことがあるからで、細部まで見ているので。

現役Jリーガーについては、それはまた改めてお話しましょう。

ボールの持ち方の違いを感じる

では、こういう見方はどうでしょう。

日本代表として活躍した二人を見てみてください。

ラモス選手、W杯でもプレーしたアレックス選手という二人の日本代表選手です。

彼らは日本国籍を取得したブラジル人です。

他の日本代表選手たちとは、ボールの持ち方は違います。

彼らは若いときに日本に来てプレーしていましたが、生まれも育ちもブラジルであり、ブラジルでサッカーを始め、ブラジルでサッカーを覚えたのですから。

ブラジルというサッカー環境で育ったことが原点にあるので、当然、日本人とはボールの持ち方に違いがあります。

ボールはゴールするため、ゴールさせないため、そのため、ボールは取られてはいけない、ボールを持てることの重要性を理解していれば、そこには「利き足のポイント」という言葉はピッタリと当てはまります。

②につづく

この記事を書いた人檜垣 裕志檜垣 裕志
1970年生まれ 石川県出身。ブラジル選手権一部リーグに所属するチーム。日本国籍者としてプロ契約した2人目のサッカー選手。ブラジル選手権一部リーグのポルトゲーザなどで活躍。当時、ゼ・ロベルト(2006 W杯ブラジル代表)とともにプレーをした経験もある。
FIFA(国際サッカー連盟)公認コーチライセンス、
CBF(ブラジルサッカー協会)公認コーチライセンスを保有
圧倒的なテクニックと確立された指導法には定評がある。現在、明光サッカースクール、東京スポーツレクリエーション専門学校などで、子どもたちにサッカーを指導している。
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