裏拍子ステップを身につけよう!
ドリブルやフェイントは、状況に合わせて得意なものをいくつか持っていると強いです。
その中で、最近たまに耳にするようになったのが、裏拍子ステップ、です。
この裏拍子ステップは、今までやっていた選手はいたでしょうけど、言語化されたのは、最近だと思います。
筆者の学生時代には、そのような言葉はなかったからです。
実際に、この裏拍子ステップをやってみると、確かに、相手ディフェンスの反応が遅れるのがわかりました。
そこで今回は、この裏拍子ステップ、について解説したいと思います。
目次
裏拍子ステップとは
裏拍子ステップとは、通常のステップのタイミングを表とした場合、その間のタイミングでステップを踏むことです。
例えば、ふつうドリブルをする時は、1,2,3回とボールを触りながら、1,2,3歩と進みます。
これを表拍子ステップとします。
裏拍子ステップは、1,2,3の中に、1,2,2.5、3と2回目のタッチと3回目のタッチとの間に、ステップを踏みます。
そうすることで、相手ディフェンスからすると、1,2,3のタイミングに合わせて対応しようとしたのに、タイミングを外されてしまいます。
オフェンスとしては、その外れたタイミングを利用して、ドリブルやシュート、パスで優位に立つことができます。
裏拍子ステップの3つのメリット
そんな裏拍子ステップの主なメリットは、以下の3つです。
- ドリブルでかわせる
- 通すコースを空けれる
- 相手に飛び込ませない
ドリブルでかわせる
裏拍子ステップを使えるようになると、ドリブルでかわせるようになります。
例えば、以下のような場面で有効です。
右利きの選手が左サイドで、相手ディフェンスと狭いスペースで1対1になった時、右足アウトを使って、裏拍子ステップを使うと、その狭いスペースを抜けて中に切り込めます。
相手ディフェンスからすると、急にスピードアップした感覚になり、置き去りにされてしまいます。
通すコースを空けれる
裏拍子ステップのメリットの2つ目は、通したいコースを空けれるということです。
例えば、前にシュートやパスをしたいとします。
しかし当然ながら、相手ディフェンスはその前のコースに入って、シュートやパスを防ぎにきます。
そんな時に、裏拍子ステップを使うと、相手より半歩ズレて、そのズレからシュートやパスができます。
シュートなら、左からカットインした後に、裏拍子ステップで中に半歩ずらして、シュート。
パスなら、バイタルエリアで、裏拍子ステップで半歩ずらして、クサビのパス。
こういった場面で、活用することができます。
前にディフェンスがいても、シュートやパスを成功させることができるスキル、ということです。
相手に飛び込ませない
裏拍子ステップは、ステップを変え、リズムを変化させる動きです。
もし、これで相手ディフェンスが抜かれることを恐れると、ボールを奪うタイミングがわからなくなります。
そして、相手ディフェンスは飛び込めなくなります。
オフェンスにとっては、相手が飛び込まないなら、余裕を持ってプレーができます。
特に、足の裏を使った裏拍子ステップは、相手を惑わす効果が高いです。
裏拍子ステップの3つの手順
では次に、裏拍子ステップを行う手順を説明します。
以下の3つの手順を踏みます。
- 普通のステップを見せる
- 半分のステップを使う
- 勢いをもって前にでる
普通のステップを見せる
まずは、普通にドリブルをします。
自分のリズムで、自然なテンポでステップを踏みます。
それが表拍子ステップになり、相手はそのリズムに合わせてきます。
半分のテンポで動作する
次に、表拍子ステップから、半分のテンポに変化をして動きます。
ドリブルの場合
ドリブルの時に、1回、2回と触るタイミングで、2回目を触らずに、ボールの手前ギリギリに足を着地させます。
そして、その着地した足で、2回目のボールをタッチします。
すると、裏拍子のステップでドリブルができます。
着地した足からボールタッチするので、通常のドリブルより半分のタイミングでステップが踏めます。
イメージとしては、躓きそうになるけど体勢を戻す、みたいな感じです。
この動きで、相手ディフェンスのタイミングが外れ、半歩抜けれます。
足の裏の場合
足の裏のコントロールでも、裏拍子ステップは使えます。
足の裏を使って、ケンケンのように下がります。
これが表拍子ステップです。
1回、2回とバックステップで下がる時に、2回目は、下がると同時に、ボールに触っている足でボールを前に押し出します。
これが、足の裏を使った裏拍子ステップです。
下がるテンポに合わせていた敵ディフェンスは、タイミングをずらされます。
勢いをもって前にでる
最後に、相手ディフェンスのタイミングをずらし、半歩抜けでることが出来たら、一気に抜け出します。
勢いをもって前にでます。
ここで勢いがないと、相手にすぐ反応され、半歩抜け出た意味がなくなります。
ドリブルではなく、パスやシュートで使う場合も、半歩抜け出た後は、すぐに次の動作へうつりましょう。
裏拍子ステップは、この最後の勢いの部分がとても大事です。
裏拍子ステップの練習法
次に、裏拍子ステップを身につける練習法を3つの手順に分けて説明します。
- フリーでトレーニング
- マーカーを使う
- 1対1
フリーでトレーニング
まずは、ボールのみを使って、フリーで裏拍子ステップを練習します。
上記で書いた、裏拍子ステップの3つの手順を参考に練習してみてください。
はじめは、形を意識して、次にタイミングやスピードを意識します。
1.2.3のタイミングで、3歩目を裏拍子ステップにした方がやりやすいでしょう。
マーカーを使う
次に、マーカーなどの障害物を敵ディフェンスに見立てて練習します。
フリーの場合と比べて、やりにくさは上がります。
慣れないうちは、マーカーとの間合いがつかめず、ステップを踏むのが早すぎて効果がなかったり、遅すぎてマーカーにぶつかったりすることもあります。
どのフェイントにも言えることですが、フェイントは相手との間合いが最も大切な要素です。
マーカーなどの障害物を利用する方法は、1人でもトレーニングできる方法なので、ここで基本的なステップを身につけておきましょう。
1対1
最後に、対人トレーニングでより実践に近い形で仕上げていきましょう。
対人トレーニングは、2パターン用意します。
敵ディフェンスが、ボールを取りに来ないパターン、と、ボールを取りにくるパターン、です。
ボールを取りに来ないパターン
マーカーを使った裏拍子ステップのパターンと一緒で、敵ディフェンスはボールを取りにきません。
敵ディフェンスには、ボールを取りに来るフリ、ついてくるフリをしてもらいます。
障害物と違って、人が立つことでより実践に近い感覚で練習できます。
裏拍子ステップを出すタイミングや抜け出る時の、敵の反応を見ながら練習します。
敵役の人に、裏拍子ステップを体感した感想を聞いていみるのも良いでしょう。
ボールを取りに来る
次に、ディフェンスが本気でボールを取りに来る1対1をします。
裏拍子ステップだけを狙っていれば、読まれてとられてしまうので、裏拍子ステップだけではなく、色々なドリブルを駆使します。
その中で、どの状況やタイミングで裏拍子ステップを使うのが有効なのか、経験していきます。
それが終われば、あとは試合で試すことです。
試合でも同じように、状況やタイミングを判断することが大切です。
色々と思考錯誤しないと、良い感覚はつかめません。
なので、失敗を恐れず、というより、むしろ多くの失敗をするために、どんどんトライしましょう。
失敗パターンが出尽くした時、裏拍子ステップを使うベストタイミングをつかむことができます。
まとめ
まとめると、裏拍子ステップは、リズムを変えることで、ドリブルやシュート、パスを成功させるスキルです。
裏拍子ステップのメリットは、3つあります。
- ドリブルでかわせる
- 通すコースを空けれる
- 相手に飛び込ませない
そして、手順としては、次の3つです。
- 普通のステップを見せる
- 半分のステップを使う
- 勢いをもって前にでる
裏拍子ステップの練習法は、次の3つの順序で行います。
- フリーでトレーニング
- マーカーを使う
- 1対1
裏拍子ステップは、色々な局面で使いやすいですし、うまく使えば決定的なプレーにつながります。
今回の記事を参考に、裏拍子ステップを身につけて、決定的なプレーでチームに貢献してください!
サッカーを小学生からはじめ、中、高校、大学と部活動に参加する。社会人では市リーグに所属し、サッカーを続ける。社会人になってからは、フットサルもプレーする。様々なチームでプレーする中で、指導的な立場も経験し、その中で上達法や楽しみ方などを伝えるようになる。40代2歳息子の父。主なポジション:ハーフ、サイドバック、好きな選手:イニエスタ、メッシ、好きな監督:岡田武
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