ボールの持ちすぎ
小学生のサッカーは学年ごとにカテゴリーが別れていてそれぞれの大会があって羨ましいという話を聞きました。
野球やバスケットボールを行っている子供の保護者からです。
たしかにサッカーはコートの大きさを変えればどんな年代にも対応できる柔軟なスポーツです。
ゴールもミニゴールを使うことで人数にこだわることもなく自由に大会を行うことも出来ます。
ウチのチームの地域では、小学3年生以下を対象に5人制ミニサッカー大会というものも行われていますが実に白熱したゲームになります。
■人とボールの関係
低学年は「人とボール」の関係、中学年は「人とボールと相手」高学年は「人とボールと相手と敵」というように、技術レベルを分ける考え方があります。
3年生以下だと、人とボールの関係がしっかり出来ているかという部分に注目します。
人とボールと言えばドリブルの個人技術ですね。
しかし、スペースをドリブルでボールを運びゴールを目指してシュートを打つ。
このシンプルなプレーがなかなか出来ないのもこの年代です。
ボールを持っている選手に敵味方が群がるので、ドリブラーはスペースに向かうどころか、敵を抜かないとゴールに近づけません。
普通の選手は相手ゴールに向かってドリブルしますが、ドリブルに自信があったり、まわりが見える選手は相手ゴールと逆方向に向かってドリブルをして、集団がバラけたところでターンするという技を見せます。
こういう発想はコーチが教えるものではなく、自分で発想するか上級生がやっている様子を見てマネするところに意味があると思います。
■ボールの持ちすぎ?判断?
このような学年の指導にあたるコーチから相談を受けることがあります。
相談の内容は「ボールの持ちすぎ」です。
ドリブルを好きなだけさせた方がドリブル技術は伸びると思うがパスを選択した方がよい場面でもドリブルする事についてどう指導したらよいか。
まわりが見えなくてパスしないのか、パスミスが怖くてパスをしないのか、パスミスをするなら自分でシュートまで持っていった方がよいという考え方なのか。
私は、選手の個性や技術レベルによってアドバイスが変わってくると答えました。
そして、こういうケースもあると付け加えました。
明らかにまわりが見えていて、フリーの味方がよい位置にいるにもかかわらずドリブルする選手に、その理由を聞いた時の事です。
「いつもならパスするけど、今日はあの子がトラミスばかりして調子わるいのでパスしなかった」なかなかシュールな答えでした。
選手たちは選手どうしを意外によく見ています。
特に個人技術が上手か下手かという場面はよく見ています。
■もっと見て欲しい味方のプレー
ドリブルがある程度上達してくるとボールに対する自信がついて来ます。
ボールを要求して、パスで味方にボールをつないでいくという発想が出来るようになるとサッカーはもっと楽しくなります。
その時に見て欲しいのは敵よりも味方のプレーです。
例えばフォワードへの縦パスです。
前を向いてシュートを打て!という意味なのか。
または、ポストプレーとしてリターンパスを意味しているのか、味方がボールを蹴って動いた瞬間に味方の意図がわかるようになるためには、味方の動きを見ることが必要です。
時には苦し紛れのパスを出して、相手より先に触ってくれ!というメッセージもあるでしょう。
■メッセージを込めた動き=コミュニケーション
パスがつながらないという問題解決のひとつとしてパスの精度を上げるのではなく、声をかけあう、互いの目を見るというコミュニケーション力を高めるというものがあります。
パスというものは、正確さよりもタイミングが大切な場面も多いものです。足もとへの要求なのか、スペースへの要求なのかパスしたボールにメッセージを込めることも大切です。
パスの受け手も足もとなのかスペースなのかをジェスチャーで味方に伝えることも大切です。
パスの出し手、受け手のコミュニケーションが一致することでパスが成功するのですが、トレーニング方法はチーム内での練習と対外試合を重ねていくしかありません。
最近思うことは、サッカーの技術は薄紙を重ねていくように積み上げていって、いつの間にか1センチの厚みになりいつの間にか、10センチの束になるという積み重ねだと感じます。
皆さんは今週、何ミリ、何センチ積み上げることが出来ましたか。
正しい位置に積み上げていけば崩れることはありません。
偏った位置に積み上げるとバランスが崩れることもあります。
正しい方法をコツコツと積み上げることが大切ですね。
そのような選手に育てることが私たち指導者だと感じています。
暑い夏に向かいますが、体調を整えて頑張りましょう!
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