戦い方よりも、戦える選手を指導していく
全国的に梅雨が開けて、これからが夏本番ですね。
猛暑列島でサッカーをする少年たちの頑張りは素晴らしいですがくれぐれも事故は避けたいもの。
指導者としては、選手たちの様子を見ながら練習の強度や休憩を入れるように配慮していますが、基本は選手の自己管理です。
選手に出来ることは、体を休めることと、よい睡眠を十分にとること。
好き嫌いなく栄養のあるものを食べること。
そして、計画的に水分をとることです。
日本ではどうしても夏場の大会や試合は避けられません。
暑さに強くなることも、サッカー選手には必要です。
短期間でなく、数年に渡って夏場を経験していくと暑さに強い選手になると思います。
小学生で、まだサッカーを始めたばかりで夏が始めてという選手はあまり無理をせずに、暑さに慣れるという意識で練習してもよいと思います。
さて、暑い夏のニュースとして、代表監督も熱い人物に決定したようですね。
アギーレ氏がザッケローニ氏の後任として代表監督に正式に就任しました。
選手の顔色を伺うようなことはしない、有名選手でも自分のサッカーに合わなければ招集しない、攻撃よりも守備を固めることが必要・・・
マスコミもアギーレ氏の情報収集に躍起ですが、私は監督交代の時にいつも思うことがあります。
育成年代の子供たちである小・中学生については、担当コーチが6年間おなじということはありません。
おおよそ2年間ぐらいでどんどん変わり、進学先やクラブなどでも変わって行くものです。
同じチーム内なら、学年が上がって担当コーチが変わるときにコーチ同士がいわゆる申し送りというリレーをするものです。
小学校卒業から中学校進学でも同じクラブチームならリレーをします。
部活に進む場合でも、これまでの指導方針や選手の特徴などを伝えるようにしています。
これは、選手の育成のために必要だと思うのでやっていることなのですが、日本代表の場合は4年でリセットされているように思えます。
もちろん、日本のサッカー選手の代表ですから、4年かけて育成ということはありえません。チームとして選手として戦える集団として磨きをかけていくことが代表チーム監督の役割だと思います。
外国人監督が就任するたびに、前監督とは違った路線で代表チームがプレーして来ました。
唯一、攻撃面では、あのオフト監督時代から日本人選手の技術を活かしたパスをつなぐサッカーがスタートし、オシム前監督の時代も、ザッケローニ前監督の時代もパスサッカーが主体でした。
アギーレ氏もおそらく攻撃面ではメキシコ流の個人技とスピードを活かしたサッカーを継承すると思われますが、興味深いことは守備重視という点です。
日本サッカーは国際的に見れば、まだまだ守備が強いとは言えません。
ゴールキーパーを始めとして、デフェンス4バックなら4人の能力、ボランチの守備能力は、ワールドカップ出場国でも下位グループだと思います。
アギーレ氏が抜擢された理由のひとつが、日本人と体格が変わらないメキシコで実績をあげたことです。
大きい選手を使わずに、しっかり守るサッカーというものをぜひ見てみたいと思います。
小・中学生のサッカーではどうしても攻撃重視の練習や試合内容になりがちですが、守備の基本を身につけ、しっかりした守備からの攻撃というプレーも、安定感をもたらすものです。
高校サッカーのトーナメント戦のように、守り切って1点差で勝ち抜くという攻撃のリスクを避ける守備サッカーには疑問がありますが、守備とは何かという日本には今までなかった考え方を示してくれるような気がします。
規律にも厳しく、サッカーは駆け引きが大切だ、日本人選手は、素直すぎるので駆け引きを教えたいというアギーレ氏。
なでしこのようにフェアプレーで世界一になるという日本人独特の良さもあるので、フェアプレーと駆け引きは両立させるいうことも興味があります。
オシム氏もジーコ氏もトルシエ氏もそしてザッケローニ氏も日本を知る、馴染むことから監督業がスタートしました。
日本人を理解したうえで、アギーレ流のサッカーを展開して欲しいと思います。
ワールドカップで一生も出来なかった日本のサッカーですが、戦い方ひとつで変わるという可能性を見出して欲しいというものが日本サッカー協会の考え方ですね。
私たち指導者は、戦い方よりも、戦える選手を指導していくことが使命です。
この夏休みも戦える選手作りに励みます。
暑さはこれからが本番ですが、体調管理に十分に気をつけて練習を続けて下さい。
ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら