「顔をあげる」という意識
4月、5月は全国少年サッカー大会地区予選が続きますね。
私のチームでも予選に備えて、週末は練習試合を行っています。
先週のメルマガでお伝えしたリトルなでしこの活躍の理由についてやはりサッカーは正確なキックが大切だとお伝えしました。
練習試合を指導していて思うのですが、やはり小学生はパスミスが多く、正確なキックを身につけるためには低学年からの積み上げが必要だと感じています。
そして、現在、トップチームとして戦っている6年生や5年生に対しても練習や試合レベルで継続して正確なキックの大切さを指導していかなければなりません。
先日の練習試合で気づいたことがあります。
中盤のある選手のことですが、とても正確なパスを出すことが出来ます。インステップ、インサイド、アウトサイドで正確なキックが出来る選手です。
その選手を観察していると、試合中に顔が上がっていて、視野が広いだけでなく視野の遠さも感じました。
ピッチ全体を見ているという感覚です。
その選手と話をしました。
コーチから顔を上げろ、ルックアップしろと言われるので顔を上げるようにしているという答えでした。
小学生らしい答えですが、顔を上げると何が見えると問いかけると面白い答えが帰って来ました。
最初の頃は、相手ばかり見えていたということです。
でも、しだいに味方が見えてきたと答えました。
つまり、気になるものが先に視野に入るということですね。
さらに、攻撃するためには味方にボールを繋がなければならないという事に気づき、味方の様子が見えるようになったということです。
味方が見えるようになったころから、正確なパスを出すという意識が出始めて正確にボールを蹴ることの大切さを知ったという事です。
技術の必要性という事についてあらためて考えさせられました。
正確な技術があるから回りが見えるということではなく、回りを見て必要性を感じて、技術を磨くという発想です。
さらに、その選手に問いかけました。
今は何をみようとしているという問いです。
すると、今は「スペース」が見えると言います。
スペースにパスを出して味方を走りこませたり、相手デフェンスの間に出来たギャップにパスを通したいと言います。
最後に、逆サイドのスペースにパスを出すために、ロングパスを正確に蹴れるようになりたいと答えてくれました。
リトルなでしこU17から学ぶことはキックの技術の高さだけでなく、「視野」を確保すること、回りを見ることについても参考になります。
例えば、リトルなでしこの選手たちがボールを持った時、相手選手2人に囲まれるという場面がいくつかありました。
リトルなでしこの選手は、プレッシャーを受けながらボールコントロールして顔を上げてパスコースを探しています。
なんでも無いように見えるこのプレーですが、ボールコントロールの技術と同時に顔を上げて回りを見るということが習慣になっていることに気づきます。
顔を上げることが出来るから、プレッシャーを受けながらもパスを成功させることが出来るということです。
私のチームでも、試合中に「顔をあげよう」というコーチングをすることがあります。
ボールを奪われないように必死にボールばかり見ているとなかなか顔が上がりません。
顔を上げるためにはトラップやキックの技術が必要です。
そして同時に、顔を上げる必要性を感じることも必要です。
なので、試合中でも「顔を上げよう、何が見える」という声がけをします。
もし、パスコースが見えていて出したパスが相手選手にひっかかってしまったということなら、パスの技術が問題です。
また、「顔をあげよう」という声をかけなければならない状況がなぜ起きるかと言うことも考える必要があります。
サッカーは、ボールを足で扱うので、視線は下に向けなければなりません。
しかし、パスコースを見るためには顔を上げるという動作が必要です。
基本練習で、向かいあってパス交換をするとき、また、コーンを使ってドリブルで左右にかわすという練習の場面などで、意識してボールから目を離して顔を上げるという事をトレーニングすることは、有効です。
私は練習で出来ないことを試合で求めないよう心がけているので、基本練習でも顔をあげて相手を見ようという声がけをします。
全日本少年サッカー大会の予選中のチームもあると思いますが、「顔をあげる」という事を意識するだけでも、チーム力がアップする可能性があります。
本大会出場に向けてお互いに頑張りましょう!
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