サッカーの本質から見るゾーンディフェンス
今回は、サッカーの本質からゾーンディフェンスを、考えていきたいと思います。
ボールコントロールが難しい
サッカーは、ボールを足で扱うスポーツなので、ボールコントロールが難しいです。
パスをするにしてもドリブルをするにしても、自分が思った通りのコースに動かすのは非常に難しいです。
また、手でボールを扱う競技に比べて、支点と力点までの距離が長いので、フォームがどうしても大きくなってしまいます。
このように、ボールを扱う難しさがあります。
なぜサッカーは人気なのか
では、なぜサッカーは、ゲームとしてこんなにバランスが取れているのでしょうか。世界中で人気を博していけるのでしょうか。
その答えは、ピッチの大きさにあります。
ピッチが大きいため、多少のミスをしても、それが許容されるようになっています。
フォームが大きくても、スペースがあるから大丈夫なんです。
サッカーは、ボールを扱う難しさを、ピッチの広さでカバーしバランスを取っているスポーツなんです。
守備はどうすればいいのか
では、守備としてはどういった戦略を取ればいいのか。
その答えは、ピッチを狭くすることです。
そして、ピッチを狭くする戦術こそが、ゾーンディフェンスです。
4-4-2のゾーンディフェンスを例にして、お話していきます。
4-4-2のゾーンディフェンス
相手攻撃側が、CBからSBにパスを出します。そうすると、守備側は一番近い選手が、ファーストディフェンダーとしてチェックをかけます。
そのDF選手との距離を埋めるように、他のDF選手が動き、連動して距離を詰めていきます。
このように、ボール周辺での密度を高めて、他のスペースを殺すのがゾーンディフェンスです。
この状況ですと、最終ラインとGK間のスペースと逆サイドのスペースは、死んだスペースとなります。
死んだスペースにするには、ファーストディフェンダーのクオリティが重要になります。
もし、サイドチェンジされると一気にピンチに陥るため、ファーストディフェンダーのクオリティは担保しなければなりません。
※ゾーンディフェンスでは、ボールにチャレンジする選手のクオリティが、成功の必須条件です。
解説者でよく、逆サイドのスペースは捨てるという表現がありますが、私はそれは間違っていると思っています。
ゾーンディフェンスは、逆サイドのスペースを殺しているんですね。デッドスペースにしているんです。
※素早いサイドチェンジをさせないという意識が重要になります。
それが分かる例をもう一つお話します。
ゾーンディフェンスが有効でない場合
相手陣内に、プレッシングをかけた場合ですね。
通常、現代サッカーでは、相手陣内ではマンツーマンが主流になっています。ゾーンは、ほとんど使われていないです。
※基本的に、相手ゴールに近づくほど、相手選手に基準を置くディフェンスをします。
その理由としては、以下の2つのポイントになります。
①オフサイドラインが、ハーフウェイラインから上がらないから
②相手GKが攻撃参加できるから
これによって、ゾーンディフェンスではスペースを消すことができなくなります。
仮に、ゾーンディフェンスをした時のことをお話します。
DFラインは、ハーフウェイライン付近にピン止めされてしまいます。
DFラインがピン止めされてしまうと、第二ラインもピン止めされます。
大体、最終ラインと第二ラインとの間隔は、最大20mとされています。
これ以上離れてしまうと、相手選手にスペースでボールを、自由に持たれてしまうことになります。
ですので、ハーフピッチの長さ53m-20m=30m以上のところで、ほぼ自由に相手選手にボールを持たれてしまうことになります。
となると、ゾーンディフェンスは機能しません。
上記で説明したように、ボールホルダーへのチェックは、ゾーンディフェンスの第一条件です。スペースを消すための第一条件になります。
かといって、ハーフウェイラインのオフサイドラインを無視して、ゾーンディフェンスを無理矢理仕掛けていくと、裏のスペースが空いてスペースができてしまうため、ゾーンディフェンスが機能しません。
深さが十分あるため、GKやCBを使って裏抜けの攻撃ができてしまいます。ですので、ゾーンディフェンスは有効ではありません。
スペースを消すことができないので、ゾーンディフェンスは使えないということです。
※相手選手が有効利用できるスペースを消すことができなければ、ゾーンディフェンスは機能しません。
逆に言えば、スペースを消せる状況であれば、ゾーンディフェンスは有効だということです。
まとめ
いかがでしょうか。まとめると、以下のようになります。
・サッカーはボールコントロールが非常に難しい
・それを補うためにピッチが広く取られている
・ゾーンディフェンスはピッチを狭くする戦術
今回の記事が、ゾーンディフェンスを考えるうえでの、参考になれば幸いです。
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