少年期の子どもたちに必要なスキルとは

三浦直弥 講師

こんにちは、三浦です。

数多くのスポーツの中からサッカーを選んだ子どもたちに、サッカーの楽しさを知ってもらおうと日々指導に取り組んでいます。

そんな中で、少年期の子どもたちに必要なスキルはやはり「キック」だなと痛感しています。キックが大事だと思う理由を紹介します。

サッカーとの出会い

少年たちは、不器用な足でボールを扱うことに慣れることからサッカーの練習が始まります。これは、ボールフィーリングというジャンルの練習になります。

ボールリフティングやドリブルなどひとりでもできるボールコントロールの練習もボールフィーリングの練習の一部です。

初めてサッカーをする子でも半年もすればボールに慣れてきます。試合をしてもしそうに見えますが、彼らはまだボールを追っているだけです。

私はこの子どもたちにもっとサッカーを楽しんでもらおうと考えています。この子たちは競技スポーツとしてのサッカーの入口にいます。競技スポーツとしてのサッカーとはどのようなものでしょうか。

競技スポーツとしてのサッカー

サッカースクールでなくサッカーチームを選ぶことは、サッカーの試合に出たいという動機です。つまり、競技スポーツとしてのサッカーを選択したわけです。

サッカーを始めたばかりの少年たちですが、競技スポーツとしてサッカーを続けているかぎりサッカーの試合で勝ち負けを経験することになります。

少年たちが試合で勝ちたいと思ったときにどんな指導ができるか。それが少年サッカーコーチの役割だと思っています。

試合で勝つためにはひとりだけの力でなくチームとしての力が必要なことを学びます。チームプレーやチームワークというものをサッカーを通して実体験します。

普段の生活では、ボールと自分は常に1対1の関係にありますが、試合になると8人で共有します。(8人制の場合)、いえ、相手チームを入れると16人でボール1個を扱うことになります。

自チームのボールを奪われないようにして相手ゴールにいれること、相手チームが持つボールを奪うこと、それを8人で行うこと。

これを体験する中で、自分にどんなスキルが必要か、肌で感じるようになります。

サッカーの本質とは

サッカーの試合経験を重ねると、試合に勝ちたい気持ちが高まってきます。この気持ちと同時に、試合で活躍したいと思うようになります。

勝ちたいことと活躍したいことがイコールにならないのが少年サッカーの難しさです。少年サッカーで活躍したいと思うプレーの1番はドリブルで相手を抜き去ることです。

応援する保護者もドリブル突破のシーンを見て歓声を上げるので、ドリブル突破が一番よいプレーだと勘違いするのでしょうか。

ドリブル突破はひとつの手段であり、それが相手ゴールを奪うことに繋がらなければフォア・ザ・チームのプレーにはなりません。

ドリブル突破は、スキルアップとしての効果はありますが、チームプレーとしての判断基準を持たないとサッカーの本質を見失うことになります。

少年サッカーの場合の本質に迫るためのスキルとはやはりキックです。

サッカーはフットボールである

私は指導者として少年たちにいろいろなスキルを教えていますが、やはりサッカーはフットボールというだけあってボールが蹴れないと何も始まらないなと思います。

パスやシュートという戦術的なスキルの前に、個人スキルとしてのキックが大事だと考えています。

ドリブルも大事なスキルであるが、広いコートでボールを運ぶためにはキックが重要です。

相手のゴールにボールを入れるためのシュートにしても、広いコートでボールを効率的に運ぶパスにしても基本となるスキルは「キック」です。

なんと言ってもボールは疲れることがありません。相手に奪われずにボールを相手ゴールに向かって運ぶだめには、ボールをどんどん移動させる必要があります。

ボールが移動するためには起点と終点に人が必要なので、それぞれの位置に走ります。ボールも人も動くのがサッカーです。人は足で走り、ボールはキックで移動します。

トラップかキックか

サッカーを始めたばかりの少年たちの試合を見ると、ボールを止められないのでボールがラインの外に出てばかりで試合になりません。ボールを追いかけるシーンがとても多いです。

これを見ると少年たちに重要なスキルは「トラップ」だと思うでしょう。トラップを指導して、トラップができるようになれば試合らしくなる。その考え方は間違っていません。

ただし、トラップはトラップだけのスキルでは成立しません。動いているボールがあってこそのトラップです。

短期的にトラップだけ集中的にトレーニングしても効果はないでしょう。長期的には、ボールを動かすこと、つまり、キックがよくならないとトラップも上達しません。

キックは繰り返し練習

足でボールを蹴るスキルは単純な繰り返し練習でしか身に付きません。不器用な足で丸いボールを正確に蹴るためには繰り返しの練習が必要です。

キックの繰り返し練習は、チーム練習でも自主練習でも行うことができます。インサイドやインステップを使って納得のいくキックができるまで繰り返し練習します。

相手がいなくてもできる練習は壁当てです。壁当ては疲れずに選手の相手をしてくれます。弱いボールには弱く、強いボールには強く跳ね返ってきます。

キックの繰り返し練習では、目的を決めて蹴ると言うよりも、同じ目的狙って連続して同じキックを繰り返すということが大事です。

ボールが当たる足の部位やフォームを意識して練習します。左右の足で練習をします。効き足はどちらか決めておきます。小学生年代では、まだ足の利き足がはっきりしない選手たちもいます。練習をするうちに利き足がわかるようになるでしょう。

ダイレクトキックを練習する

止めて蹴るという繰り返しだけではなく、ノートラップ、つまりダイレクトでボールを蹴る練習も行います。

向かってくるボールやバウンドするボールをしっかりミートするとすごくよく飛びます。試合でも必要に応じて使えるキックです。

対面でのキック練習でも、ダイレクトキックを練習します。向かってくるボールを見て軸足を踏み込み、蹴り足でインパクトします。弱すぎず、強すぎないキックが正確に相手に向かうように練習します。

バリエーションとして、パートナーのはるか向こうにターゲットを作って思い切り蹴る練習も効果的です。インサイドやインステップで飛距離を出す方法として試合で使えます。

止めたボールだと浮き球のロングキックが蹴れない選手でもこの練習ならボールの下に足がしっかり入るので遠くへ飛ばすことができます。

このキックは試合でも使えます。味方が下げたボールをダイレクトで前方に蹴ることだ大きく攻め入ることができます。

下げたボールを前方に蹴る、そのボールを拾ってまた前方に蹴る繰り返しで、トラップもショートパスもロングパスも自分のものにしていくことができます。

さいごに

少年サッカーの入口とサッカーの本質、そしてキックの大切さについて述べました。サッカーはチームで行うスポーツです。個人技術はチームプレーのために存在します。

少年たちは小学生でサッカーに出会ったあとに、いろいろなチームでプレーすることでしょう。どんなチームでも通用する個人技術を身につけることはとても大切なことです。

さまざまなスキルがある中で、やはり基本となるのはキックです。サッカーはボールを蹴るスポーツです。ボール1個あれば練習できます。2人いればキック練習ができます。

伸び悩んでいると感じた時、もう一度キックを見直してみませんか。しっかり蹴ること、思った距離、思った強さ、思った軌道で蹴ることに集中してみましょう。そのボールが仲間に届くことをイメージしましょう。

人から人へボールをつなぎ、ゴールを目指すのがサッカーです。サッカーを楽しみましょう!

 

 

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