小学生の体格差を埋めるプレースタイル

三浦直弥 講師

三浦です。

小学生にサッカーを指導していて感じることは、選手たちの発育発達の早さです。

特に高学年の成長スピードは目を見張るものがあり、第二次性徴期を迎える5、6年生は1年に身長が10センチも伸びる選手もいます。

もちろん個人差がありますが、実際に同じ学年でも10センチの身長差はザラにあります。

このような体格がよい選手たちは自然と体格を利用するプレーをするようになります。スピードとパワーを全面に出したプレーです。

一方で体格が小さい選手たちは体格の大きな選手に対してやりづらさを感じています。1対1で競り合う場面で勝てず、ルーズボールはあと一歩でマイボールにできません。

体格が小さい選手もいずれは身長が伸びるのですが、それまで待っていられません。小さい体格ながらもプレーを工夫する必要があります。

運動量でカバーする

1対1で勝てない場合は人数をかける必要があります。人数をかけるということは走る選手が増えますのでチームとして運動量が増えます。

攻撃では、1対1で仕掛けることが可能な場面でも、相手ディフェンダーが大きくてスピードがある場合はひとりで仕掛けても突破が難しいです。

この場合は2人で仕掛ける必要があります。2人での仕掛けと言えば壁パスです。ふたりの連携によって突破の確率が上がります。

守備では、体格のよい選手のドリブル突破を止めることが課題となります。トップスピードに乗る前に止めることが必要です。

素早いチャレンジと素早いカバーリングが必須になります。2人の間が間延びしないように距離を近く保ちます。ふたりの間が間延びしてしまうと1対1の繰り返しとなりカバーリングの意味が乏しくなります。

パスの出どころを押さえる

パスワークで突破されないためには、パスの出どころを押さえていくしか方法がありません。パスが出たあとに追ってもスピードではかなわないからです。

パスの出どころを見る判断力と素早く何度も寄せる運動量が必要になります。

しかもひとりで行うプレーではなく、2人、3人が連動してはじめて効果が上がるプレーです。

守備は組織的に行う

パスの出どころを押さえる方法は、1人や2人のプレーでは難しいです。3人が連動することでボールを奪取できます。やみくもにボールを追ってもボールを押さえることができなくなります。

まず、ボールを持っている相手に対してファーストディフェンダーがアプローチします。この時は押さえる意識はなくていいです。

目的と役割は、パスコースのひとつをカットすることです。パスコースを制限して、次のパスの行き先を狙います。

次のパスが出たら、受け手となる相手選手のトラップの瞬間を狙います。できればパスをインターセプトできるとよいですが、難しいでしょう。

トラップの瞬間を狙ってもかわされてしまうかも知れません。かわされても良いですが次のパスはインターセプトを狙います。

1本目のパスは制限をかけて、2本目で奪うか、3本目でインターセプトするか。

計画的な守備でボールを奪います。インターセプトは相手選手との接触が少ない状況でのボール奪取となるので体格の差は影響が少ないです。

体格差がある場合は、このような組織でのプレーが有効です。

攻撃ではスペースを味方につける

ボールを奪ったらゴールまで最短距離で攻撃したいところですが、体格差がある場合はボールを失わないことを意識することも大事です。

縦に急ぐと相手に捕まりやすいので、なるべくスペースにボールを運びます。

相手が寄ってきたらまたスペースにボールを運ぶという展開です。

スペースにボールを運ぶ方法はドリブルでもパスでも良いです。ドリブルスピードに自信がない場合はパスを使います。スペースにボールを出して味方に追いつかせます。

密集した状態でボールを持つと体格差でボールを失うことになりますので、なるべく密集しないことです。

まとめ

サッカーに限らずバスケットボールやバレーボールなど、球技の中にはどの年代であっても体格差が生じます。

小学生の年代で体格差を埋める方法を学ぶことで将来のプレーにもよい影響がると考えています。発育発達が早い選手の場合でも中学生になると仲間の成長が追いついて来て小学生年代ほど有利さを感じられなくなります。

発育発達の差をネガティブに考えることなく組織的なプレーを学ぶよい機会と捉えて練習しましょう。

 

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