「低学年チーム攻撃の課題」前に蹴るだけではなくボールとともに前進すること

三浦直弥 講師

こんにちは、三浦です。

GW前半は、高学年はリーグ戦、4年生以下は交流試合を行いました。

3月にチーム全体でシュートの集中練習をやったおかげで、シュートを打ちたいという意欲が現れています。
シュートチャンスは少ないですが、シュートを打つためにはシュートエリアにボールを運べるようにならないといけないと気づいています。

3月にシュートの集中練習をしなかったら、このような課題も生まれてこなかったかも知れません。

しかし、4年生以下チームには、シュートエリアにボールを運べるようになる以前の問題がありました。

前に蹴ることは攻撃することとは限らない

4年生以下チームの選手の中には、焦って無意味に前に蹴ってしまうプレーがありました。

ボールを持ってパスをしようとする気持ちはあるのですが、相手チームのプレッシャーを受けて焦ってしまい、自分のところで奪われたくないので、味方を確認せずにとりあえず前に蹴ってしまうという流れです。

とりあえず前に蹴ったボールは、相手チームに拾われて反撃を受けてしまいます。

今年のチームだけでなく、三浦が指導した以前のチームにもこのようなプレーは見られました。

現在の4年生以下チームは、試合に慣れていないための焦りが原因の部分もあります。

なので、ある程度試合経験を積んで、試合に慣れれば少しはよくなるでしょう。
しかし、試合だけでは解決しません、意識を変えることと練習が必要です。

ボールを追い越す動きが大切

選手たちが苦し紛れにボールを前方に蹴るとき、そこに味方はいません。
ボールを持った選手の前方に味方がいて、ボールを持った時に視野に入ればパスの対象になるでしょう。

味方がボールを持っていたら、そのボールを追い越す縦への走りでパスコースを作ることが可能です。
走りこむ先は、サイドのスペース、中央のスペース、たくさんあるはずです。

相手ゴール前に、ボールだけでなく人も動いていくことが大事です。
この意識を持つことが上達の第一歩です。

壁パスのトレーニングが基本

ボールを追い越す走りを練習する時に、最も適切な練習方法は壁パスです。
壁パスの練習では、パス&ゴーの動きが身につきます。

普段の練習で壁パスのトレーニングを行い、パスの出し手とリターンパスを返す選手のスキルを高めます。

パスの出し手は、パスを強めに正確に出すことと、パスを出しても足を止めずに、パスした足が1歩目になる足の運びで、いち早く前に走りこむことを課題にします。

リターンパスの選手は、走る選手の前のスペースにワンタッチでコントロールしやすいボールを返すことを課題にします。

チーム内の練習では全員がワンツーの出し手と受け手の両方をこなせるよう練習しますが、1ヶ月や2ヶ月で目に見える上達は難しいです。

コツコツ練習して、3ヶ月後くらいに全体のレベルが上がるようです。長い目で見ていきます。

高学年チームのパスワークを参考にする

2人で行う壁パスにプラスして、3人目、4人目の動きも練習します。
決して高度なものではありません。パターン攻撃の練習です。

コート中央で壁パスからのリターンパスをもらった選手から、さらにパスをもらえるように両サイドに走り込むものです。

小学生の試合では壁パスだけで局面が打開できることもありますが、壁パスをコート中央で成功させるととても目立ち、効果的な攻撃ができます。

例えば、センターサークル付近の壁パスで相手をひとり抜き去ると相手チームの選手がボールを奪おうと集まってきます。

するとサイドが空くことがあるので、ここでボールをサイドに振り、サイドからシュートを打つか、またはサイドからゴール前に折り返してシュートに持ち込むという攻撃パターンです。

低学年チームはこの成功イメージが持てないので、高学年チームのプレーを見て参考にします。

今、自分たちが取り組んでいる壁パスやパス&ゴー、そしてボールを持っている選手を追い越す動きを試合に近い形で行うとどのようになるのか、イメージを共有します。

高学年チームがハーフコートでフォーメーションプレーを繰り返す様子を見て、低学年の選手たちはいつか自分たちもこのようなプレーがしたいと思っているようです。

高学年の選手たちは、低学年が見ているのでミスできないと少し緊張気味です。

低学年の選手たちには、自分たちの1,2年後のプレーを見ておくことでモチベーション維持につながればいいと考えています。

さらに、低学年チームの課題である
「ボールをシュートエリアに運ぶこと」
「苦し紛れに前に蹴らないこと」
に取り組むきっかけになればいいです。

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