守備のアプローチの基本
三浦です。
なでしこジャパンが北朝鮮を2-1で破り、パリ五輪の切符を手にしました。
熊谷キャプテンが泣きそうな顔でインタビューに答えていたのが印象的です。
ぜひ、パリ五輪では金メダルを手にして欲しいですね。
さて、少年サッカーを指導していて、なでしこジャパンから学ぶものは多いのですが、昨夜の試合を見てやはり選手たちの守備がしっかりしていると感じました。
その守備の技術とは「アプローチ」です。
解説の矢野さんが、「今日はファーストディフェンダーがスムーズ決まっていますね」と言っていましたが、ファーストディフェンダーが決まるということは、北朝鮮のボール保持者にスムーズにアプローチできているということです。
三浦のチームでは、4月から新チームとなる小学5年生と4年生に基本を指導しています。
先週の練習では守備の基本であるアプローチの練習を行いました。
どのポジションでも必要な、守備の基本となる「アプローチ」のポイントを紹介します。
守備の第1歩はアプローチ
試合中に相手ボールとなった時、ファーストディフェンダーとして必須のプレーはボール保持者へのアプローチです。
アプローチとは相手チームのボール保持者に素早く寄せることですが、目的はボールを奪うことと同時に相手に近づいて自由を奪うことです。
ボールを奪うことだけにとらわれずに、相手に近づくことで相手の自由を奪うことになります。
サッカーを始めたばかりの選手はどうしてもボールを奪うことだけが目的になってしまいます。
ボールを奪うのは悪いことではありませんが、ボールに飛び込んでしまってあっさりかわされることが多くなります。
相手に近づくことで、相手はプレッシャーを感じます。
そこでボールコントロールをミスるかも知れません。
小学生の場合はこのプレッシャーでタッチミスが起きやすいです。
守備の第1歩は、ボールを持った相手に近づくことです。
近づかれると自由にパスを出せなくなりますし、自由にドリブルができなくなります。
相手との距離をつめる
相手が自由にプレーできない間合いを知ることが大事です。
どれくらい近づけばいいのか、これはレベルによって変わってくるので何メートルという数字では表せません。
自分がボールを持っている時にどこまで近づかれると嫌になるのか経験してみることも大事です。
遠過ぎるとプレッシャーを与えることはできません。
近すぎるとあっさりかわされます。
相手の動きに対応できて、プレッシャーを与えることができる距離がどれくらいなのか、ミニゲームなどで感じ取る必要があります。
自分ではプレッシャーをかけているつもりでも、周りから見ると離れ過ぎていることもあります。
周りの声で「もう少し寄って!」と声をかけてあげると気づきやすいです。
止まることを意識する
アプローチは素早く相手に寄ってしっかり止まることが大事です。
アプローチの指導をしているとうまく止まることができない選手を見かけます。
止まる時はピタッと止まらなければなりません。
なぜなら、止まらないと次の動きができないからです。
素早くダッシュして相手の前で止まっても、真横に動けなければあっさり置いていかれます。
止まった状態からでも素早く動き出しができるようになることが目標です。
止まるためのステップワーク
しっかり止まることができない選手には、2つの問題があります。
ひとつはステップが大きすぎることで、もうひとつは止まった時の重心です。
止まる前にはステップを細かくする必要があります。
相手に近づいた時にステップを細かくすると勢いを吸収することができます。
この時の重心は、カカトではなくつま先にかけます。
つま先で細かくステップすることで、すぐに動ける状態で止まることができます。
また、カカトで止まると次の動き出しができません。
つま先で止まることですぐに動ける状態になります。
ボールが動いている間に寄せる
細かいステップで相手の自由を奪える距離にしっかり止まれるようになるまで、繰り返し練習が必要です。
ある程度、細かいステップワークや止まった後のスムーズな動き出しができるようになったら、実戦練習に入ります。
シンプルな練習方法を紹介します。
選手は2人1組になり、10mほど離れて立たちます。
コーチは選手から10mほど離れた位置に立ちます。
選手2人とコーチは三角形になります。
コーチからどちらかの選手にパスを出します。
ボールが動いた瞬間にオフェンスとディフェンスが決まります。
オフェンスはボールをいったんキープして、コーチにリターンします。
ここではダイレクトで返しません。
ディフェンスはオフェンスにアプローチします。
ボールが動いている間にどれだけ寄せられるか。これがポイントです。
ボールがオフェンスにしっかり収まってからスタートするのではなく、コーチが蹴ったボールが動いている間にできるだけ寄せます。
ボールが動いている間に寄せるという動きが習慣化すれば、選手たちはステップアップします。
皆さんのプレーはどうでしょうか。
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