コンタクトスキルを身につけよう

三浦直弥 講師

三浦です。

小学生年代の指導では、パスやドリブルなどのボールコントロールを中心とした練習がメインになります。

しかし、いざ試合となると1対1の攻防となる「デュエル」の場面が多くなります。
デュエルの場面ではボディコンタクトを避けることができません。

サッカーに必要なスキルである「ボディコンタクト」について、少年サッカーではどのように捉えていけばよいのでしょうか。

ボディコンタクトの実際

ルールの中では、相手と肩と肩をぶつけ合うショルダーチャージが認められていますが、実際の試合ではショルダーだけでなく腰を当てるなど様々なボディコンタクトが見られます。

相手にボールを奪われないためのブロックや、相手の足もとにあるボールを奪うタックルなど、攻守ともに様々な動きの中で相手との接触あります。

体を当てることが目的ではない

相手に当たることがコンタクトプレーであると勘違いしている選手がいます。

ボールコントロールそっちのけで相手に当たってしまうプレーを見かけることがあります。
相手のバランスを崩すことに成功しても、自分もバランスを崩してしまっては元も子もありません。

次のプレーにつなげるためにはバランスを崩さないこと、バランス能力を高めることが大事です。相手に当たることが目的ではなく、相手にボールを奪われないために体を当てると理解した方がよいでしょう。

腕を上手に使う

相手に当たる前のプレーとして、相手とボールの間に体を入れるという動作が大事です。
体を入れるとは体幹そのものを入れるのですが、体幹を入れるためには足だけでなく腕の動きも大事です。

相手とボールの間に体を入れるときに、足と同時に腕を割り込ませるようにすると体幹部が入りやすくなります。

同時に、相手も目の前に腕や肩が入ってくると前に出られなくなります。
腕をうまく使うことでプレーの幅が広がります。

相手を手や腕で抑えることはファウルですが、腕を広げる時に相手にぶつかることもあるでしょう。

腕を広げて自分のプレーエリアを保持することはファウルではありません。

お尻を使う

肩を当てようとするとバランスを崩しやすいので、お尻をぶつけながら割り込ませるとバランスが崩れにくいです。

これは自分のボールを守る場面でも、相手のボールを奪う場面でも効果があります。
お尻の横にある大転子という骨盤の部位を使うことがポイントです。

ボディコンタクトが苦手な選手

選手の中にはこのようなコンタクトプレーが苦手な選手がいます。
体格が小さいことが理由の場合もありますが、相手とのコンタクト、つまり、接触が苦手な選手がいるものです。

ボールコントロールが上手い選手であっても、相手とのコンタクトが苦手なため、試合で思うようなプレーができずに消極的になってしまうことがあります。

このような選手の苦手意識を払拭するためには、メンタルに働きかける必要があります。

ここでボールを奪われたら、奪い返すために味方が苦労し、場合によってはシュートを打たれてしまうかもしれない。

自分にできることは、相手に自由にプレーさせないこと。
そのために相手にボールを触らせてはいけない。
相手とボールの間に体を入れてボールを守る。

このような勇気を持つことで、少しずつコンタクトプレーに慣れていくことが必要です。

コンタクトプレーは力ではない

コンタクトプレーは体格や力ではないことに気づいてもらう必要があります。
体格が小さい選手でも相手とボールの間に体を入れることができれば、相手はボールに触れることができないので、封じることができます。

試合では相手に押されてしまい、潰れることもあるでしょう。
しかし、それはファウルです。
次の場面では相手は手も足も出せない状態になっているでしょう。

小学生年代では、ひとつ上の学年の大きな選手との試合もあります。
体格差は発育発達の個人差なので、やがて追いつきます。
体格差や筋力に頼ったプレーをしていると基本スキルが身につきません。

小柄な選手であっても、キチンとボディコンタクトスキルを身につけて、大きな選手を相手にしてもひるまない選手になりましょう。

 

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