もし、右利きの僕が左サイドバックをやらされたら②

檜垣裕志 講師

★ブラジル代表のプロから学ぶ

以前、ブラジル代表でも活躍したバウドという選手がいました。

彼は右利きで中盤の選手でした。
ブラジル代表で左サイドプレーすることが多く、右足でボールを持ち、左に抜けてから左足のクロスも見たことがあります。

しかし、晩年の彼はボランチでプレーすることが多く、左足のクロスはもちろん、左足のパスも見たことはありません。

そんな彼が、チーム事情により左サイドバックをやる試合を見たことがありました。

そのプレースタイルは左サイドバックでも変わりません。
利き足の右足にボールを置き、右足でボールを持ち、右足でパスを供給していました。

左サイドバックだから左足でクロスを蹴らなくてはいけないのではありません。
プロは自分のプレースタイルでプレーするのがプロです。

★監督からの指示

もし、監督に左足で蹴れと言われたら僕はやりますよ(笑)

なぜなら、そのプレーを指示されなければいけないくらいに技術がないということでもあり、僕のプレースタイルを認めてもらえていないわけですから。

以前、僕がフォワードをやっていたときに監督から、もっと左足でシュートをしろと言われたことがありました。
そして、その紅白戦で左足でハットトリックしてからは何も言われなくなりましたが(笑)

要するに、利き足でボールを持ち、利き足にボールを置くという技術がまだまだで、監督からすれば利き足を使っているだけに見えたのでしょう。

僕としては、相手の逆を取り、切り返して左足シュートで三点決めただけで、利き足の技術はまだまだということだったわけです。

だからこそ、もっと利き足の技術を磨く必要がありました。
逆足というのは、利き足がちゃんとできるのであれば、逆足はそのイメージでやれば良いだけですから。

利き足をやればやるほど、ダブルタッチは簡単だし、切り返して逆足シュートもまた簡単だし、逆足クロスに持っていくことも容易です。

しかし、それは所詮その程度のレベルでのことなのです。

サッカーの技術で重要なことは、ただ蹴ることではありません。
ボールを持てる技術を正しく理解しなければなりません。

すべては、ボールを持てる技術ありきです。
それがないと、サッカーの真の楽しさはありません。

利き足でボールを持てるから、ボールを置けるから、ボールを持てるのです。
その技術を突き詰めてこそ、真の結果に繋がります。

ただ結果を求めるのではなく、真の利き足の技術を求め続けることができれば、最大限に上手くなることに必ず繋がります。

★利き手の理論

利き足の感覚は利き手と同じくらいに敏感です。

だからこそ、利き足をどんどん使っていくと感覚も上がっていきます。
利き手で字がきれいに書ける人は、逆の手で字を書いてもそれなりに書けるのは、脳がインプットしているからです。

利き足の技術が高い人は、逆足もまたそれなりにできます。
利き足の質を上げれば上げるほど、より良い感覚が脳にインプットされるので、逆足のことを考える必要はありません。

どのポジションでプレーしても、利き足でボールを持てる技術がすべてを救ってくれます。
逆の足で何かをしなければならないのではなく、利き足でボールを持って、ボールを取られなければ、必ず良いプレーに繋がります。

利き足の技術を上げることが一番重要です。

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