【少年サッカー】ゴールキーパーは低学年から全員に経験させたいポジション

スキルアップ 三浦直弥 練習法 講師

三浦です。

学年ごとの新チームを作る時には、必ずゴールキーパーを2人決めるようにしています。
少年サッカーにおいて、ゴールキーパー(以下GK)は特別なポジションです。

大人のサッカーにおいても特別なポジションですが、少年サッカー独自の特殊性があります。
その特殊性を埋めるためにいろいろな工夫をしています。

ゴールキーパーがいないと試合が出来ない

ご存知のように公式試合に限らず練習試合でも、GKがいないと試合が出来ません。

少年サッカーは8人制です。
GKを除いたフィールドプレーヤー7人は全員がフォワードでもミッドフィールドでもバックでも試合は出来ますが、唯一、コート内のペナルティエリア内のボールを手で扱えるのはGKだけです。

公式戦では大会本部に提出するメンバー票にポジションを記入しますが、フィールドプレーヤーは試合中でもポジションチェンジなど問題がありませんが、GKだけは簡単に変えることが出来ません。
レフリーに伝えて、一旦試合を止める必要があります。

野球のようにカチッとポジションが決まっているスポーツもありますが、バスケットボールやラグビー、バレーボールにはないポジションですね。

ハンドボールやアイスホッケーにもGKは必要ですね。

ゴールが設けられているスポーツには、ゴールの番人としてのプレーヤーが位置づけられていると言えるでしょう。

小学生のサッカーでは、体調の変化、怪我など不測の事態に備える必要があります。
GKも最低2人は確保する必要があります。

各学年で2人ずつという訳にはいきませんが、6年生のトップチームでは6年生キーパーと5年生キーパー、5年生チームには5年生キーパーと4年生キーパーという形で、学年をずらしながら確保しています。

GK不在のチームを担当した苦い経験

三浦がコーチになりたての頃に、突然4年生チームを担当することになりました。
そのチームにはちょっと前までGKがいましたが転勤で引っ越してしまい、GK不在となってしまいました。

4月という時期でしたので、公式戦を目の前に控えてチーム作りを始めた頃でした。

チーム全員に向かって、GKになりたい子がいるか聞きましたが、全員がなりたくないと答えました。

転勤で不在となった以前のGKはとても優秀だったので、彼のようなGKにはなれないという気持ちだったのでしょう。

「GKがいないと試合に出れないよ。練習試合も出来ない」

選手たちに事実だけを伝えましたが、立候補する気配はありません。
三浦がみずから指名してもよかったのですが、チーム内から推薦の声が上がらないかと待っていました。

すると何人かGK候補の名前が上がってきました。
フォワードやミッドフィールドの中でも得点を上げているような選手の名前は出てきません。

バック経験者の中から数名の名前が出来ました。

推薦された選手は乗り気ではありません。理由はふたつありました。

ひとつは親からGKにならないで欲しい、GKのせいで失点したら他の親に顔向け出来ないから、という理由でした。

もうひとつの理由は、フィールドプレーヤーとして期待されないからGKになればいいというチームメイトの考えを感じたからです。

三浦は思いました。

サッカーを始めたばかりの時期にGKに対する正しい理解がないとこういう発想が出てきてしまう。

これを直していくのは大変なこと。こういう考え方が生まれないような指導が大切だ。

その学年は、全員ローテーションでGKをすることにしてGKの気持ちややりがいを全員が共有し、半年後に自分からGKをやりたいという選手が現れ、GKが定着しました。

このチームにはいくつかのルールを作りました。

失点した時に絶対にGKのせいにしないこと、いいプレーをした時に「ナイスキーパー!」と声をかけてあげること。
当たり前のようですが、意識をすることが大事だと思いました。

このチームでGKに定着した選手のその後ですが、GKが好きになり中学に進学してもGKとして活躍していました。
なぜか身長も伸び、正キーパーとして活躍していました。

みずからやりたい子をGKにする

低学年の時期にミニゲームでゴールゲッターになる選手がいるものですが、そういう子はGKもやりたがるものです。

周囲の声は、「GKなんてもったいない」と言いますが、どんな発想なのか疑います。

チームメイトからも、「点を取る人がいなくなる!」という悲鳴があがりますが、それなら自分で点をとりなさいと返します。

得点能力のある選手の芽を摘んでしまうことにならないか、という意見もあるでしょう。

小学3,4年生までのサッカーでGKを経験することで将来もGKをするようになり、得点能力の芽が生かされないのでは?という危惧かも知れませんが、それは考え過ぎです。

GKをすることに抵抗がない選手、体を動かすことが好きで、GKのプレーを見様見真似(みようみまね)で覚えることが出来る能力の方が捨てがたいです。
その能力は将来、どんなポジションについても活かされることでしょう。

GKはカッコいいポジション

小学1年生からサッカーを始める子たちには、チーム全員にGKを経験させるようにしています。過去の苦い経験から、サッカーの始めたての時期にGKを経験させることがよいと考えたからです。

しかし、近年はGKは人気のポジションで、低学年の子供たちはほぼ全員キーパーグローブを持っています。
選手たちに聞くと、キーグロがカッコいいらしいのです。
たしかにデザインはカッコいいですが、キーパーそのものがカッコいいと思っているようです。

理由は、4年生チーム、5年生チーム、6年生チームのGKを見て「カッコいい」と思うらしいので、コーチから「GKを経験しなさい」と言う場面はほとんど無くなりました。

チームの環境づくりって代々受け継がれていくので、最初は大変ですが、後々効果が現れてきます。

GKは楽しい、やりがいのあるポジション

5年生、6年生になるとGKもやや専門性が出てきます。
三浦のチームでは、GK専門コーチがいるので、練習時間のうち1時間くらいはGKは別メニューになります。

このGKコーチの存在はとても重要です。
ジュニアユースチームなどでは、GKコーチがいるかいないかで試合内容がガラッと変わります。

GK経験者ではない三浦は、GK出身の専門コーチの言葉を聞くたび勉強になります。
そのコーチに言わせるとGKほど面白いポジションはないと言います。
足も使えて手も使えるし、ひとりだけ違うユニフォームが着られるし、グローブも使える。

クヨクヨしやすい選手もGKを経験して性格が変わるらしいです。
過ぎたことは忘れて次のシュートに備える。
クヨクヨするヒマがあったら声を出して味方を鼓舞する。
同時に自分にカツを入れる。

そんなGKコーチの言葉を聞いて、3年生以下にはローテーションでGKをやらせています。
後ろから見えるコートの雰囲気、自分の後ろにゴールがある緊張感が味わえるそうです。

ただひとつネックなのが、ゴールキックが飛ばないってことですね。
味方に渡せばいいのですが、できれば遠くへ飛ばしたいものです。

育成段階のGKは明るく、楽しく捉えたいものです。

持久系プロテイン

ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。