【少年サッカー】6年生が中学までにやらなければならないこと(2)

スキルアップ 三浦直弥 練習法 講師

三浦です。

高校サッカーは広く注目されていますが、中学サッカーは意識して試合を見ないと観戦する機会がありません。

日本のサッカーでは、小学生のサッカーと高校サッカーはメディアが大きく取り上げますが、中学生のサッカーは今ひとつ知名度がありません。

しかし、U12からU18までの育成年代の中心は、U13、14、15と言えるほど大切な時期が中学生年代なのです。

その大事なステージによい状態で選手を送り出したいので、6年生が中学生になるまで何をやらなければならないのか?というテーマで指導に取り組んでいます。

小学生時代に身に着けたい戦術理解

小学生のサッカーに戦術はいらないという意見がありますが、確かに高校サッカー以上で語られるような戦術は不要だと思います。

ただし、試合を進める上でチームとして、同じラインまたは同じサイドのグループとして(例えば、ディフェンスライン、中盤ラインという横のラインと、センターやサイドという縦のラインをグループとしてイメージしています)行うプレーは、戦術の土台として身に着けたいものです。

小学生時代に何となくやっていたラインの上げ下げは、中学サッカーに行くと上げるタイミング、下げるタイミングの遅れが致命的になります。

なぜラインを上げるのか、ラインを上げると何がよいのか、どのタイミングで上げるとよいのか、どのタイミングで下げるとよいのか。
小学生のうちにその理由とタイミングについて体で覚えておくことが必要です。

ラインの上げ下げがなぜ有効かを理解しておく

チームとしてやっているからという漠然な理由ではなく、理論として把握しておくことが大事です。

試合では、相手になるべくスペースを与えないためにラインを上げます。
ラインを上げることにより自チームの選手どうしの縦方向の距離が短くなります。
これで相手ボールを奪いやすくなり、相手が自由にプレーしにくくなります。

しかし、相手チームは中盤を経由して攻撃するとは限りません。
相手チームが中盤を省略してボールを蹴り込んで来た場合、その処理をGKだけに任せることはリスクが大きいです。
ラインの誰かが予測して対応する必要があります。

誰がどのタイミングでラインの上げ下げを行っているのか、もう一度自チームの試合を振り返ってみましょう。
中学のサッカーでも当然ラインの上げ下げはありますが、コートが広くなり、選手やボールのスピードがアップするので、選手どうしのコミュニケーションが必要となります。

その時、お互いになぜラインの上げ下げを行っているのか、その理解度が試されます。
走る能力も大事ですが、脳の力はもっと大事です。

フォアチェックと守備のスタート

小学生のサッカーでは、ゴールとゴールの間が標準で68mということから、攻撃と守備の切り替えがとても早いです。
フォワードや中盤の選手が相手エンドでボールを奪えばすぐにシュート打てる距離になります。

これをフォアチェックと言います。
引いて守るリトリートとは逆の戦術になります。
人数が少ないので、相手チームがボールを持っている状況で、ひとりがプレスをかければパスコースを限定し、インターセプトを狙うことが出来ます。
これをショートカウンターと言いますが、少年サッカーでは有効な攻撃方法です。

しかし、中学サッカーはコートが広いので、小学生のように前線からプレスをかけても、コートが広いためにプレスの裏側にボールを入れられてしまい、数的不利の状況で守備をすることになります。

前に出ていくことは、後ろにスペースを作ることになるのです。
前にいる選手、サイドにいる選手が前に出て行って後ろのスペースが出来ないようにするか、スペースが出来てもそのスペースを使わせないように出来たスペースにすかさず入る連動が必要です。

少年サッカーでは少々のスペースが出来ても人数が少ないのと出来たスペースが小さいので、そこを使われて困るというシーンが少なかったかも知れません。
しかし、中学サッカーはそのスペースが拡大されるので戸惑うことがあるでしょう。

スペースを管理する意識を身につける

小学生時代に身に着けて欲しいことは、スペースの管理です。
スペースの管理というと難しい言葉に聞こえますが、簡単に言うと、守備ではスペースを作らない、使わせないこと。
攻撃ではスペースを見つける、作る、使っていくということです。

サッカーの試合ではボールを持つと相手が取りに来る仕組みになっています。これ基本です。
逆を言えば、相手がボールを持ったら、あるいは持とうとしたら相手に近づき相手のボールを奪わなければならないということです。

どんな場合もそうでしょうか。
相手をフリーにしてはいけないことはサッカーの基本だから、どんな場合もそうなのかも知れません。

しかし、奪いに行く選手はひとりでいいはずです。
誰が行くのか、一番近い人が行くのか、一番近い人が行ってその後ろがペナルティエリアで、後ろにGKしかいなかった場合はどうでしょうか。

前に行って抜かれることは避けなければなりません。
抜かれたら背後のスペースを使ってシュートを打たれてしまいます。

基本の考えはコートの場所によって変わるということを小学生のうちに学んで欲しいと思います。

相手を自由にしない!ファーストディフェンダーがアプローチして相手の自由を奪うというセオリーは、セカンドディフェンダーがいるから成り立つプレーです。

中学サッカーの心得

三浦のチームのOBが中学サッカーに出会った感想をこう言っていました。

「中学サッカーを体験して始めて味わう感覚は、とにかく広い!です。しかしめちゃくちゃ速い!です。人もボールも速いです。」

この広いコートを走り切れるだろうか、と思ったらしいです。

その選手に三浦はこう言いました。

「大丈夫、一番走るのは選手じゃなくて、ボールだから。ボールを自由自在に走らせるために、選手が動いてスペースを作ったり消したりするのがサッカー。選手はスペースからスペースに移動することが基本。時にはゆっくり、時にはトップスピードで」

しかし、こう付け加えました。

ロングボールでなんとかなると思ったら大間違い。広いコートでもコンパクトになる時間がある。そこでは、トラップ、ドリブルなど個人技を持っている選手が王様になる。ボールを扱う能力はどんなに高くてもいい。最後はボールコントロールで決まる。広さに惑わされないで、ボールをたくさん触りなさい。」

三浦が伝えたい内容は以上です。

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