【少年サッカー】全日本U-12サッカー選手権大会を考える
三浦です。
この時期になると全日本U-12サッカー選手権大会の予選が近づいてきて、各チームは予選に向けた準備を始めていることでしょう。
北海道や北東北では、雪でグラウンドが使えなくなる前のこの時期に、予選を終えて代表が決まっています。
今回は、少年サッカーにおける全日本の位置づけについて書いていきます。
2023全日本U-12サッカー選手権大会
JFA 第47回全日本U-12サッカー選手権大会の全国大会は、2023/12/26(火)~2023/12/29(金)に鹿児島県で行われます。
都道府県の代表は10月から11月にかけて決まります。
JFAのサイトで詳しい情報が公開されています。
全日本U-12サッカー選手権大会の主催と趣旨
全日本は、正式には「JFA 全日本U-12サッカー選手権大会」と言います。
全国各地では、全日本、全日、全少などと略されている大会です。
主催
公益財団法人日本サッカー協会
公益財団法人日本スポーツ協会 日本スポーツ少年団
読売新聞社趣旨
日本の将来を担う子どもたちのサッカーへの興味・関心を深め、サッカーの技術・理解を向上させると同時に、サッカーを通じて心身を鍛え、リスペクトの精神を養い、クリエイティブでたくましい人間の育成を目指し、その研修の場として本大会を開催する。将来に向けて大きく成長するための準備として、この年代にふさわしいゲーム環境を提供することにより、育成年代で年代に応じた豊かな経験を積み重ねる中で自ら成長していくことのできるようサポートする。子どもたちや周囲の大人が、サッカー、スポーツの素晴らしさに触れ、生涯にわたって楽しみ、関わっていけるよう、文化として醸成していくことを目指す。
趣旨の解説
近年、小学生に全国大会が必要か?という議論が持ち上がっています。
勝利至上主義や勝敗にこだわりすぎる傾向があることで、小学生のサッカーとしてあるべき姿が忘れ去られているのではないかというものです。
三浦も勝敗にこだわりすぎることはよくないことと考えていますが、競技スポーツとしてサッカーに取り組む以上は、全国大会であろうが都道府県大会であろうが大会は必要だと考えています。
そこで、全日本大会の趣旨を読み直すと考えさせられる言葉が見つかります。
クリエイティブでたくましい人間の育成
趣旨には、「クリエイティブでたくましい人間の育成を目指し、その研修の場として本大会を開催する。」とあります。
チームや選手としての完成度を競うものではなく、クリエイティブでたくましい人間の育成過程にある選手たちの研修の場が全日本だということです。
同時に、心身を鍛えること、リスペクトの精神を養うことも趣旨に謳われています。
約20年前、JFAの指導方針が改定されました。2002年の日韓W杯の後です。
それまでは「クリエイティブな選手を育成する」だけだったのですが、それに「たくましい」という一文が加えられました。
JFAの2005年宣言で、2015年に世界のトップ10になること、2050年にW杯を開催すること。そのためには世界のトップリーグで日本人選手が活躍することが必要であり、そのためにはクリエイティブな選手だけではダメで、たくましさが必要だと述べられています。
最近の森保ジャパンやなでしこジャパンを見ていると、クリエイティブだけでなく、タフさを感じる場面が増えて来ました。
なでしこジャパンでは長谷川唯選手、男子代表では遠藤航選手に代表される「たくましさ」が日本の強さの原点になっています。
ここまで20年近くかかったこと、20年近く前のビジョンに基づいた活動の結果、この状況にあると言えますが、2015年までに世界のトップ10に入れたのは女子だけで、男子はトップ8の壁を前に悔し涙を流し続けています。
少年サッカーと代表のサッカーは繋がっていると考えると、やはり「たくましさ」はサッカーにおいて必要な要素だと言わざるを得ません。
負けず嫌いを育てること
サッカーの楽しさはチーム対チームで得点を争うことです。幼稚園や保育園などの未就学児童ではミニサッカーが行われ、小学1年生から3年生はミニコートでの試合、小学4年生くらいから少年サッカー公式サイズで試合が行われているのが実情かと思います。
試合をするために練習をするのですが、試合の勝ち負けにこだわり過ぎるとプレッシャーとなり、練習で身につけたスキルを試すことが出来なくなってしまいます。
失敗してもいいから試合で試してみること。
指導者も保護者も選手がトライする気持ちを尊重する必要があります。試した結果、勝ち負けがついてきます。
保護者や指導者は勝敗にこだわり過ぎないことが大切ですが、選手たちにはミニゲームであろうが公式戦であろうが勝つことを意識する気持ちが大事だと伝えています。
勝つ気持ちより、負けたくないという「負けず嫌いの気持ち」が選手を成長させるように思います。
勝って得るものもありますが、負けて得るものもあります。
相手がいるから試合が出来て、試合を通して多くの事を学びます。
全国大会という試合のシステムについても議論しつつ、少年サッカーのモチベーションをどのように維持していくか。私たち大人や指導者が考えていかなくてはなりません。
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