【少年サッカー】ボールを失わない!相手からボールを遠ざけるプレーとは
三浦です。
低学年を指導していると、まだサッカーを始めたばかりということで、かんたんに相手にボールを渡してしまうようなプレーを多く見かけます。
三浦のチームに限ったことかも知れませんが、まだサッカーを始めたばかりの3年生以下に多いプレーです。
ボールをとられたくない!ボールを持ち続けたいという気持ちを前面に出すような選手はどのようにして育てればいいのでしょうか。
目次
低学年の試合で見かけるシーン
試合を見ていると、ボールを奪ったと思ったらすぐに奪われてしまうとか、ボールに近づくと反射的に相手ゴール方向にボールを蹴ってしまうというプレーが多いようです。
低学年のうちはお互いにスキルが未熟なため、ボールを奪われてもまた奪い返すことができるという経験から、ボールに対する執着が薄いのだと思います。
低学年の段階から、ボールをかんたんに相手に渡さないことを指導していきたいのですが、指導する上でのポイントがあります。
個人としてボールを相手に渡さない気持ち
指導ポイントとしては、チームとしてボールを大事にするというよりも、まず個人としてボールを相手に渡さないという気持ちを土台にすることです。
4年生、5年生と学年が進んでいけば、チームとしてボールを保持するというプレーが必要になります。
その前の3年生段階では、自分とボールという関係の中で「ボールを大切にするプレー」が大事です。
ボールに触りたい、ボールを持ち続けたい、ボールを取られると悔しい!という気持ちを前面に出したプレーを奨励します。
では、どのような練習方法や指導ポイントが個人スキルを高めるのでしょうか。
試合ではボールを失うとどうなる?
サッカーは相手ゴールにボールを入れれば1点で、試合終了時に得点の多い方が勝つ仕組みになっています。
相手より多くゴールを奪うことが大事ですが、相手よりゴールを多く奪えれば何点失点してもよいのか?
取られたら取り返せばいい。たしかにその通りですが、その考え方がプレーに悪影響となる場合もあります。
相手のゴールを奪い、自分のゴールを守る。失点しなければ負けることはない。
これも事実です。
三浦としては、スコアが、5-4の試合より2-1のような拮抗した試合で選手が育つと考えています。
守備についての意識は急には育ちません。低学年からゴールを守ること、個人でボールを失わないことを指導することが大事だと考えています。
ボールを持ちたい、ボールを取られたくないという気持ちの延長線上に「ゴール」を奪う、ゴールを守るという気持ちを土台にしていきたいと考えています。
個人技術での「ボールを奪われないプレー」とは
ボールを持てば必ず相手選手が奪いに来るのがサッカーの原則です。
パスを受ける時に、相手から遠い場所にボールを置くことも重要なスキルです。
相手は前後左右どこから来るのかわかりませんから、ボールを受ける前に回りを見て置くことが大事です。
「相手に取られない場所にコントロールする」というコーチングだけで充分でしょうか。
ちょっと具体性に欠けると思います。
相手から遠い足でボールに触る
「ボールをコントロールする時に、相手選手から遠い足を使う」
これだけでボールを失いにくいプレーができます。
ボールと相手との間に自分の体があるので、ボールが奪われにくいのです。
ボールを奪いにくる相手に体をぶつける選手も多いですが、相手のバランスを崩すよりも、自分の体を使ってボールをシールドすることが基本です。
自分から相手に体をぶつけにいくとバランスを崩しやすく、場合によっては転倒につながります。
三浦の場合、ボディコンタクトはある程度体がしっかりしてきた小学4年生以上から指導するようにしています。
自由自在に体の向きを変える
前後左右のどこから相手が来ても、相手とボールの間に自分の体を入れればよく、ボールを触る足は左右どちらの足でもよいです。
利き足なら正確にコントロールできますが、利き足でボールに触れるように自由自在に体の向きを変えられるようなステップワークが必要になります。
基本を軽視しない
「相手とボールの間に体を入れること」「相手から遠い足でボールを扱う」ことは、言葉やプレーにするととても容易に見えることから軽視されがちです。
三浦はこれまでいろんなチームと試合をして来ましたが「相手から遠い足でボールを扱う」という基本がチーム全員に徹底しているチームは意外に少ないようです。
逆に、この基本ができているチームは他のスキルもしっかりしています。
もちろん、優れた指導者と意識の高い選手の揃ったチームは、このような基本を小学4年生くらいでしっかりとマスターしていることでしょう。
まとめ
相手にボールを奪われないためには、相手から遠いところにボールを置くことです。とてもシンプルな考え方ですが、根気よく実践していくためにはコーチや保護者が観察することが必要です。
ボールを失う場面のほとんどは、相手にボールを晒してしまう場面です。なぜ遠ざけることができなかったのか、そういう意識がなかったのか、やろうとしてできなかったのか。
客観的にコーチや保護者が観察して、選手が「そうだ、忘れてた!」という反応であれば、しつこく何度も根気よくコーチングしていく必要があります。
時間をかければ身につきますし、1度身につけば忘れない技術です。