【少年サッカー】 漸進性の法則とオープンスキル・クローズドスキル

スキルアップ 三浦直弥 講師

三浦です。

サッカーの練習方法は、簡単な方法から難しい方法へ段階的にステップアップしていくと効率がよいことは誰でも知っていることですね。

それは自主練でもチーム練習でも同じことです。

難しいけど楽しくて効率が高い練習は「ゲーム」、つまり試合です。

サッカーの練習方法としてゲームに勝るものはないと言われます。しかし、毎回の練習で試合ばかりしていてはサッカーのスキルは身につきません。

簡単な方法から難しい方法へ段階的にステップアップしていくということはどういう事なのか。サッカーの段階的な練習方法について解説します。

オープンスキルとクローズドスキル

スポーツ全体を見渡すと、ひとりで行うスポーツと相手と競うスポーツがあることがわかります。

例にあげると、陸上競技や体操競技はひとりで行うスポーツです。

時間との勝負だったり演技の難易度を競う競技ですね。相手による外的要因に左右されないスポーツです。

実際はライバルを意識してパフォーマンスが変わるのですが、直接の影響はありません。

これらをクローズドスキルによるスポーツと言います。

 

一方、相手による外的要因に左右されるスポーツがあります。まず、格闘技ですね。相手と1対1の勝負を競います。

ボールを使う競技では、サッカーをはじめ、バスケットボールやラグビーなどが上げられます。これらの球技はコーチ内で相手と入り乱れて競うスポーツです。

これらをオープンスキルによるスポーツと言います。

テニス、卓球、バレーボールはどうでしょうか。相手とネットを隔てて入り乱れることはないですし、接触することはありません。しかし、相手の打つボールに対応する動きが必要です。

野球はチームどうしが攻守に分かれて競技します。ネットで隔たれていません。ピッチャーとバッター、打者と野手という関係での対応があります。

相手がいるという点でオープンスキルによるスポーツに分類されます。

サッカーのクローズドスキルとオープンスキル

スポーツ全体を見渡すとクローズドスキル、オープンスキルのスポーツに分類されることがわかりました。

クローズドスキルによるスポーツ、オープンスキルによるスポーツに優劣はありません。どちらも難度が高く、どちらも多くの人々に愛されるスポーツです。

ここで、練習方法に目を向けてみましょう。

オープンスキルのスポーツの代表と言えるサッカーですが、全ての練習方法はオープンスキルによる練習方法でしょうか。

ボールリフティング、ドリブルなどひとりでも出来る練習方法があります。

ボールコントロール、トラップなどは、コーチや仲間にボールを投げてもらえば練習できますね。

ドリブルの練習で、奪いにくる相手をつけて行えばオープンスキルのトレーニングになります。実際の試合と同じ状況ですね。

コーンを並べてジグザクに交わしていくトレーニングもよく行われますが、コーンは障害物ですが奪いにくる相手ではないので、外的要因とななりません。クローズドスキルのトレーニングになります。

漸進性の法則とは?

サッカーに限らずスポーツの技術を身につける時に大事なことは、易しいことから難しいことへ少しずつ段階を踏んで身につけていくということです。

これをスポーツ理論では「漸進性の法則(ぜんしんせいのほうそく)」と言います。

「漸進性の原則」とは、トレーニングの負荷や難易度を少しずつ高めていくという原則です。

「漸進」とは「順を追って進むこと。少しずつ進歩すること」を意味します。

ドリブル練習における漸進性の法則

例えばドリブル練習では、サッカーを始めたばかりの小学生に、両足のインフロント(親指側)を使ってボールをタッチして運ぶことをやらせると、比較的かんたんに行うことができます。

しかし、両脚のアウトフロント(小指側)を使ってボールをタッチして運ぶことは難しいようです。

相手がいない状態でも難しいわけですから、奪いに来る相手に対してアウトサイドで交わすということはもっと難しいわけです。

小学生にふさわしいトレーニング方法

特に小学生の場合は、発育発達の途上にあるので、難しいことに挑戦することによって筋肉や骨格に過度の負荷がかかることがあります。

効率のいい練習方法を選ぶ時には怪我をしにくい練習方法かどうかも頭にいれておく必要があります。

クローズドスキルからオープンスキルへ

相手をつけないで行うクローズドスキルであるコーンを使ってアウトサイドドリブルの練習をすることで、足の運び方、バランスの取り方、ボールにタッチするタイミング、足首の角度などを身につけることができます。

そのような練習の後で、奪いにくる相手をつけます。その時は、思い切り奪いにいくフルプレッシャーではなく、ハーフプレッシャーやプチプレッシャー(三浦の造語です)で漸進性をつけていくことで、ステップアップしやすくなります。

オープンスキルからクローズドスキルへ

試合中のドリブルでどうしてもアウトサイドで相手を抜く、相手を交わすというプレーが上手くいかなかったとします。

よく見ると、足首を上手く立てることができずにボールをタッチするため、正確にボールを運べないことがわかったとします。

この場合の改善策としては、いったんクローズドスキルによって正確にボールを運ぶトレーニングを行い、その後に相手をつけてトレーニングして確認するという事を繰り返します。

オープンスキルからクローズドスキルへ、クローズドスキルからオープンスキルへの繰り返しで漸進性の法則によるパフォーマンスアップが期待できます。

まとめ

漸進性の法則やオープンスキル、クローズドスキルと専門用語が並んで難しく感じたかも知れません。

サッカーの練習を安全に効率よく行うには、ひとりでやってみる、相手をつけてやってみる、試合でやってみるという繰り返しを行うことがいいですよ、ということです。

相手をつけて上手くいかない時は、相手をつけずにひとりでやってみる。3歩進んで2歩下がるような状態であっても、進んでいることは確かです。

この原則を理解して、少年たちのサッカーを見守ってみてください。

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