【なでしこジャパンから学ぶ】ボールの置きどころを変えて狙いを外していく
三浦です。
なでしこジャパンが決勝トーナメントに進出し、ノルウェーと戦いました。
結果は3-1で勝ち、ベストを8進出を決めました。
目次
決定力の高さと女子サッカーの新たな幕開け
前回のフランス大会は、グループリーグで2位となり、得点は2得点(岩渕真奈、菅澤優衣香)でした。
決勝トーナメントのオランダ戦は長谷川唯が得点を上げながらも、2-1で破れ、ベスト8ならず。
今大会は、グループリーグ3勝で11得点。そして決勝トーナメントはオウンゴールを除けば2得点です。
なんという決定力!この4年間の進化を感じますね。
そして、2011年ドイツ大会優勝の呪縛や、優勝まで引っ張ってきた澤選手がいない女子サッカーの長い低迷期からの脱出を感じます。
世代交代には10年という月日がかかると同時に、日本サッカーの育成システムと女子サッカーへ情熱を注ぐ人々のレベルの高さを感じました。
前回大会で悔しい思いをした清水梨紗のゴール
ノルウェー戦は、先制点はノルウェーのオウンゴールでしたが、すぐにノルウェー得意の高さを生かしたクロスからのヘディングを押し込まれて同点に。
なでしこジャパンはここで崩れることなく、ハーフタイムを挟んで後半に挑みました。
池田監督が難しい時間帯だったと言っていましたが、決勝点を決めたのは前回のフランス大会の決勝トーナメントでオランダに敗れて悔しい思いをした清水梨沙でした。
偶然生まれたゴールではなく、狙っていたゴールでした。
ノルウェー選手がペナルティエリア内でパスをする瞬間を読み、前半にも同様のチャンスがあったもののワンタッチシュートでコントロール出来なかったことから、しっかりとコントロールしてシュートを打つという冷静なゴールでした。
前回大会の雪辱を果たすことが出来た清水梨沙選手のポジションはウイングバックで、登録はディフェンスです。
ゴールを奪うことへの強い意志がなければペナルティエリアまで侵入することは出来なかったでしょう。
また、清水選手がここまで上がるためには熊谷選手を中心とするセンターバック陣の安定した守備力が必要不可欠だったと思います。
相手のペナルティエリアに入っても冷静に状況判断ができる清水選手のプレーは、ぜひ、小学生の選手たちにもお手本にして欲しいです。
たとえ相手チームの選手たちが体格が大きくても、こぼれ球を狙う、インターセプトを狙うことは体格は関係ないので、ボールばかり見ないで、相手選手、味方選手の位置を見て自分のプレーを判断して欲しいです。
体格が大きくスピードあるノルウェーをかわすなでしこジャパン
今日、三浦のチームの選手たちにこの試合の感想を聞くと、清水選手や宮沢選手のゴールの感想が多かったのですが、選手たちに試合の内容をもう一度振り返ってもらいました。
体格が大きくスピードもあるノルウェー選手にボールを奪われることなくボールを回しながら、ゴールに向かうことが出来たのはなぜだろう。
この質問に答えられる選手はいませんでした。しかし、この質問の意味がわかった選手は何人かいました。
それは、なでしこジャパンがノルウェー選手にボールを奪われる場面が少なかったからです。
なぜボールを奪われなかったのか。
数多くのパスを交換しつつ、相手ゴールに近いところでもパスをつなぐなでしこジャパンのボールをなぜノルウェーは奪うことが出来なかったのでしょうか。
選手たちとのミーティングでは、答えが出ませんでした。
答えは、今、自分たちのチームが取り組んでいる「ボールコントロール」「トラップ」の方法です。
なでしこジャパンはボールの置き場所が自由自在
パスをつなぐということは、トラップの連続です。
ノルウェーがボールを奪うためには、パスをインターセプトするかトラップの瞬間を狙うしかありません。
なでしこジャパンの選手たちのパスワークの優れているところは、トラップした時のボールを相手が取れないところに置くということです。
ノルウェーの選手は
「このパスを受けたら、普通はここにボールを置くだろう」
と予測してチャレンジします。
しかし、なでしこジャパンの選手たちは
「ここにボールを置いたら狙われる。奪われない場所にボールを置いて次のパスにつなげる」
と考えてプレーしています。
ボールばかり見ないことでパスが繋がる
三浦は選手たちに「ボールばかり見ない」という事を徹底して指導しています。
トラップをする時にはボールを見ることは当たり前ですが、ボールを受ける直前まで周りを見ることが必要です。
ボールを奪おうとする相手の位置を確認するためには、ボールを視野に入れながら確認するか、ボールから目を離して相手選手の動きを確認する必要があります。
相手がボールを奪おうとする位置にボールを置けばトラップの瞬間にボールを奪われてしまいます。
しかし、相手が届かない場所にボールを置けば、ボールを奪われずに次のプレー(パス、ドリブル)につなげることができます。
まとめ
熊谷キャプテンを中心とした守備が徹底しているからこそ、中盤やフォワードの選手が思い切ってプレー出来ていることがよくわかります。
シュートの決定力や、センターバックの強さだけに目を奪われず、中盤の選手たちがなぜボールを取られることなくパスがつなげて、相手ゴール前へボールを運ぶことができるのか。
戦術的に優れているということもありますが、パスは出し手と受け手の問題です。
なぜパスが成功しているのか、なぜ奪われたのか。
この女子ワールドカップを通して、ボールを受ける、ボールを置く場所、について考えてみましょう。
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