【なでしこジャパンから学ぶ】集中した守備に支えられた素晴らしい決定力

スキルアップ 戦術 三浦直弥 講師

三浦です。

2023女子ワールドカップに出場している「なでしこジャパン」の試合内容から、少年サッカーの上達に役立つポイントをピックアップしてお伝えしています。

ザンビア戦、コスタリカ戦を無失点で勝利したなでしこジャパンは1次リーグ3試合目のスペイン戦に挑みました。ワールドカップでは初顔合わせとなるスペイン戦ですが、前半は3-0で折り返し、後半追加点で4-0で勝利。

スペイン戦は難しい試合になるだろうと予想しましたが、無失点で4-0は素晴らしいです。

予想通りだったのは守備の場面ですね。しっかりした守備からのショートカウンターが見事でした。

このようなレベルの高い試合の中からも少年サッカーの参考になるポイントがありました。

徹底したカバーリング

乱れない守備ブロック

ザンビア戦やコスタリカ戦に比べると、圧倒的に攻撃される場面が多い試合でした。

しかし、なでしこジャパン(以下日本)は、熊谷選手を守備リーダーとして守備ブロックを作り守りきりました。

守備ブロックというと難しそうに聞こえますが、3バックを中心とした最終ラインとボランチ陣を中心とした中盤の選手のラインの2列のラインでシュートを打たせないというものです。

この2列の間隔は狭すぎると一直線になってしまいピンチを招きますし、広すぎるとスペースを与えることになります。

少年サッカーでは2列になっているつもりでもいつの間にか一直線になってしまうことがあります。

ボールばかり見ない、周りを見ることの大切さがよくわかります。

クロスボールやコーナーキックなど、なでしこジャパンが苦手とするボールにはGK山下選手が安定の守備を見せてくれました。

決勝トーナメントでは、山下選手と熊谷選手という守備の要を中心に組織で相手のボールを絡め取るディフェンスの評価が高まっていくことでしょう。

チャレンジ&カバーの徹底

ゴール前を崩せないスペインは日本の両サイドから攻めようとします。

個人技やワンツーでサイドを攻めるスペイン選手に1対1では対応が難しい場面も多かったです。

しかし日本はひとりがチャレンジするとすかさずカバーリングが入りボールを奪いました。

少年サッカーでもカバーリングの練習はしっかりやっていると思います。カバーリングが成功するコツは、2つです。

ひとつは、チャレンジ(ボールを持っている相手に向かうこと)する選手と、カバーリングする選手がコミュニケーションをとることです。

チャレンジする選手は自分が向かっていくことを動きや声でアピールして、カバーリングする選手もそのアピールに応えます。

チャレンジする選手はカバーリングがいることで思い切ってボールを奪いにいけます。ギリギリのプレーで奪えない時にカバーリングの選手の足がスッと伸びてきます。

横パスを出された場合は、カバーリングの選手がチャレンジに代わります。足を止めないプレーと集中力が素晴らしいです。

スペイン戦では、ボールを持った相手に2人で守備をしているかのように見えました。それくらい連携が取れているということと、選手同士の連動が上手くいっているということでしょう。

相手を振り向かせない

スペイン選手に比べると体格面で劣るなでしこジャパンですが、球際では体を張ったプレーで相手を自由にさせませんでした。

印象的なプレーは、相手が後ろ向きにボールを持った場合の守備です。この場合はボールを持っていてもいい状態で持っているわけではないので、振り向かせないように体を寄せていくことが大事です。

ボランチの長谷川選手もこのプレーは徹底して行っていました。

少年サッカーでも、大きい選手を相手に守備をしなければならない場面がありますが、前を向かせないでボールを下げさせる、そのボールをカットするなど、奪い取るチャンスに変えていきましょう。

献身的な走りでしっかり戻る

前半に3-0にした日本は後半は追われる立場になりました。風下になるハンデもありました。

しかし追加点を取ろうとサイドチェンジにもトライしてスペインゴール前に走りました。

スペインボールになると速攻させないようにプレッシャーをかけながらも自軍エンドにしっかり戻るなでしこジャパン。

このしっかりした守備から田中選手のゴールが生まれました。

テレビにはボールを持った選手が中心に映し出されますが、その背後に必死に戻るなでしこジャパンの選手たちがいました。

戻り切った選手はスペインからボールを奪うと前へ前とつなぎ、田中選手は相手に囲まれながらもフェイントを入れて絶妙なタイミングとコースにゴールを決めました。

前半の3点もしっかりした守備からのカウンターが起点となっています。

少年サッカーでは、攻め上がって戻ってこない選手を見ることがありますが、自分が戻らなくても誰かが戻ってくれるからいいと考えていないでしょうか。

チームのために自分ができるプレーは何か?戻ること、走ることではないですか。

決定力の高さとは

サッカーの試合で解説者がよく使う言葉に「決定力」というものがあります。

シュート本数が多くても枠内に飛ばなければシュートスキルが低いということになりますし、シュートが枠内にとんでもGK正面に飛んでキャッチされればやはりシュートスキルが低いということになります。

なでしこジャパンの4点目が決まった時、総シュート数は6本だったそうです。GKが届かないところにボールが飛べばゴールが決まるのです。

少年サッカーを指導していてシュートをためらう場面を見ることがありますが、シュートコースはたくさんあってもシュートタイミングはひとつしかないと指導しています。

誰にも触れることなくネットを揺らさないと得点にならないという訳ではありません。相手ディフェンダーに当たってもポストに当たっても入ればゴールなのです。

なでしこジャパンの決定力の高さはタイミングを逃さないことだと思いました。

男子サッカーで見られるようなミドルシュートという武器はありませんが、相手が前にいてもゴール枠内に飛ばせるシュートスキルの高さが魅力です。

まとめ

サッカーには堅守速攻という言葉がありますが、その意味はしっかり守って少ないチャンスをものにして、1点差でもよいので相手を上回り、勝利を手にすることだと捉えています。

なでしこジャパンのサッカーは、攻撃するためにボールを奪う、それが守備であり、ボールを奪ったらシュートまで持っていくという信念を感じました。

山下選手、熊谷選手を中心に高い守備力を持ちながら全員が攻撃に転じることもできるなでしこジャパン。

体格面で劣っていても、集中力とスタミナとコミュニケーションではどのチームにも負けない

決勝トーナメントは8月5日(土)です。しっかり応援しましょう。

 

 

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