【なでしこジャパンに学ぶ】女子サッカーと少年サッカーの共通点
三浦です。
Jリーグや海外リーグなどのプレーを参考にしながら指導していますが、実は少年サッカーの指導には、女子サッカーがとても参考になります。
女子サッカーのどんなプレーが少年サッカーの参考になるのか解説します。
2023女子ワールドカップ
FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023が始まりました。
なでしこジャパンはグループC、ザンビア、コスタリカ、スペインと戦います。
7月22日に行われた1次リーグは、ザンビア 0-5 日本というスコアでした。
結果は大勝ですが、海外メディアはザンビア有利とする声も多く、良くても2-2の引き分けではないかという声もありました。
ザンビアが有利という理由は、フォワードのバーバラ・バンダを日本は止めることが出来ないだろうというものでした。
バーバラ・バンダを警戒するなでしこジャパンでしたが、2011年ドイツワールドカップ優勝メンバーの熊谷紗希選手を中心とした守備陣がしっかりマークし得点させませんでした。
この試合の中にも少年サッカーでぜひとも真似したい珠玉のプレーがたくさんありました。
少年サッカーと女子サッカーの共通点
なでしこジャパンのプレーはとても参考になります。
参考になることに気づいたのは今大会ではなく、東日本大震災があった2011年に行われた女子ワールドカップドイツ大会でした。
優勝に向かって突き進むなでしこジャパンを応援しているうちに、あることに気がついたのです。
世界的に見て体格的に劣るなでしこジャパンですが、プレーのひとつひとつを見ていると、正確で基本に忠実であることに気づきました。
欧米の女子選手や南米の女子選手の中には、身体能力の高さを活かすプレーが見られます。
そのような選手のプレーは少年サッカーのお手本にはなりませんが、少年サッカーの場合はそのようなチームと試合をすることがあります。
小学6年生ともなると身長が160センチを超え、爆発的な走りやドリブルを見せる選手がいます。
わがチームにはそのような選手はいません。身長も150センチに満たない選手も多いです。
まるで、なでしこジャパンと世界の戦いを見ているようです。
基本に忠実にボールを運ぶ
そのような選手をエースとするチームと戦う時には、しっかりとマークすることはもちろんですが、ひとりでは守りきれなかったりします。
しかし、警戒してばかりいては試合になりません。奪ったボールをつないで相手ゴールに迫らなければなりません。
足が速い、当たりが強い選手を相手にしながらボールをつなぐためには、グループワークが必要です。
2人、3人で確実にパスをつないで前に運ぶためには、基本をしっかり身につけることが必要です。
・ルックアップして周りを確認する
・味方とのアイコンタクトや声を使ってコミュニケーションを高める
・パスを出したら動く
・動きながらパスを受ける
・狭いスペースでも正確なボールコントロールができるようにする
・足元やスペースへ正確に素早くボールを出す
このような基本を日々練習していますが、なでしこジャパンの試合を見ているとこれらのひとつひとつを確認することがよくわかります。
男子サッカーではスピードのあるプレーが連続するために見落としてしまうようなプレーでも、なでしこジャパンではひとつひとつを確認することが出来ます。
顔を上げるプレーのメリハリ
少年サッカーではどうしてもボールコントロールの技術が未熟なため、目線が下に行きがちです。足元のボールをみないと不安になるため、なかなか顔があがりません。
しかしパスを出す、ドリブルでボールを運ぶ時には顔をあげないとゴールの位置、スペースの位置、相手、味方を確認することが出来ません。
顔を上げること、周りを見ることはサッカーの基本です。
なでしこジャパンの選手のプレーを見ていると、ボールを見る、周りを見るという顔の上げ下げにメリハリがあることがよくわかります。
「ボールが自分にパスされて、足元にボールが届く前の一瞬に顔をあげて周りを見ている様子」
「ボールを呼んで、自分にパスが来る前に自分をマークする相手やパスを受けた後の攻撃方向などを確認している様子」
普段の練習でコーチから「顔をあげよう、ボールばかり見ないようにしよう」を言われている選手たちも、お手本となるとなかなか見つからないものです。
サッカー好きの少年少女をひとりでも多く!
サッカー少年、少女は小学生であることから、発育発達途上であり、個人差が大きいものです。
小学1年生から小学6年生まで、6歳も年齢が離れ、それ以上に体格差が大きいのが少年サッカーです。
小さい小学4年生が大きい6年生と練習したり、試合をすることが日常的です。
体格差、スピード差、ボールをキックする能力の差が大きくても、それを組織力や技術で乗り越えることが当たり前となっているなでしこジャパン。
なでしこジャパンの戦いを見て、体格面で恵まれていない少年サッカー選手のモチベーションアップに繋がってくれればいいなと三浦は思っています。
ひとりでも多くのサッカー少年、少女がサッカーを好きになってくれることを祈っています。