【攻撃のサポート】ボールを持った味方に近づくこと、離れること
三浦です。
選手たちは夏休みに入り、サッカーをする時間がたっぷりあります。
相変わらず気温が高いので熱中症対策をしながら、練習や試合に取り組んでいます。
サッカーの距離感とはどういう意味
女子ワールドカップ開催中ということもあり、テレビ等でサッカーの試合を目にする機会が多いです。
また、好きなJリーグ・チームや、海外チームをネットでチェックしている選手もいます。
三浦がコーチを始めた頃には、選手たちのサッカーネタと言えば、基本的にスポーツ新聞とサッカー雑誌でした。
記事を切り抜いてグラウンドに持ってくる選手たちがイキイキとした目で仲間やコーチに説明している様子は今は見られない光景です。
ここ10年でしょうか、サッカーの解説で「距離感」という言葉を多く聞くようになってきました。
距離感とはずばり選手と選手の間の距離です。
守備の距離感
現在行われている女子サッカーのなでしこジャパンは3バックですね。
3バックと言えば少年サッカーも3バックですが、なでしこジャパンの3バックは3人がセンターバックです。
左右のウイングバックを含めて5バックという形でディフェンスラインを形成しています。
少年サッカーの3バックは、センターバックは中央のひとりだけ。両サイドはサイドバックです。
大人のサッカーではタッチラインとタッチラインの間が約70mです。少年サッカーでは約50mです。
この距離を何人で守るか?という所に選手間の距離感という発想があります。
しかし、大人も少年も「コンパクトサッカー」が主流なので、コート幅いっぱいに守備ラインを引くということはありません。
少年サッカーで言えば、3人で守り切れる幅が30mだとすればお互いの距離は15mになります。
コートの幅が約50mですから残る20mを3人で守るためには、お互いの距離を15mとりつつ上下左右に移動するということになります。
コート幅の約50mを3人で守ろうとすれば、お互いの距離は20m以上となり、その間に入られたら守備は出来ません。
お互いの距離にルールはなく、選手と選手の間に入られても守れればいいのです。逆に狭すぎると外側に大きなスペースが出来てしまいます。
このように守備の距離感とは「カバーリング可能な距離」という考え方で決めていきます。
攻撃の距離感
攻撃の距離感は、サポートの距離と言い換えることが出来ます。
ボールを持っている味方に対して、近づくのか離れるのか、前方向に行けばいいのか、後ろ方向に行けばいいのか。
攻撃の出来栄えは「サポートの質」であるとも言えます。
なでしこジャパンの宮沢選手が味方からパスを受ける時、パスの出し手(ノルウェー戦では藤野選手)がボールを持っている時、藤野選手からパスを受ける場所が「前」と判断した宮沢選手が走り込んだ位置がサポートです。
宮沢選手が藤野選手に近づいていたらあのスルーパスを受けることは出来なかったでしょう。
思い切り離れることで、GK前のスペースでボールを受けることができた訳です。
このような縦の関係だけでの距離感ではなく、横の関係の距離感も大切です。
ノルウェー戦の2点目を決めた清水選手も、他の選手から距離をおくことで相手のマークから外れることができました。
少年サッカーでは、相手ゴール前ではボールを持った味方から離れること、味方が前を向いてボールを持っていれば、離れてもよいことを学んでいます。
しかし、味方がよい状態でないボールの持ち方、例えば相手ゴールに向かって後ろ向きなどの場合は、近づくことで、短くとも正確にボールを受け取ることができます。
このボールを受ける選手は、味方の状態を見てすっと離れることで相手チームの守備から距離を置くことができます。
確実にパスが届く距離
守備の距離感はカバーリングできる距離が基準となりましたが、攻撃の距離感の基本は、確実にパスが届く範囲といえるでしょう。
20m離れてもパスを届ける自信があるという選手もいると思いますが、20mのパスが味方に届く間に味方への守備も近づいています。
パスを受けることはできるが相手に囲まれてしまうのでは次のプレーに繋がりません。
パスとはボールが移動している間にも相手選手も移動するので長いパスは大きなスペースに出す、大きなスペースで受けることを意識しないとトラップした瞬間に奪われてしまうことがあります。
選手たちには、ボールを受けたら2タッチでリターンパスを出せる位置がちょうどよい距離じゃないかな、と指導しています。
まとめ
小学生の低学年では、ボールを持った味方に近づきがちです。その連続から団子サッカーになることが多いですね。
キック力がないので近づかないとボールの受け渡しが出来ないことが近づき過ぎの理由です。
ある程度ボールが蹴れるようになったら、ボールを持った味方から離れてもスピードのあるボールが来るでしょう。
この距離感とは、ボールを持った味方どうしだけの問題ではなく、ボールを奪おうとする相手にとって同一視野に入れば近すぎで、入らないようにすることも大事ということを覚えて欲しいです。
相手に見えているけど、相手が奪いに来る前にシュート、パス、ドリブルができる距離。
それがサポートのベストの距離です。
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